◎2017年1月7日(土)
樺崎八幡宮駐車場(7:33)……城山・200m……255.6m三角点……鳩ノ峰・317m標高点……249m標高点……301.4m三角点……山王山・370m(10:54~11:10)……退却……林道……山王山登山口……264m標高点……228.9m三角点(12:46~13:20)……203m標高点……車道……八幡宮(14:29)
先日、田島川左岸尾根を歩いた際に、名草川を挟んだ東側にある長い尾根が気になっていた。帰ってから地図を確認すると、下に樺崎寺跡というのがあり、一部に破線も続き、苦も無く歩けそうな感じの尾根に見える。あの尾根を歩くだけでは面白味がないだろうと、周辺の情報を調べると、さらに東の尾根に鳩ノ峰とか山王山があった。いずれも登ったことはなく、山王山に至っては、みー猫さんの記事を拝見して以来、漠然と行きたい山だなと思ってはいたが、地理に不案内では具体的にどこに位置する山なのか調べもしないままでいた。12月に瀑泉さんが歩かれた記事に接してもしかりで、つまりは、何かのきっかけがなければ縁のない山だろうなといった存在であった。
これらの山を回って、件の尾根を下れば面白いだろうなとネット記事を確認すると、しろうと山やさんの記事が目についた。件の尾根こそ歩かれてはいないが、鳩ノ峰方面から樺崎八幡宮というところに下っている。なるほど、このルートを使えば周回できそうだ。
ところで、この山王山から樺崎八幡宮の西上152.8m三角点につながる尾根だが(表現が面倒なので、以降は「山王山南西尾根」と記させていただく)、北関東自動車道に尾根末端部が寸断されている。この辺をどう歩くかは、現場に近づいてからの判断にしておこう。目前にして進退窮まるという状態にはならないだろう。
この山王山南西尾根、帰ってから調べると、野球親爺さんもななころびさんも歩かれていた。あまり関心の向かないエリアだったため、記憶にも残っていなかった。この時点ではネット情報にない尾根と思っている。両氏の記事を改めて読み直ししたが、事前に読んで理解していたら、もっと違う歩き方もできたのになぁと少々残念なところもある。それにしても、同じようなことを考えるものだとついおかしくなってしまった。
(樺崎八幡宮)
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(ここを行き)
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(フェンスの中に入った)
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樺崎八幡宮の広い駐車場には車が一台もなく、さらに周辺は工事が入っているようで工事事務所や重機も置かれている。ここに車を置いていいものか迷ったが、駐車禁止でもないようなので利用させていただく。
住宅地を歩いて行くと、文字の消えかかった標識が置かれていた。来た方向の樺崎八幡宮は読めるが、反対側は塩坂峠と読めなくもない。それに合わせて路地を行くと、突きあたりにフェンス。「出入口」と記されている。ここから入ればいいのだろう。このフェンス、持ち上げ式で、元に戻すのがひっかかって厄介だった。
(下向きになっている標識)
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(ヤブめいている)
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さてここからどちらに行けばいいのだろう。出たところは原っぱのようなところで、地面はフカフカで靴に早速、泥が付いた。これを避けて明るい左に行くとまたフェンス。しかたなく元に戻ると、上に踏み跡のようなものが見え、これだろうと見当をつけて辿る。
疑心暗鬼のままに登って行くと、古い標識があり、行く方向に城山、山王山、大坊山とある。これで正しかったようだが、標識は下向きになっている。下方向に踏み跡はない。これは釘が抜けてそうなっているだけのことで、持ち上げると上を向いてくれた。その先はどうも頼りないヤブ道が続いている。歩く人も少ないようだ。これでいいのだろうと信じて先に行く。
(2コブの山が気になった)
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(城山山頂)
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倒木があったり、かなり古いテープがあったり、周囲にヤブが出てきたりと、登って行くと正面にピークが見える。あれが城山だろうか。右手遠方に2コブの奇怪な姿の山が見える。あれは何という山だろう。
城山の標識があるだけの平らな山頂。雑木に覆われている。かつてここに樺崎城という城があったらしい。だから城山なのだろう。山頂からの展望は悪いが、山頂下からの眺めは良かった。これから向かう255.6m峰方面が朝日をバックにしてしかと見えない。
(ここは2段になっている)
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(鳩ノ峰かと思うが)
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(255.6m三角点峰)
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(255.6m三角点標)
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下ると2段の段差があった。これは郭の跡のようだ。ズルズルと越えて登りにかかる。左手に見えるピークが鳩ノ峰だろうか。だとすれば意外に近いようだが。
目の前のピークが三角点峰かと思っていたら、さらに続きがあった。踏み跡はしっかりと続いている。下ってまた登って255.6m三角点。ここに山名はないようだ。三角点が素っ気なくあるだけ。
(ハイキング道に合流する)
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ちょっと先に標識があり、南方向には大坊山、越床峠、山頂番屋と記されている。ここからは一般道のようで、快適な歩きができるだろうなと期待している反面、早々にこれではなと、ちょっと残念な感もある。別に好んでヤブを漕いでいるわけでもないのだが。
ここは狩猟禁止区域のようだ。さりとて流れ弾が飛んでくる可能性もあり、こういう狩猟区と隣り合わせのところは安心もしていられない。赤い看板には銃猟禁止とあり、ワナや網はいいのだろう。
(鳩ノ峰)
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快適なハイキングコースだ。だれも歩いていない。今日は風も弱い。歩いているうちに汗をかきそうだ。正面に三角形の山が見えてくる。先ほど鳩ノ峰かと思った山だ。
切通しのようなところを通過。さっきの城山やら先日の砦跡を見た後だけに、つい城跡の堀切かと思ってしまう。登り上げると鳩ノ峰、ではなかった。ここにもまだ先があった。こんなフェイントかけがこれからも続きそうだ。
(赤城山が見え)
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(富士山)
