◎2017年3月4日(土)
庚申ダム管理事務所脇駐車場(7:16)……659m標高点からの尾根に乗る(7:36)……1030m標高点付近(8:45~8:58)……1326m標高点付近(10:50~11:00)……1425m標高点・雨降沢の頭(11:37~11:54)……巣神山(12:38~13:00)……(破線路下り)……1120m標高点付近(13:26)……駐車場(14:36)
久しぶりに夜半沢ルートで小法師岳に行くつもりでいたが、地図を見ていると、庚申ダムの先、659m標高点から北西に延びる尾根が目に付いた。一本調子ではないが、うまく歩けば1030m標高点と1326m標高点を経由して小法師尾根に出られるのではないか。
ただ、地図を見る限りは難点が3か所ほどある。一つは659mの取り付きの状態。二つ目は標高1000mから1050mにかけての区間の等高線が波打っていて締まりがない。これは何なのか。そして三つ目は1150mに接して東側に崖記号が入り込んでいる。無事に通過できるのか。取り付きの件は、ストリートビューで確認すると擁壁が続いていて、本尾根の末端からでは無理のようだ。となると、北の小滝側の枝尾根か、庚申ダム管理事務所のあるあたりから続く不明瞭な斜面利用となるか。滝沢遡行という案がなくはないが、涸れた沢ならともかく、確か流れがあるはずだ。残り2つの難点は現地で確認するしかないだろう。通行できないようだったら、南側の枝尾根に逃げるしかあるまい。
(滝沢。帰りに撮影)
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滝沢にかかる橋から滝沢を見ると、水が勢いよく流れていた。滝沢案は早々に却下。ショボい沢であってもこの時期の沢遡行は無謀というもの。取りあえず管理事務所先の駐車場に車を置いたが、目の前からでも取り付けそうだ。小滝の方まで見に行く必要もあるまい。駐車場の前から小滝の方に擁壁が設置されていて、上にフェンスが続いている。そのすき間をずっと行けば、659mの上まで行けそうだが、そこまで末端からの歩きにこだわることもないだろう。
(ピンボケだがお稲荷様の頭。典型的なイヌ科のキツネの表情だ)
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(石ゴロゴロ)
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(石ゴロから抜け出すが、ここもまた急だ)
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取り付きには、かつてここにお稲荷様があったのか、キツネの頭が台座の上に載せられている。いつも車で素通りしていて、こんなものがあったとは気づきもしなかった。この裏手から入り、右手、北方向に向かうとする。
斜面には大量の石がゴロゴロしていた。ここを登って行くのには抵抗があり、石の合い間を縫って渡ると、落葉の堆積した急な斜面が待っていた。明瞭な尾根型にはなっていない。結構滑る。右手先が植林帯が見え、植林に入れば少しは楽かと、植林に逃げ込む。
(植林に逃げ込むが、ここもまた急斜面)
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(本尾根に乗る)
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ここもまた見上げるような急斜面になっていたが、ところどころに作業道が通っている。さりとて、この作業道が本尾根に向かっているとは思えない。別方向に下っていたりする。作業道を使っても、肝心なところは急登に耐えるしかないようだ。
大岩を越えると本尾根に出た。傾斜もいくらか緩やかになり、尾根型も明瞭になっている。ここまでかなり体力を費やしてしまった。こんなに急とは思ってもいなかった。ぜいぜいしながら一休みする。
(出どころはどこなのか、作業道が入ってきたりする)
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(見下ろす)
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本尾根もまた植林尾根だが、次第に北側の展望は樹間越しながら覗いてくるようになる。真っ白なところからして、あれは中禅寺湖南岸尾根だろう。こんな景色がせめてもの救いといったところで、安心していたら急斜面は断続的に続いていた。ここであれっと思ったのは、落ちた杉の枝や倒木に燃えた跡が一面にあったこと。これはこの程度で済んで幸いだったろうが、だれも気づいていないのか。
傾斜が落ち着いたところで石標やらピンクテープが目に付いた。標高830m付近だから南からの枝尾根の方から続いていたのか。ということは、自分が入り込んだルートを西側に回り込んで本尾根に上がるルートがあるのかもしれない。テープを見た瞬間、先人がいたのかとがっかりもしたが、いつもの余計なお世話テープなのか、作業用のものなのかはこの時点では不明。ピンクテープはこの先しばらく続いたが、あらぬ方向にも付いていたりするから、作業用テープの可能性の方が高い。
(忽然とケルン)
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大石4枚重ねのケルンがあった。今回の歩き唯一のケルン。ついあの方かなと思ったりするが、RRさんがこんなところを歩くとは思えない。また形状からしてRRさんのものとはほど遠いが、この辺は、見回すと手頃な石がないことは確かで、大きな石しかなかったのでこのケルンかと思えばうなずけもする。
(ようやく落ち着いて明瞭な尾根)
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(南岸尾根がちらり)
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明瞭な尾根が続く。いつの間にやら植林は消え、自然林の中の歩きになった。右手がすっきりした展望スポットになったりもするが、名のある山は目先の無名峰の連なりに隠れてしまっている。
(下ると)
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(これでもかなり急斜面になっていて、ここは回避し)
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(こんなところを登ってしまった)
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脆そうな危うげなところを下り、岩混じりの登りになった。見上げる。これはちょっと手強い。地図上は、登り上げれば950m等高線のベローンとしたところに出るようになっている。登れなくもないが、転落する可能性もありだな。ふと、左手にピンクのヒラヒラが見えた。呼ばれているような気分になり、巻きルートを期待して追いかけると、ずっと先に向かっている。これではダメ。やはり作業用テープか。ここで元に戻ればよかったが、安易に脇から適当に尾根に出る算段をしてしまい、これがまた悪戦苦闘で尾根への復帰に10分以上を費やした。ここは慎重に尾根通しが正解だったろう。
(広角ではないのでこの程度だが、ここは多重稜線で雰囲気が良かった。進行方向は手前から左)
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(1030m標高点付近)
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(男体山と)
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(塔の峰)
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幾分なだらかな尾根になった。東側からも尾根が入り込み、多重稜線といった感じで、これがまた美しい眺めになっている。車道を先に行って707m標高点あたりから登れば最短でよかったかなと思えど、庚申川を渡るのでは無理な話だろう。1030m標高点に到着して休憩する。男体山と社山、塔の峰が見えてきた。
ここまで装備もなしに歩いてきたが、そろそろ雪も出てきたし、地面むき出しもまた硬くなってきている。チェーンスパイクを巻く。しばらくはこれで大丈夫だろう。
(岩が出てくる)
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(前方右手に崖マーク地点)
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大きめの岩も続いて出てくるようになるが、歩行に特別な支障はない。傾斜もないに等しいところだが、これはあっという間に終わり、そろそろ等高線ふにゃふにゃゾーンに入りつつある。前方に小ピークが見え、その右側には、あれは崖マークのところか、岩盤がむき出しでスダレ状になっている。この感じでは、あの小ピークまでの間に岩盤が割り込んでいる気配はないようだ。
(ピンクと黄色)
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尾根上に雪が出てくる。なぜかここに来て古い黄色のテープが交じる。滝沢遡行をすれば、その先は尾根上になってここに出るはずでもあるが、その目印だろうか。つい意識が先人ハイカーの有無にこだわってしまうが、こういったテープもまた結果的には作業用のようで、長くは続かないし、いずれは南の植林の方に続いて行く。それはともかく、ここで微妙な尾根の乗り換えがあった。そのまま直進すると、尾根先はスパッと切れ崩壊していた。左側から別口の尾根が合流し、そのままの態勢でそちらに乗り移るといったところだろうか。
何となくふにゃふにゃ等高線の意味がわかった。つまりは尾根らしくない小尾根が雑多にあるということだろう。迷うようなものとか、地形が凸凹といったようなものではなかった。
(右が崖マークかと思ったが)
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(実際は先の右にちらりと覗いている。ここもまたかなり急なのだが)
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右手に岩場が現れた。その時点ではこれが崖マークの正体かと思ったが、さっき見た距離からしてちょっと早いような気がしないでもない。
急斜面が待っていた。これが最後のダメ押しであることを願いたい。この辺は斜面も広く、樹を頼って行けるし、場合によっては抱きつきでの登りもできる。ちょっと安定したところで右の様子を見に行くと、ここに崖マーク部があった。地形図では窮屈な尾根に崖が接しているかのようになっているが、実際は崖を見ずともに登れる。見たかったら右端を歩けばよい。
(ようやく本格的に雪が出てくる)
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(こんな感じで防火線風)
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(何日か前のワカン跡)
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急斜面を登りこなすと、その先は雪原になっていた。登るに連れて緩やかになった。ここで休憩して一服。さて、ワカン+アイゼンを試してみようかと思ったが、雪質からしてわざわざアイゼンを装着するまでもない。ワカンのみにする。
雪は締まってサクサクと歩ける。踏み抜くところもない。たまにワカン跡を見かけるが、いずれは左右に移動しているのでハンターのものだろう。犬の足跡のようなものも見える。ここは狩猟可能エリアだが、今のところ銃声は聞こえない(後で知ったことだが、狩猟期は終わっているようだ)。しかし、雪の上にシカの足跡はまばらだ。ここまでの間に見かけた動物はシカ1頭とサル3頭のみ。この先も見かけることはなかったし、警戒音も聞こえなかった。
(せめて立木が半分だったらなぁ)
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気持ちのよいスノーハイクが続く。すでにテープ類は消えて久しい。ここもまた防火線だったのか、遠目で見ると、一本線上の空間が続いているようにも見える。ここでせめて右手・北側の展望が開けていれば最高なのだが、どうしても樹間越しになってしまうのが残念だ。このままの調子なら、小法師岳まで難なく行けるなぁなんて、この時点では思っていたりしている。