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小ぶりの岩が出てくる。尾根上からの展望は良好で、まずは赤城山、そして八ヶ岳。赤城山も少しは白くなったか。富士山が見えやしないかと目を凝らすが、どうも255.6m三角点峰がその先の視界をふさいでいる。
ロープが出てきた。ようやくここで富士山。樹にカメラを横付けしてピンボケにならないようにしてシャッター。今度は浅間山もはっきりと見え出す。このコース、なかなかの眺望じゃないか。
(鳩ノ峰山頂)
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一登りすると鳩ノ峰。へーっ、これが鳩ノ峰か。神社マークがあるので、たかが石祠ではあるまいと思ってはいたが、神社跡だ。立派な神社だったようだ。コンクリの階段まである。しばらくの休憩とする。
神社の屋根瓦をそのままに集めて積み重ねているという趣向はここに神社があったという証だろうが、集めきれない瓦があちこちに散乱している。石祠の銘には赤見村中。置かれたままのバケツとちり取り。石碑の前後ろにずらりと刻された寄進者の名前…。赤見村の人々がここに神社を奉納したのだろう。つい往時を想像してしまう。再建されることもなくこのままに廃れていくのか。そういえば、山王山にも古い地図には神社マークがあるが、新しい地図にはない。どういう状況になっているのだろうか。
(古い標識が続いている)
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下りかけると鳩峯山神社の境界標があった。これもまた寄進されたものだ。先に行くと右手方向に寺久保の集落に行く分岐。ここは直進して塩坂峠方面に向かう。
また標識があった。ここは標識の多いところだが、みんな古ぼけて新しいのは目にしない。標識には樺崎八幡宮も記されているが、南西に下る破線路か。そういえば、その破線路に鳩ノ峰からも西に下る破線路が合流しているが、山頂では気づかなかった。割れた標識があったが、あれだろうか。
また下っては登る。右下から明瞭な道が合流する。その方向に合わせた標識はないが、地図を見ると、これもまた寺久保に向かっている。
(ハイキングマップの看板。山王山から先は出ていない)
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そしてハイキングマップの看板が登場。ここが塩坂峠らしい。ここから山王山までは105分とある。1時間45分か。意外にあるもんだ。今9時半だから、山王山に着くのが11時15分。ちょっと微妙なところだ。というのは、実は今日の山行、山王山で折り返しではなく、さらにその先の名草山まで行くつもりで来ている。今日のメインは山王山南西尾根だが、できれば、名草山まで往復しておきたい。自分の場合、いずれはさらにその先を目指すとか延ばす、結ぶといった思いはないが、やがてはその気になるかもねといったレベルで、ついでに歩けるところは歩いておきたい。問題は山王山から名草山までどれくらいの時間がかかるかだ。
メインは決まっているので慌てた歩きはすまい。今歩いているところとて自分には初歩きのところだ。しばらくハイキングマップを眺めてから歩き出す。すぐにベンチのあるところに出ると、見慣れたふれあい道の標識が置かれていた。ここは東西をふれあい道が通っている。そういえば「マンサクの花咲くみち」と看板にはあったが、これか。
(行道山方面)
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古い標識がまた現れた。山王山が記されていることを確認する。アップダウンは多いものの、依然として歩きやすい道が続き、また展望の稜線歩きになっている。富士山も現役のまま。登り詰めると北関東道も見えている。今日は3連休ということもあって車の数も多いようだし、その分、騒音もひっきりなしだ。
次の標識で寺久保山が現れた。この時点では山王山と同方向だ。寺久保山はお手軽ルートで南側から登ったことはあるが、なぜこんなところの標識に寺久保山が記されているのか正直のところ不思議で、地図を見ると、確かにこの大分先に東の寺久保山に向かう破線路がある。
(301.4m三角点標)
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(依然として明瞭道が続く)
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地図を見て、まだこんなところかよと認識を新たにする。名草山に行くのならもうちょっとあせった方がいいみたい。なぜかある道路公団の基準点を見て、アンテナも確認。そして、余計な301.4m三角点も見て休憩。菓子パンを食べて一服。結構、汗をかいた。しかし、だれにも会わないねぇ。ネットの情報で、マイナー系の方々も含めこの辺は賑わっているのかなと思っていたのだが。
ロープが張られたところを通過。滑落というよりもこの先に入るなということだろうが、間違って入り込んだとて集落か大網林道に出てしまうだけのことで、さほどの危険性はないとは思うが、途中で岩場でもあるなら別だ。
(山王山が見えてくる)
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(山王山南西尾根)
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そろそろ正面に山王山らしき山が見えてくる。そして右下にゴルフ場。その上に見えているのが300m標高点ピークか。寺久保山は木立で見えない。そして左手には下り予定の山王山南西尾根が下っている。あそこもまた起伏がありそうだ。その先に名草の街があって、さらに先日の田島川左岸尾根。
(山王山が近づく)
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(寺久保山分岐)
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登り下りを繰り返すと山王山が近づく。どうも手前のピークがじゃまくさい。
だらだらと記していても仕方がない。その手前ピークに達し、標識が賑やかなところに出た。ここが寺久保山分岐か。寺久保山だけなら、わざわざここまで来る人はいないだろうが、ゴルフ場一周コースならここを通るか。
(下に大網林道)
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ちょっとした植林を下って行くと、大網林道が下に見えてくる。ここで林道に降り立つ。ここまで来たら、標識に合わせて林道を歩いて西側の破線路から律儀に登るというのもどんなものか。尾根が続いているのだから、正面から登った方が手っ取り早い。
(ちょいヤブを越えて)
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(山王山山頂)
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(北西側)
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上に向かう踏み跡は入り乱れている。歩きやすいところを拾ってジグザグに登る。ここまでにない急な斜面になっている。空が見え、ヤブに入った。ザックに括り付けたストックの先が引っ張られる。すぐに石祠のある平らなところに出た。山王山到着。10時54分。