だれもいない静かな雪原の尾根、とてつもなく満足感を覚える。
(1326m標高点付近)
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(振り返って)
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1326m標高点付近で一服。夜半沢ルートで来ていれば、この辺に上がってくるはずだ。不思議なことに、上に出るに連れて、雪が少なくなってきているようで、地面が顔を出しているところが目立つようになっている。ただ、雪質は変わらずにサクサクだ。
間もなく巣神山からの破線路に合流。そちら側からの踏み跡や窪みはない。ここには鳥獣保護区の看板が立っている。環境省では保護区にし、栃木県では狩猟可能となっている。有名無実化、建前と本音といったところか。
(以前来た時、ここは雪庇状になっていた)
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さて、なぜかここから雪質が悪くなった。陽当たりのせいなのか、雪がズブズブになった。しばらく地面むき出しのところも続き、先が雪なのでそのままワカンで歩くが、雪が復活すると、今度はやたらと踏み抜く。おそらく時間的なこともあって、数時間前ならこれはなかったかもしれない。次第に急登の疲れもぶり返してきて、今日は未踏尾根も歩いたことだし、無理に小法師岳まで行かずともにいいかといった気分になってしまった。
(雨降沢の頭)
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1425m標高点(雨降沢の頭)に到着し、ちょっと先に行ってみると、やはりズブズブ。さらに残雪も多いのでやっかいそうだ。この辺でやめておこう。そうと決まれば、倒木に腰かけてゆっくり休憩。小法師岳にさほどの未練は感じなかった。これが、歩いたことのあるルートで来ていれば別な感慨も出ていたろう。さて、ここから見えた庚申山、まさかこの時、サクラマスさんがあそこを歩かれているとは思いもしなかった。自分なら、塔の峰や小法師岳には行っても、この時期の庚申山は思いもつかない。あの雪の着いた岩場続きの歩きは恐怖そのものだ。とはいっても、20年以上も前に、大晦日に庚申山荘に泊まり、翌日、ラッセルして庚申山まで登ったことがあるが、その時は恐怖も感じなかった。相方が2人もいたからだろうか。
下りの予定は巣神山経由だが、どこを下るかといった具体案はない。まずは巣神山だ。そこで考えよう。
下る途中で改めて気づいた。自分のワカンはカーブなしの平らなものだが、下りでは妙に先が雪に引っかかる。これまで意識もしなかったが、やはりワカンはカーブしている方がいいのだろうな。
(下る)
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(巣神山へ)
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分岐に着いて標識を探す。なくなっている。以前は原向駅方面の標識が置かれていた。標識といえば、実は小法師岳、巣神山ともに山名板の有無の確認があった。なくなっていたら設置しようかと。よく来る山だからそう考える。めったに来なければ考えもしないし、他人様の山名板があればわざわざ出しゃばるつもりはない。小法師岳にあったのは知っているが、冬もそろそろ明ける頃だから、どうなっているかと気になっていた。
(雪がめっきり少なくなる)
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(巣神山)
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巣神山方面に入ると、やはり雪質は同じでベトベトになりつつある。こちらの積雪は少なく、地面も出ていて、わざわざ雪のあるところを選んで歩いたが、むしろこれが歩きづらく、途中からワカンを外し、念のためのチェーンスパイクにした。もう雪のないところを歩いた。とはいっても、残っているところは膝まで踏み抜く。
巣神山に到着。山名板はあった。あるなら余計な仕事はすまい。ここでランチタイム。つい、岩の上に寝そべってしまったりしたが、そろそろ風が出てきているようで、動かずにいるとやはり寒い。
下りは破線路基調のコースだろうか。ただ、あの破線路コースの通しは、植林に入ってからが暗くて陰気でどうにも好きになれない。おまけに沢でクマを見たこともある。となると、せめて、1120m標高点から南東に下る尾根でも使おうか。945m三角点先から北に回り込むといったプランもあるが、どうも自信はない。そのまま東に下って庚申川にぶちあたり、下るに下れない展開になりそうだ。駐車場のことを考えると、やはり破線路だろう。
(巣神山からの下り。大きな岩が転々と置かれている。自分には卑猥に見える岩もあった)
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(実はこれがその岩なのだが。こだわりなくさらっと)
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下山にかかると、いきなり踏み抜いた。腿まで入り込んだ。やはり山頂直下の雪は深いが、ラッセルするほどでもなく、じきに雪はおとなしくなった。安心してダラダラと下っていると、今度は地面が凍結していてスッテンと腰をしたたかに打ちつけた。しばらくうめいた。気を抜くとこうなる。最後まで用心するに越したことはない。
破線路の踏み跡は雪があったりでしっかりとは判別つかないが、樹に赤ペンキの矢印がところどころにあるので、これを拾えば間違いも少ないが、このペンキ、公認のものなのだろうかと気になった。考えようによっては任意のテープ代わりということもあり得るし。
(ルートを外してトラバース。ここはちょっとばかりラッセルした)
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(しっかりした道型)
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尾根を北東にカーブすべきところをそのまま尾根伝いに南東に下って行った。テープもあったので気づきもしなかった。何か変だなと思い、GPSを見ると下り過ぎていた。ここでトラバースをして復帰はしたが、間違ったところ、テープはさらに先に続いていた。もし尾根伝いだとすれば、先で急斜面の沢に落ち込むのではないだろうか。
太い道型が現れて1120m標高点付近。快適に下って行くと、左手に尾根分岐。例の下り予定の尾根だ。そちらに足を向けると、何ということはない。そのまま植林に吸い込まれていた。何だ植林尾根か。ここから植林では最後まで植林だろう。これはやめておこう。結局は破線路を忠実に下るしかないか。このまま尾根伝いの道型を下って行っても原向の方に出られるが、フィニッシュがやっかいで、駐車場に戻るのがつらくなる。
(植林帯に入り込む)
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テープの目印を見て、左の植林に入る。ここからうっとうしい歩きになる。部分的に細い作業道歩きだ。
ちょっと下って、雪の残った上を歩くと滑った。チェーンスパイクの歯を立ててみた。効かない。かなり硬い。カーブになった。いきなり細いトラバース道になっていて、その上には雪が残っている。これはチェーンスパイクでは無理だろう。地面の凍り付きを踏んで平らにし、12本爪アイゼンに履き替えた。ここの通過、ストックも収納してピッケルを出した。こんなところでピッケルとアイゼンでは笑ってしまうが、これで何とか切り抜けた。やはりガチガチになっていた。
(ここは直進だが、雪がかぶってわかりづらい)
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こんな凍てつきがしばらく続いたが、下るに連れて凍結箇所はなくなった。ちょうど、アイゼンの歯が、杉の枝を拾ってしまうものだから、足にひっかかってひっくり返りそうになるのが頻発していたので、アイゼンからチェーンスパイクに交換。この時、両者に泥が付いていて手が真っ黒になってしまい、ずっと不快感が続いた。とにかく手を洗いたい。手袋は外してしまった。
泣きっ面にハチか、気づいたらスパッツのゴムが切れていて、左右から垂れ下がっていた。
(下るにつれて迷うところはなくなる)
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この破線路、久しぶりに歩いたが、かなり状態が悪くなっているような気がする。落ちた杉の枝がかなり多くなっても道型は何とか追えるが、沢を横切る際に、注意して先を見ないと、その続きが迷いそうだ。また、トラバース道では他の踏み跡が入り乱れ、カーブでも折り返しが不明なところもある。今回は、破線路を外すことはなかったが、それなりに神経を使いもした。特に下り使用では要注意だろう。
(石積みの上を歩いて)
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(車道に出た)
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沢に降り立ち手を洗ってすっきりし、沢を渡ると保安林の看板が出てくる。そのまま行くと、針金組みのヤワなフェンスが立ちはだかる。ここは通せん坊だろうと左に折れると石積み。その上を歩くと墓地に出た。墓地の前を下るとすんなりと車道。
ここから駐車地まではさほどの距離でもない。管理事務所の前を通って駐車場に戻った。
小法師岳までは行かなかったわりには、随分と長い距離を歩いたような気がする。結局は前と後の負担ということだろうか。前としては、尾根に取り付くまで、そしてその先での急登、そして、最後の破線路での神経使い、これが長い距離を歩いたかのような錯覚を招いたのだろう。
(小滝寄り取り付き予定ポイントの下にあった石塔)
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着替えをして、車道を先に行ってみた。まずは659m標高点。やはり、自分が車を置いた駐車場から擁壁が続いていて、途中での切れ目はなかった。そしてその先の小滝寄りのポイント。ここは脆そうな急斜面で、脇からでも自分にはとうてい登れそうにもない。
ここでまた意外な発見をした。下に石塔が一基。絵柄が彫られているようだが、かなり見づらくなっている。どうも仏様を彫っているような感じがするのだが。いつも車で通過するだけのところだが、こんなを見ると、新たな発見でもしたような気分になってうれしくなってしまう。
帰り道、例のきりんこさんの魔王山に行ってみようと、細い道を原小学校に乗り入れた。その時点では、校庭にでも車を入れられると思っていた。ところが、校門にはバリケードが置かれて中に入れない。まして車返しのスペースもない。そのままバックでそろりそろりと国道に出た。細い坂道を100mも下ったような疲労感を覚えた。これはこれで改めてということにしておこう。
庚申ダム管理事務所脇駐車場(7:16)……659m標高点からの尾根に乗る(7:36)……1030m標高点付近(8:45~8:58)……1326m標高点付近(10:50~11:00)……1425m標高点・雨降沢の頭(11:37~11:54)……巣神山(12:38~13:00)……(破線路下り)……1120m標高点付近(13:26)……駐車場(14:36)
久しぶりに夜半沢ルートで小法師岳に行くつもりでいたが、地図を見ていると、庚申ダムの先、659m標高点から北西に延びる尾根が目に付いた。一本調子ではないが、うまく歩けば1030m標高点と1326m標高点を経由して小法師尾根に出られるのではないか。
ただ、地図を見る限りは難点が3か所ほどある。一つは659mの取り付きの状態。二つ目は標高1000mから1050mにかけての区間の等高線が波打っていて締まりがない。これは何なのか。そして三つ目は1150mに接して東側に崖記号が入り込んでいる。無事に通過できるのか。取り付きの件は、ストリートビューで確認すると擁壁が続いていて、本尾根の末端からでは無理のようだ。となると、北の小滝側の枝尾根か、庚申ダム管理事務所のあるあたりから続く不明瞭な斜面利用となるか。滝沢遡行という案がなくはないが、涸れた沢ならともかく、確か流れがあるはずだ。残り2つの難点は現地で確認するしかないだろう。通行できないようだったら、南側の枝尾根に逃げるしかあるまい。
(滝沢。帰りに撮影)