石祠の上には文字かすれの山名板があり、387mとなっている。地図の等高線では370m。380mのラインはない。ヤブに覆われた広場だが、ここにも神社があったのだろうか。まさか、この石祠が神社マークというわけではあるまい。隣のピークに行ってみる。さらに何もない。鳩ノ峰のような瓦の残骸すら目に入らない。
干芋をかじって一服。さてと、これから名草山往復だが、どれくらいの時間がかかるものやら。ここからの下りが嫌らしそうだ。ふと思い出してスマホで先月の瀑泉さん記事を確認する。往復3時間か。自分なら優に3時間半。山王山南西尾根に2時間半かけるとして都合6時間。これでは日没過ぎで無理。とりあえず下って12時退却という手もあるし、次の258m標高点まで行くという手もある。まずは下ってみるとする。
(名草山に向けて下る)
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(ここで退却)
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下りはそう簡単には事が運ばなかった。周囲がヤブで先が見えない。コンパスをセットしているのに、そちら方面は急斜面に見え、方向違いのところを下って戻る。さらにうろついてコンパスを信じてヤブに入ると何だ緩斜面じゃないか。そしてテープまである。
ところどころ明瞭ながらもヤブがあったりする。岩混じりを通過して植林。植林に入ってもヤブがあって歩きづらい。何だこの尾根はといらついてくる。どうも自分の好みではないと理由づけして早々に切り上げる。後でGPS軌跡を確認すると、北西ではなく南西の尾根に引き込まれていた。どうりでどんどん下っている気配があったわけだ。自分のミスに気づかずに苛立っていただけのこと。
(さらにひどいヤブをかきわけて下る。林道が見えた)
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(こんなところから出て来た)
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このまま80m登って山頂に戻るのもどうかと、楽な林道に出ようと画策する。強烈な篠竹のヤブだった。さっぱり進まない。ストックも引っかかる。時には滑って転ぶ。林道のカーブが見えた時にはほっとしたが、何やらガードが置かれている。有刺鉄線が張られた柵だった。端のすき間からガードレールを越えて林道に出た。こんな悲痛な思いをするのなら、山頂に戻って破線路を下るべきだった。
(林道脇の庚申塔群)
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(山王山登山口)
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林道をテクテク歩く。路肩にある庚申塔群を眺めていると、後ろから車が上がって来た。トロトロ走っている。仕方ないので庚申塔の写真を何枚も撮った。ようやく追い越して行った。高齢者マークの軽だった。
破線路登山口に座って休憩。この先の南西尾根の末端がそこにあるが、よく見ると、やはり林道で寸断された形になっている。取り付きはヤブめいている。余談だが、山王山の山頂で瀑泉さんの記事を拝見した際、瀑泉さんがこの南西尾根をいずれの課題にされていることを知った。その時は悪いかなと思ったが、前述のように、野球親爺さんやななころびさんも歩かれていたので、まぁ、問題はないでしょうということで。
(南西尾根取り付き部。ササヤブ)
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(この辺は快適尾根)
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(たまにこんなヤブも)
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ササヤブの中に踏み跡らしいものがあちこちにある。ちょっと倒木が多いか。倒木は大方が腐っている。ピンクのテープが垂れ、そのうちに古い赤テープが目についた。歩いている人もいるようだ。ピークが近づくとササヤブは消えた。
ちょっとヤブめいたところもあるが快適な尾根だ。尾根型も明瞭。下り時使用で注意すべきところといったら、最初の310mピークからの南西方向の下りで南の尾根に引き込まれないこと、そして、264m標高点手前ピークで西側の尾根に下らないといったところだろう。尾根分岐に細い雑木やヤブが繁茂し、先が見えづらくもなっている。
ただこの尾根、しばらくは250m前後での起伏が続くので、下りなのに先に高いピークが続いているのを見ていると、げんなりとしてくることは確かだ。しかし、さしたる標高差のある上りにはならない。あまり役立ちはしないが、赤テープもずっと続いている。
(264m標高点付近)
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(この先)
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(先日歩いた両岸尾根)
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右手の展望が開けたところを歩いて下る。さして見どころのある山は見えないままに264m標高点に着いた。ここから先に228.9m三角点峰が見えている。ここに来ると行道山やら、先日歩いた田島川沿いの尾根も見える。街並みも覗き、グンと里に近づいたといった感じになってくる。
地図上ではここから破線路が出てくるが、際立った道型といったものはない。これまで同様、明瞭な尾根歩きが続く。この辺からヤブが次第にうるさくなってくる。場所によっては背丈超えの篠竹が続くところもある。
(228.9m三角点で昼食)
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(雑煮ラーメン)
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228.9m三角点で大休止。時間も12時45分を過ぎているので、久しぶりにラーメンを作って食べる。ハイトスさんのような山で豪華なお雑煮とはいかないが、これとて餅入りだから雑煮とも言えよう。今日は風は冷たいが弱いのでこんなこともできる。すでにフリースの下は汗だくになっている。
(伐採地から。下を道が通っている)
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(山王山)
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(男体山、皇海山方面遠望)
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気分も満足して下る。ちょっとしたヤブは続く。西側斜面が伐採されたところに出た。ここは上り。小規模伐採地ではあるが歩きづらい。伐採したのは大分以前のようで、尾根上はそのまま放置されていて、伐った灌木の枝葉が歩行の妨げにもなる。下を観察すると、すぐここの真下から作業道が出ていて、そのまま里の道につながっている。もしかすると、東側の実線が西につながっているのかも。横倒しの木で気づかなかったが。
伐採地ピークに立って振り返ると、山王山がこんもりと見えている。そして、ようやく男体山から皇海山の山並みが見えた。足元はなおも放置の木で歩きづらい。