滝沢にかかる橋から滝沢を見ると、水が勢いよく流れていた。滝沢案は早々に却下。ショボい沢であってもこの時期の沢遡行は無謀というもの。取りあえず管理事務所先の駐車場に車を置いたが、目の前からでも取り付けそうだ。小滝の方まで見に行く必要もあるまい。駐車場の前から小滝の方に擁壁が設置されていて、上にフェンスが続いている。そのすき間をずっと行けば、659mの上まで行けそうだが、そこまで末端からの歩きにこだわることもないだろう。
(ピンボケだがお稲荷様の頭。典型的なイヌ科のキツネの表情だ)

(石ゴロゴロ)

(石ゴロから抜け出すが、ここもまた急だ)

取り付きには、かつてここにお稲荷様があったのか、キツネの頭が台座の上に載せられている。いつも車で素通りしていて、こんなものがあったとは気づきもしなかった。この裏手から入り、右手、北方向に向かうとする。
斜面には大量の石がゴロゴロしていた。ここを登って行くのには抵抗があり、石の合い間を縫って渡ると、落葉の堆積した急な斜面が待っていた。明瞭な尾根型にはなっていない。結構滑る。右手先が植林帯が見え、植林に入れば少しは楽かと、植林に逃げ込む。
(植林に逃げ込むが、ここもまた急斜面)

(本尾根に乗る)

ここもまた見上げるような急斜面になっていたが、ところどころに作業道が通っている。さりとて、この作業道が本尾根に向かっているとは思えない。別方向に下っていたりする。作業道を使っても、肝心なところは急登に耐えるしかないようだ。
大岩を越えると本尾根に出た。傾斜もいくらか緩やかになり、尾根型も明瞭になっている。ここまでかなり体力を費やしてしまった。こんなに急とは思ってもいなかった。ぜいぜいしながら一休みする。
(出どころはどこなのか、作業道が入ってきたりする)

(見下ろす)

本尾根もまた植林尾根だが、次第に北側の展望は樹間越しながら覗いてくるようになる。真っ白なところからして、あれは中禅寺湖南岸尾根だろう。こんな景色がせめてもの救いといったところで、安心していたら急斜面は断続的に続いていた。ここであれっと思ったのは、落ちた杉の枝や倒木に燃えた跡が一面にあったこと。これはこの程度で済んで幸いだったろうが、だれも気づいていないのか。
傾斜が落ち着いたところで石標やらピンクテープが目に付いた。標高830m付近だから南からの枝尾根の方から続いていたのか。ということは、自分が入り込んだルートを西側に回り込んで本尾根に上がるルートがあるのかもしれない。テープを見た瞬間、先人がいたのかとがっかりもしたが、いつもの余計なお世話テープなのか、作業用のものなのかはこの時点では不明。ピンクテープはこの先しばらく続いたが、あらぬ方向にも付いていたりするから、作業用テープの可能性の方が高い。
(忽然とケルン)

大石4枚重ねのケルンがあった。今回の歩き唯一のケルン。ついあの方かなと思ったりするが、RRさんがこんなところを歩くとは思えない。また形状からしてRRさんのものとはほど遠いが、この辺は、見回すと手頃な石がないことは確かで、大きな石しかなかったのでこのケルンかと思えばうなずけもする。
(ようやく落ち着いて明瞭な尾根)

(南岸尾根がちらり)

明瞭な尾根が続く。いつの間にやら植林は消え、自然林の中の歩きになった。右手がすっきりした展望スポットになったりもするが、名のある山は目先の無名峰の連なりに隠れてしまっている。
(下ると)

(これでもかなり急斜面になっていて、ここは回避し)

(こんなところを登ってしまった)

脆そうな危うげなところを下り、岩混じりの登りになった。見上げる。これはちょっと手強い。地図上は、登り上げれば950m等高線のベローンとしたところに出るようになっている。登れなくもないが、転落する可能性もありだな。ふと、左手にピンクのヒラヒラが見えた。呼ばれているような気分になり、巻きルートを期待して追いかけると、ずっと先に向かっている。これではダメ。やはり作業用テープか。ここで元に戻ればよかったが、安易に脇から適当に尾根に出る算段をしてしまい、これがまた悪戦苦闘で尾根への復帰に10分以上を費やした。ここは慎重に尾根通しが正解だったろう。
(広角ではないのでこの程度だが、ここは多重稜線で雰囲気が良かった。進行方向は手前から左)

(1030m標高点付近)

(男体山と)

(塔の峰)

幾分なだらかな尾根になった。東側からも尾根が入り込み、多重稜線といった感じで、これがまた美しい眺めになっている。車道を先に行って707m標高点あたりから登れば最短でよかったかなと思えど、庚申川を渡るのでは無理な話だろう。1030m標高点に到着して休憩する。男体山と社山、塔の峰が見えてきた。
ここまで装備もなしに歩いてきたが、そろそろ雪も出てきたし、地面むき出しもまた硬くなってきている。チェーンスパイクを巻く。しばらくはこれで大丈夫だろう。
(岩が出てくる)

(前方右手に崖マーク地点)

大きめの岩も続いて出てくるようになるが、歩行に特別な支障はない。傾斜もないに等しいところだが、これはあっという間に終わり、そろそろ等高線ふにゃふにゃゾーンに入りつつある。前方に小ピークが見え、その右側には、あれは崖マークのところか、岩盤がむき出しでスダレ状になっている。この感じでは、あの小ピークまでの間に岩盤が割り込んでいる気配はないようだ。
(ピンクと黄色)

尾根上に雪が出てくる。なぜかここに来て古い黄色のテープが交じる。滝沢遡行をすれば、その先は尾根上になってここに出るはずでもあるが、その目印だろうか。つい意識が先人ハイカーの有無にこだわってしまうが、こういったテープもまた結果的には作業用のようで、長くは続かないし、いずれは南の植林の方に続いて行く。それはともかく、ここで微妙な尾根の乗り換えがあった。そのまま直進すると、尾根先はスパッと切れ崩壊していた。左側から別口の尾根が合流し、そのままの態勢でそちらに乗り移るといったところだろうか。
何となくふにゃふにゃ等高線の意味がわかった。つまりは尾根らしくない小尾根が雑多にあるということだろう。迷うようなものとか、地形が凸凹といったようなものではなかった。
(右が崖マークかと思ったが)

(実際は先の右にちらりと覗いている。ここもまたかなり急なのだが)

右手に岩場が現れた。その時点ではこれが崖マークの正体かと思ったが、さっき見た距離からしてちょっと早いような気がしないでもない。
急斜面が待っていた。これが最後のダメ押しであることを願いたい。この辺は斜面も広く、樹を頼って行けるし、場合によっては抱きつきでの登りもできる。ちょっと安定したところで右の様子を見に行くと、ここに崖マーク部があった。地形図では窮屈な尾根に崖が接しているかのようになっているが、実際は崖を見ずともに登れる。見たかったら右端を歩けばよい。
(ようやく本格的に雪が出てくる)

(こんな感じで防火線風)

(何日か前のワカン跡)

急斜面を登りこなすと、その先は雪原になっていた。登るに連れて緩やかになった。ここで休憩して一服。さて、ワカン+アイゼンを試してみようかと思ったが、雪質からしてわざわざアイゼンを装着するまでもない。ワカンのみにする。
雪は締まってサクサクと歩ける。踏み抜くところもない。たまにワカン跡を見かけるが、いずれは左右に移動しているのでハンターのものだろう。犬の足跡のようなものも見える。ここは狩猟可能エリアだが、今のところ銃声は聞こえない(後で知ったことだが、狩猟期は終わっているようだ)。しかし、雪の上にシカの足跡はまばらだ。ここまでの間に見かけた動物はシカ1頭とサル3頭のみ。この先も見かけることはなかったし、警戒音も聞こえなかった。
(せめて立木が半分だったらなぁ)