(203m標高点付近)
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(八幡山が正面に。下を高速が通っている。それができるまでは左から尾根通しだったのだろう)
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ヤブをかきわけて203mに到着。そのまま尾根分岐まで南下する。目の前に北関東道を挟んで152.8m三角点ピーク(八幡山というらしい)が見えている。ここからが問題だ。一服して、この先のルートを検討する。
当初の予定ではここから破線を離れ、南東に八幡山を目指して下るというものだったが、それは北関東道が開通する以前の地図を見ての予定であって、高速道が通っているのでは手も足も出ない。それでも下ってみるかとおかしな考えがまだ残っている。さりとて、中腹まで車道が続いているあの山に登ってもあまり面白味もないのではないのか。ここは、破線路のままに下って街に出てしまった方がいいかもしれない。
(直進して鞍部)
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ヤブの間を南西に下る。八幡山の西側にあるピークとの鞍部に出た。ヤブはないが、時間的な関係か、陽が入り込まず全体が陰気な感じのところだ。目の前のピークに登ってもさして面白くもないだろう。ここは地図上の破線を南東に行くしかないか。西に下れば、車道歩きが長くなる。
(きついヤブに入り込む。本日のラスト)
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(こんなところに出た)
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猛烈なヤブだった。抜け出し所用時間は5分。こんなところにかつては破線路が果たしてあったのだろうか。それはともかく、畑の上に出た。畑はフェンスで囲まれ、ここを通って行けない。畑の両隣りに家が各1軒。まずはスズを外す。1軒の上の端まで行ってみたが、車道にそのまま出られる突破口はない。こちらも相当なヤブで、車道との間にフェンスもありそうだ。
民家の前を通って車道に出るしかないな。早速、行動をとろうとしたら、もう1軒から人が出てきて、車に乗り込んだ。なかなか発進しない。出て行くまでヤブの中で待機した。長かった。エンジンを暖めたりなんかしている。さらに一服して待った。ようやく車が遠ざかってから、そーっと玄関先から車道に出た。これが玄関前だったから良かった。裏手だったら、居間やらベランダから丸見えだったろう。
(車道歩き。例の2コブの山)
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車道に出て高速道路の下トンネルをくぐる。出たところで八幡山に登ってみようかなと思ったが、なんだかもうどうでもいいような気分になっている。通る車はほとんどない。八幡山の裾野の車道を歩いているが、正面先に今朝がた見かけた奇怪な形のコブ山が見えてくる。方角的には越床トンネルの真上のようだが。
(パワースポット入口)
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車道を歩き始めてから、妙にお尻の上がチクチクしてきた。首筋から入り込んだヤブの木クズが下に降りてきたようだ。樺崎八幡宮0.5kmの標識が現れ、先に行くと、手書きの「パワースポット登山道入口」の標識。上に向かう道が続いている。ここで素直に八幡山に登ればよかったのだが、パワースポットという、何やら怪しげで安っぽい言葉に引かれることはなくパス。おかしな宗教団体があったということもある。
八幡宮まで0.1kmのところでまたもやパワースポット登山道入口。気分的にえらく不快になった。これで八幡山への登山道だということはわかったが、八幡山が俗化された山なら行ってもしょうがないだろう。秘密めいた言葉ではなく、八幡山と記せばいいだろうに。とはいっても、自分のことだ。今度来た時にはそのパワースポットにいそいそと行くだろう。
(八幡宮にお参り)
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地形図に池が記されたところで重機が2台、整地をしている。公園化の整備でもあるようだし、もしかした樺崎寺の遺跡発掘作業の一環なのかもしれない。目の前に見えるピークは城山だろう。意識もせずに登っていた。
樺崎八幡宮に到着。せっかくだからお参りをする。ここもまた古い、由緒のある神社のようだ。トイレに入り、背中にたまった木くずを叩く。結構、落ちてきた。
他に2台の車しか見あたらない駐車場に戻って来た。正月ももう7日だ。初詣でする人もいないのだろう。
予定の名草山までは行けなかったが、目的の山王山南西尾根を歩いただけでも十分だ。矛盾した表現だが部分的にヤブが密集した快適尾根だった。さて、取りこぼしの名草山はどうするか。いずれ近いうちに歩いてみよう。
(本日の軌跡)
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「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」
樺崎八幡宮駐車場(7:33)……城山・200m……255.6m三角点……鳩ノ峰・317m標高点……249m標高点……301.4m三角点……山王山・370m(10:54~11:10)……退却……林道……山王山登山口……264m標高点……228.9m三角点(12:46~13:20)……203m標高点……車道……八幡宮(14:29)
先日、田島川左岸尾根を歩いた際に、名草川を挟んだ東側にある長い尾根が気になっていた。帰ってから地図を確認すると、下に樺崎寺跡というのがあり、一部に破線も続き、苦も無く歩けそうな感じの尾根に見える。あの尾根を歩くだけでは面白味がないだろうと、周辺の情報を調べると、さらに東の尾根に鳩ノ峰とか山王山があった。いずれも登ったことはなく、山王山に至っては、みー猫さんの記事を拝見して以来、漠然と行きたい山だなと思ってはいたが、地理に不案内では具体的にどこに位置する山なのか調べもしないままでいた。12月に瀑泉さんが歩かれた記事に接してもしかりで、つまりは、何かのきっかけがなければ縁のない山だろうなといった存在であった。
これらの山を回って、件の尾根を下れば面白いだろうなとネット記事を確認すると、しろうと山やさんの記事が目についた。件の尾根こそ歩かれてはいないが、鳩ノ峰方面から樺崎八幡宮というところに下っている。なるほど、このルートを使えば周回できそうだ。
ところで、この山王山から樺崎八幡宮の西上152.8m三角点につながる尾根だが(表現が面倒なので、以降は「山王山南西尾根」と記させていただく)、北関東自動車道に尾根末端部が寸断されている。この辺をどう歩くかは、現場に近づいてからの判断にしておこう。目前にして進退窮まるという状態にはならないだろう。
この山王山南西尾根、帰ってから調べると、野球親爺さんもななころびさんも歩かれていた。あまり関心の向かないエリアだったため、記憶にも残っていなかった。この時点ではネット情報にない尾根と思っている。両氏の記事を改めて読み直ししたが、事前に読んで理解していたら、もっと違う歩き方もできたのになぁと少々残念なところもある。それにしても、同じようなことを考えるものだとついおかしくなってしまった。
(樺崎八幡宮)