気持ちのよいスノーハイクが続く。すでにテープ類は消えて久しい。ここもまた防火線だったのか、遠目で見ると、一本線上の空間が続いているようにも見える。ここでせめて右手・北側の展望が開けていれば最高なのだが、どうしても樹間越しになってしまうのが残念だ。このままの調子なら、小法師岳まで難なく行けるなぁなんて、この時点では思っていたりしている。
だれもいない静かな雪原の尾根、とてつもなく満足感を覚える。
(1326m標高点付近)

(振り返って)

1326m標高点付近で一服。夜半沢ルートで来ていれば、この辺に上がってくるはずだ。不思議なことに、上に出るに連れて、雪が少なくなってきているようで、地面が顔を出しているところが目立つようになっている。ただ、雪質は変わらずにサクサクだ。
間もなく巣神山からの破線路に合流。そちら側からの踏み跡や窪みはない。ここには鳥獣保護区の看板が立っている。環境省では保護区にし、栃木県では狩猟可能となっている。有名無実化、建前と本音といったところか。
(以前来た時、ここは雪庇状になっていた)

さて、なぜかここから雪質が悪くなった。陽当たりのせいなのか、雪がズブズブになった。しばらく地面むき出しのところも続き、先が雪なのでそのままワカンで歩くが、雪が復活すると、今度はやたらと踏み抜く。おそらく時間的なこともあって、数時間前ならこれはなかったかもしれない。次第に急登の疲れもぶり返してきて、今日は未踏尾根も歩いたことだし、無理に小法師岳まで行かずともにいいかといった気分になってしまった。
(雨降沢の頭)

1425m標高点(雨降沢の頭)に到着し、ちょっと先に行ってみると、やはりズブズブ。さらに残雪も多いのでやっかいそうだ。この辺でやめておこう。そうと決まれば、倒木に腰かけてゆっくり休憩。小法師岳にさほどの未練は感じなかった。これが、歩いたことのあるルートで来ていれば別な感慨も出ていたろう。さて、ここから見えた庚申山、まさかこの時、サクラマスさんがあそこを歩かれているとは思いもしなかった。自分なら、塔の峰や小法師岳には行っても、この時期の庚申山は思いもつかない。あの雪の着いた岩場続きの歩きは恐怖そのものだ。とはいっても、20年以上も前に、大晦日に庚申山荘に泊まり、翌日、ラッセルして庚申山まで登ったことがあるが、その時は恐怖も感じなかった。相方が2人もいたからだろうか。
下りの予定は巣神山経由だが、どこを下るかといった具体案はない。まずは巣神山だ。そこで考えよう。
下る途中で改めて気づいた。自分のワカンはカーブなしの平らなものだが、下りでは妙に先が雪に引っかかる。これまで意識もしなかったが、やはりワカンはカーブしている方がいいのだろうな。
(下る)

(巣神山へ)

分岐に着いて標識を探す。なくなっている。以前は原向駅方面の標識が置かれていた。標識といえば、実は小法師岳、巣神山ともに山名板の有無の確認があった。なくなっていたら設置しようかと。よく来る山だからそう考える。めったに来なければ考えもしないし、他人様の山名板があればわざわざ出しゃばるつもりはない。小法師岳にあったのは知っているが、冬もそろそろ明ける頃だから、どうなっているかと気になっていた。
(雪がめっきり少なくなる)

(巣神山)

巣神山方面に入ると、やはり雪質は同じでベトベトになりつつある。こちらの積雪は少なく、地面も出ていて、わざわざ雪のあるところを選んで歩いたが、むしろこれが歩きづらく、途中からワカンを外し、念のためのチェーンスパイクにした。もう雪のないところを歩いた。とはいっても、残っているところは膝まで踏み抜く。
巣神山に到着。山名板はあった。あるなら余計な仕事はすまい。ここでランチタイム。つい、岩の上に寝そべってしまったりしたが、そろそろ風が出てきているようで、動かずにいるとやはり寒い。
下りは破線路基調のコースだろうか。ただ、あの破線路コースの通しは、植林に入ってからが暗くて陰気でどうにも好きになれない。おまけに沢でクマを見たこともある。となると、せめて、1120m標高点から南東に下る尾根でも使おうか。945m三角点先から北に回り込むといったプランもあるが、どうも自信はない。そのまま東に下って庚申川にぶちあたり、下るに下れない展開になりそうだ。駐車場のことを考えると、やはり破線路だろう。
(巣神山からの下り。大きな岩が転々と置かれている。自分には卑猥に見える岩もあった)

(実はこれがその岩なのだが。こだわりなくさらっと)