(ここを行き)

(フェンスの中に入った)

樺崎八幡宮の広い駐車場には車が一台もなく、さらに周辺は工事が入っているようで工事事務所や重機も置かれている。ここに車を置いていいものか迷ったが、駐車禁止でもないようなので利用させていただく。
住宅地を歩いて行くと、文字の消えかかった標識が置かれていた。来た方向の樺崎八幡宮は読めるが、反対側は塩坂峠と読めなくもない。それに合わせて路地を行くと、突きあたりにフェンス。「出入口」と記されている。ここから入ればいいのだろう。このフェンス、持ち上げ式で、元に戻すのがひっかかって厄介だった。
(下向きになっている標識)

(ヤブめいている)

さてここからどちらに行けばいいのだろう。出たところは原っぱのようなところで、地面はフカフカで靴に早速、泥が付いた。これを避けて明るい左に行くとまたフェンス。しかたなく元に戻ると、上に踏み跡のようなものが見え、これだろうと見当をつけて辿る。
疑心暗鬼のままに登って行くと、古い標識があり、行く方向に城山、山王山、大坊山とある。これで正しかったようだが、標識は下向きになっている。下方向に踏み跡はない。これは釘が抜けてそうなっているだけのことで、持ち上げると上を向いてくれた。その先はどうも頼りないヤブ道が続いている。歩く人も少ないようだ。これでいいのだろうと信じて先に行く。
(2コブの山が気になった)

(城山山頂)

倒木があったり、かなり古いテープがあったり、周囲にヤブが出てきたりと、登って行くと正面にピークが見える。あれが城山だろうか。右手遠方に2コブの奇怪な姿の山が見える。あれは何という山だろう。
城山の標識があるだけの平らな山頂。雑木に覆われている。かつてここに樺崎城という城があったらしい。だから城山なのだろう。山頂からの展望は悪いが、山頂下からの眺めは良かった。これから向かう255.6m峰方面が朝日をバックにしてしかと見えない。
(ここは2段になっている)

(鳩ノ峰かと思うが)

(255.6m三角点峰)

(255.6m三角点標)

下ると2段の段差があった。これは郭の跡のようだ。ズルズルと越えて登りにかかる。左手に見えるピークが鳩ノ峰だろうか。だとすれば意外に近いようだが。
目の前のピークが三角点峰かと思っていたら、さらに続きがあった。踏み跡はしっかりと続いている。下ってまた登って255.6m三角点。ここに山名はないようだ。三角点が素っ気なくあるだけ。
(ハイキング道に合流する)

ちょっと先に標識があり、南方向には大坊山、越床峠、山頂番屋と記されている。ここからは一般道のようで、快適な歩きができるだろうなと期待している反面、早々にこれではなと、ちょっと残念な感もある。別に好んでヤブを漕いでいるわけでもないのだが。
ここは狩猟禁止区域のようだ。さりとて流れ弾が飛んでくる可能性もあり、こういう狩猟区と隣り合わせのところは安心もしていられない。赤い看板には銃猟禁止とあり、ワナや網はいいのだろう。
(鳩ノ峰)

快適なハイキングコースだ。だれも歩いていない。今日は風も弱い。歩いているうちに汗をかきそうだ。正面に三角形の山が見えてくる。先ほど鳩ノ峰かと思った山だ。
切通しのようなところを通過。さっきの城山やら先日の砦跡を見た後だけに、つい城跡の堀切かと思ってしまう。登り上げると鳩ノ峰、ではなかった。ここにもまだ先があった。こんなフェイントかけがこれからも続きそうだ。
(赤城山が見え)

(富士山)

小ぶりの岩が出てくる。尾根上からの展望は良好で、まずは赤城山、そして八ヶ岳。赤城山も少しは白くなったか。富士山が見えやしないかと目を凝らすが、どうも255.6m三角点峰がその先の視界をふさいでいる。
ロープが出てきた。ようやくここで富士山。樹にカメラを横付けしてピンボケにならないようにしてシャッター。今度は浅間山もはっきりと見え出す。このコース、なかなかの眺望じゃないか。
(鳩ノ峰山頂)

一登りすると鳩ノ峰。へーっ、これが鳩ノ峰か。神社マークがあるので、たかが石祠ではあるまいと思ってはいたが、神社跡だ。立派な神社だったようだ。コンクリの階段まである。しばらくの休憩とする。
神社の屋根瓦をそのままに集めて積み重ねているという趣向はここに神社があったという証だろうが、集めきれない瓦があちこちに散乱している。石祠の銘には赤見村中。置かれたままのバケツとちり取り。石碑の前後ろにずらりと刻された寄進者の名前…。赤見村の人々がここに神社を奉納したのだろう。つい往時を想像してしまう。再建されることもなくこのままに廃れていくのか。そういえば、山王山にも古い地図には神社マークがあるが、新しい地図にはない。どういう状況になっているのだろうか。
(古い標識が続いている)

下りかけると鳩峯山神社の境界標があった。これもまた寄進されたものだ。先に行くと右手方向に寺久保の集落に行く分岐。ここは直進して塩坂峠方面に向かう。
また標識があった。ここは標識の多いところだが、みんな古ぼけて新しいのは目にしない。標識には樺崎八幡宮も記されているが、南西に下る破線路か。そういえば、その破線路に鳩ノ峰からも西に下る破線路が合流しているが、山頂では気づかなかった。割れた標識があったが、あれだろうか。
また下っては登る。右下から明瞭な道が合流する。その方向に合わせた標識はないが、地図を見ると、これもまた寺久保に向かっている。
(ハイキングマップの看板。山王山から先は出ていない)

そしてハイキングマップの看板が登場。ここが塩坂峠らしい。ここから山王山までは105分とある。1時間45分か。意外にあるもんだ。今9時半だから、山王山に着くのが11時15分。ちょっと微妙なところだ。というのは、実は今日の山行、山王山で折り返しではなく、さらにその先の名草山まで行くつもりで来ている。今日のメインは山王山南西尾根だが、できれば、名草山まで往復しておきたい。自分の場合、いずれはさらにその先を目指すとか延ばす、結ぶといった思いはないが、やがてはその気になるかもねといったレベルで、ついでに歩けるところは歩いておきたい。問題は山王山から名草山までどれくらいの時間がかかるかだ。
メインは決まっているので慌てた歩きはすまい。今歩いているところとて自分には初歩きのところだ。しばらくハイキングマップを眺めてから歩き出す。すぐにベンチのあるところに出ると、見慣れたふれあい道の標識が置かれていた。ここは東西をふれあい道が通っている。そういえば「マンサクの花咲くみち」と看板にはあったが、これか。
(行道山方面)

古い標識がまた現れた。山王山が記されていることを確認する。アップダウンは多いものの、依然として歩きやすい道が続き、また展望の稜線歩きになっている。富士山も現役のまま。登り詰めると北関東道も見えている。今日は3連休ということもあって車の数も多いようだし、その分、騒音もひっきりなしだ。
次の標識で寺久保山が現れた。この時点では山王山と同方向だ。寺久保山はお手軽ルートで南側から登ったことはあるが、なぜこんなところの標識に寺久保山が記されているのか正直のところ不思議で、地図を見ると、確かにこの大分先に東の寺久保山に向かう破線路がある。
(301.4m三角点標)

(依然として明瞭道が続く)

地図を見て、まだこんなところかよと認識を新たにする。名草山に行くのならもうちょっとあせった方がいいみたい。なぜかある道路公団の基準点を見て、アンテナも確認。そして、余計な301.4m三角点も見て休憩。菓子パンを食べて一服。結構、汗をかいた。しかし、だれにも会わないねぇ。ネットの情報で、マイナー系の方々も含めこの辺は賑わっているのかなと思っていたのだが。
ロープが張られたところを通過。滑落というよりもこの先に入るなということだろうが、間違って入り込んだとて集落か大網林道に出てしまうだけのことで、さほどの危険性はないとは思うが、途中で岩場でもあるなら別だ。
(山王山が見えてくる)

(山王山南西尾根)

そろそろ正面に山王山らしき山が見えてくる。そして右下にゴルフ場。その上に見えているのが300m標高点ピークか。寺久保山は木立で見えない。そして左手には下り予定の山王山南西尾根が下っている。あそこもまた起伏がありそうだ。その先に名草の街があって、さらに先日の田島川左岸尾根。
(山王山が近づく)

(寺久保山分岐)