下山にかかると、いきなり踏み抜いた。腿まで入り込んだ。やはり山頂直下の雪は深いが、ラッセルするほどでもなく、じきに雪はおとなしくなった。安心してダラダラと下っていると、今度は地面が凍結していてスッテンと腰をしたたかに打ちつけた。しばらくうめいた。気を抜くとこうなる。最後まで用心するに越したことはない。
破線路の踏み跡は雪があったりでしっかりとは判別つかないが、樹に赤ペンキの矢印がところどころにあるので、これを拾えば間違いも少ないが、このペンキ、公認のものなのだろうかと気になった。考えようによっては任意のテープ代わりということもあり得るし。
(ルートを外してトラバース。ここはちょっとばかりラッセルした)

(しっかりした道型)

尾根を北東にカーブすべきところをそのまま尾根伝いに南東に下って行った。テープもあったので気づきもしなかった。何か変だなと思い、GPSを見ると下り過ぎていた。ここでトラバースをして復帰はしたが、間違ったところ、テープはさらに先に続いていた。もし尾根伝いだとすれば、先で急斜面の沢に落ち込むのではないだろうか。
太い道型が現れて1120m標高点付近。快適に下って行くと、左手に尾根分岐。例の下り予定の尾根だ。そちらに足を向けると、何ということはない。そのまま植林に吸い込まれていた。何だ植林尾根か。ここから植林では最後まで植林だろう。これはやめておこう。結局は破線路を忠実に下るしかないか。このまま尾根伝いの道型を下って行っても原向の方に出られるが、フィニッシュがやっかいで、駐車場に戻るのがつらくなる。
(植林帯に入り込む)

テープの目印を見て、左の植林に入る。ここからうっとうしい歩きになる。部分的に細い作業道歩きだ。
ちょっと下って、雪の残った上を歩くと滑った。チェーンスパイクの歯を立ててみた。効かない。かなり硬い。カーブになった。いきなり細いトラバース道になっていて、その上には雪が残っている。これはチェーンスパイクでは無理だろう。地面の凍り付きを踏んで平らにし、12本爪アイゼンに履き替えた。ここの通過、ストックも収納してピッケルを出した。こんなところでピッケルとアイゼンでは笑ってしまうが、これで何とか切り抜けた。やはりガチガチになっていた。
(ここは直進だが、雪がかぶってわかりづらい)

こんな凍てつきがしばらく続いたが、下るに連れて凍結箇所はなくなった。ちょうど、アイゼンの歯が、杉の枝を拾ってしまうものだから、足にひっかかってひっくり返りそうになるのが頻発していたので、アイゼンからチェーンスパイクに交換。この時、両者に泥が付いていて手が真っ黒になってしまい、ずっと不快感が続いた。とにかく手を洗いたい。手袋は外してしまった。
泣きっ面にハチか、気づいたらスパッツのゴムが切れていて、左右から垂れ下がっていた。
(下るにつれて迷うところはなくなる)

この破線路、久しぶりに歩いたが、かなり状態が悪くなっているような気がする。落ちた杉の枝がかなり多くなっても道型は何とか追えるが、沢を横切る際に、注意して先を見ないと、その続きが迷いそうだ。また、トラバース道では他の踏み跡が入り乱れ、カーブでも折り返しが不明なところもある。今回は、破線路を外すことはなかったが、それなりに神経を使いもした。特に下り使用では要注意だろう。
(石積みの上を歩いて)

(車道に出た)

沢に降り立ち手を洗ってすっきりし、沢を渡ると保安林の看板が出てくる。そのまま行くと、針金組みのヤワなフェンスが立ちはだかる。ここは通せん坊だろうと左に折れると石積み。その上を歩くと墓地に出た。墓地の前を下るとすんなりと車道。
ここから駐車地まではさほどの距離でもない。管理事務所の前を通って駐車場に戻った。
小法師岳までは行かなかったわりには、随分と長い距離を歩いたような気がする。結局は前と後の負担ということだろうか。前としては、尾根に取り付くまで、そしてその先での急登、そして、最後の破線路での神経使い、これが長い距離を歩いたかのような錯覚を招いたのだろう。
(小滝寄り取り付き予定ポイントの下にあった石塔)

着替えをして、車道を先に行ってみた。まずは659m標高点。やはり、自分が車を置いた駐車場から擁壁が続いていて、途中での切れ目はなかった。そしてその先の小滝寄りのポイント。ここは脆そうな急斜面で、脇からでも自分にはとうてい登れそうにもない。
ここでまた意外な発見をした。下に石塔が一基。絵柄が彫られているようだが、かなり見づらくなっている。どうも仏様を彫っているような感じがするのだが。いつも車で通過するだけのところだが、こんなを見ると、新たな発見でもしたような気分になってうれしくなってしまう。
帰り道、例のきりんこさんの魔王山に行ってみようと、細い道を原小学校に乗り入れた。その時点では、校庭にでも車を入れられると思っていた。ところが、校門にはバリケードが置かれて中に入れない。まして車返しのスペースもない。そのままバックでそろりそろりと国道に出た。細い坂道を100mも下ったような疲労感を覚えた。これはこれで改めてということにしておこう。