登り下りを繰り返すと山王山が近づく。どうも手前のピークがじゃまくさい。
だらだらと記していても仕方がない。その手前ピークに達し、標識が賑やかなところに出た。ここが寺久保山分岐か。寺久保山だけなら、わざわざここまで来る人はいないだろうが、ゴルフ場一周コースならここを通るか。
(下に大網林道)

ちょっとした植林を下って行くと、大網林道が下に見えてくる。ここで林道に降り立つ。ここまで来たら、標識に合わせて林道を歩いて西側の破線路から律儀に登るというのもどんなものか。尾根が続いているのだから、正面から登った方が手っ取り早い。
(ちょいヤブを越えて)

(山王山山頂)

(北西側)

上に向かう踏み跡は入り乱れている。歩きやすいところを拾ってジグザグに登る。ここまでにない急な斜面になっている。空が見え、ヤブに入った。ザックに括り付けたストックの先が引っ張られる。すぐに石祠のある平らなところに出た。山王山到着。10時54分。
石祠の上には文字かすれの山名板があり、387mとなっている。地図の等高線では370m。380mのラインはない。ヤブに覆われた広場だが、ここにも神社があったのだろうか。まさか、この石祠が神社マークというわけではあるまい。隣のピークに行ってみる。さらに何もない。鳩ノ峰のような瓦の残骸すら目に入らない。
干芋をかじって一服。さてと、これから名草山往復だが、どれくらいの時間がかかるものやら。ここからの下りが嫌らしそうだ。ふと思い出してスマホで先月の瀑泉さん記事を確認する。往復3時間か。自分なら優に3時間半。山王山南西尾根に2時間半かけるとして都合6時間。これでは日没過ぎで無理。とりあえず下って12時退却という手もあるし、次の258m標高点まで行くという手もある。まずは下ってみるとする。
(名草山に向けて下る)

(ここで退却)

下りはそう簡単には事が運ばなかった。周囲がヤブで先が見えない。コンパスをセットしているのに、そちら方面は急斜面に見え、方向違いのところを下って戻る。さらにうろついてコンパスを信じてヤブに入ると何だ緩斜面じゃないか。そしてテープまである。
ところどころ明瞭ながらもヤブがあったりする。岩混じりを通過して植林。植林に入ってもヤブがあって歩きづらい。何だこの尾根はといらついてくる。どうも自分の好みではないと理由づけして早々に切り上げる。後でGPS軌跡を確認すると、北西ではなく南西の尾根に引き込まれていた。どうりでどんどん下っている気配があったわけだ。自分のミスに気づかずに苛立っていただけのこと。
(さらにひどいヤブをかきわけて下る。林道が見えた)

(こんなところから出て来た)

このまま80m登って山頂に戻るのもどうかと、楽な林道に出ようと画策する。強烈な篠竹のヤブだった。さっぱり進まない。ストックも引っかかる。時には滑って転ぶ。林道のカーブが見えた時にはほっとしたが、何やらガードが置かれている。有刺鉄線が張られた柵だった。端のすき間からガードレールを越えて林道に出た。こんな悲痛な思いをするのなら、山頂に戻って破線路を下るべきだった。
(林道脇の庚申塔群)

(山王山登山口)

林道をテクテク歩く。路肩にある庚申塔群を眺めていると、後ろから車が上がって来た。トロトロ走っている。仕方ないので庚申塔の写真を何枚も撮った。ようやく追い越して行った。高齢者マークの軽だった。
破線路登山口に座って休憩。この先の南西尾根の末端がそこにあるが、よく見ると、やはり林道で寸断された形になっている。取り付きはヤブめいている。余談だが、山王山の山頂で瀑泉さんの記事を拝見した際、瀑泉さんがこの南西尾根をいずれの課題にされていることを知った。その時は悪いかなと思ったが、前述のように、野球親爺さんやななころびさんも歩かれていたので、まぁ、問題はないでしょうということで。
(南西尾根取り付き部。ササヤブ)

(この辺は快適尾根)

(たまにこんなヤブも)

ササヤブの中に踏み跡らしいものがあちこちにある。ちょっと倒木が多いか。倒木は大方が腐っている。ピンクのテープが垂れ、そのうちに古い赤テープが目についた。歩いている人もいるようだ。ピークが近づくとササヤブは消えた。
ちょっとヤブめいたところもあるが快適な尾根だ。尾根型も明瞭。下り時使用で注意すべきところといったら、最初の310mピークからの南西方向の下りで南の尾根に引き込まれないこと、そして、264m標高点手前ピークで西側の尾根に下らないといったところだろう。尾根分岐に細い雑木やヤブが繁茂し、先が見えづらくもなっている。
ただこの尾根、しばらくは250m前後での起伏が続くので、下りなのに先に高いピークが続いているのを見ていると、げんなりとしてくることは確かだ。しかし、さしたる標高差のある上りにはならない。あまり役立ちはしないが、赤テープもずっと続いている。
(264m標高点付近)

(この先)

(先日歩いた両岸尾根)

右手の展望が開けたところを歩いて下る。さして見どころのある山は見えないままに264m標高点に着いた。ここから先に228.9m三角点峰が見えている。ここに来ると行道山やら、先日歩いた田島川沿いの尾根も見える。街並みも覗き、グンと里に近づいたといった感じになってくる。
地図上ではここから破線路が出てくるが、際立った道型といったものはない。これまで同様、明瞭な尾根歩きが続く。この辺からヤブが次第にうるさくなってくる。場所によっては背丈超えの篠竹が続くところもある。
(228.9m三角点で昼食)

(雑煮ラーメン)

228.9m三角点で大休止。時間も12時45分を過ぎているので、久しぶりにラーメンを作って食べる。ハイトスさんのような山で豪華なお雑煮とはいかないが、これとて餅入りだから雑煮とも言えよう。今日は風は冷たいが弱いのでこんなこともできる。すでにフリースの下は汗だくになっている。
(伐採地から。下を道が通っている)

(山王山)

(男体山、皇海山方面遠望)

気分も満足して下る。ちょっとしたヤブは続く。西側斜面が伐採されたところに出た。ここは上り。小規模伐採地ではあるが歩きづらい。伐採したのは大分以前のようで、尾根上はそのまま放置されていて、伐った灌木の枝葉が歩行の妨げにもなる。下を観察すると、すぐここの真下から作業道が出ていて、そのまま里の道につながっている。もしかすると、東側の実線が西につながっているのかも。横倒しの木で気づかなかったが。
伐採地ピークに立って振り返ると、山王山がこんもりと見えている。そして、ようやく男体山から皇海山の山並みが見えた。足元はなおも放置の木で歩きづらい。
(203m標高点付近)

(八幡山が正面に。下を高速が通っている。それができるまでは左から尾根通しだったのだろう)

ヤブをかきわけて203mに到着。そのまま尾根分岐まで南下する。目の前に北関東道を挟んで152.8m三角点ピーク(八幡山というらしい)が見えている。ここからが問題だ。一服して、この先のルートを検討する。
当初の予定ではここから破線を離れ、南東に八幡山を目指して下るというものだったが、それは北関東道が開通する以前の地図を見ての予定であって、高速道が通っているのでは手も足も出ない。それでも下ってみるかとおかしな考えがまだ残っている。さりとて、中腹まで車道が続いているあの山に登ってもあまり面白味もないのではないのか。ここは、破線路のままに下って街に出てしまった方がいいかもしれない。
(直進して鞍部)

ヤブの間を南西に下る。八幡山の西側にあるピークとの鞍部に出た。ヤブはないが、時間的な関係か、陽が入り込まず全体が陰気な感じのところだ。目の前のピークに登ってもさして面白くもないだろう。ここは地図上の破線を南東に行くしかないか。西に下れば、車道歩きが長くなる。
(きついヤブに入り込む。本日のラスト)

(こんなところに出た)

猛烈なヤブだった。抜け出し所用時間は5分。こんなところにかつては破線路が果たしてあったのだろうか。それはともかく、畑の上に出た。畑はフェンスで囲まれ、ここを通って行けない。畑の両隣りに家が各1軒。まずはスズを外す。1軒の上の端まで行ってみたが、車道にそのまま出られる突破口はない。こちらも相当なヤブで、車道との間にフェンスもありそうだ。
民家の前を通って車道に出るしかないな。早速、行動をとろうとしたら、もう1軒から人が出てきて、車に乗り込んだ。なかなか発進しない。出て行くまでヤブの中で待機した。長かった。エンジンを暖めたりなんかしている。さらに一服して待った。ようやく車が遠ざかってから、そーっと玄関先から車道に出た。これが玄関前だったから良かった。裏手だったら、居間やらベランダから丸見えだったろう。
(車道歩き。例の2コブの山)

車道に出て高速道路の下トンネルをくぐる。出たところで八幡山に登ってみようかなと思ったが、なんだかもうどうでもいいような気分になっている。通る車はほとんどない。八幡山の裾野の車道を歩いているが、正面先に今朝がた見かけた奇怪な形のコブ山が見えてくる。方角的には越床トンネルの真上のようだが。
(パワースポット入口)

車道を歩き始めてから、妙にお尻の上がチクチクしてきた。首筋から入り込んだヤブの木クズが下に降りてきたようだ。樺崎八幡宮0.5kmの標識が現れ、先に行くと、手書きの「パワースポット登山道入口」の標識。上に向かう道が続いている。ここで素直に八幡山に登ればよかったのだが、パワースポットという、何やら怪しげで安っぽい言葉に引かれることはなくパス。おかしな宗教団体があったということもある。
八幡宮まで0.1kmのところでまたもやパワースポット登山道入口。気分的にえらく不快になった。これで八幡山への登山道だということはわかったが、八幡山が俗化された山なら行ってもしょうがないだろう。秘密めいた言葉ではなく、八幡山と記せばいいだろうに。とはいっても、自分のことだ。今度来た時にはそのパワースポットにいそいそと行くだろう。
(八幡宮にお参り)

地形図に池が記されたところで重機が2台、整地をしている。公園化の整備でもあるようだし、もしかした樺崎寺の遺跡発掘作業の一環なのかもしれない。目の前に見えるピークは城山だろう。意識もせずに登っていた。
樺崎八幡宮に到着。せっかくだからお参りをする。ここもまた古い、由緒のある神社のようだ。トイレに入り、背中にたまった木くずを叩く。結構、落ちてきた。
他に2台の車しか見あたらない駐車場に戻って来た。正月ももう7日だ。初詣でする人もいないのだろう。
予定の名草山までは行けなかったが、目的の山王山南西尾根を歩いただけでも十分だ。矛盾した表現だが部分的にヤブが密集した快適尾根だった。さて、取りこぼしの名草山はどうするか。いずれ近いうちに歩いてみよう。
(本日の軌跡)

「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」