Quantcast
Channel: たそがれオヤジのクタクタ山ある記
Viewing all articles
Browse latest Browse all 520

梅田の山もとりあえずはこれで一休みだが、北西からの冷たい風に絶えずあおられながらの歩きには参った。

$
0
0
◎2018年1月2日(月)

大茂の駐車地(8:22)……大茂峠(9:01)……△847.8m燧石山(9:40)……赤粉山(10:06)……1003mキノコ岩山(10:32)……白萩山・岳山(11:04)……1008m標高点付近(11:26)……956m標高点付近(11:45)……△1107.5m残馬山(12:19~12:32)……886m標高点付近(13:18)……830m北沢山(13:43)……675m標高点付近(14:08)……寄日峠(14:26~14:36)……駐車地(14:50)

 気になることはさっさと済ませてしまいたい性分だ。桐生・梅田の山も先月の24日に護国神社から歩き出したのを手始めに今回で3回続きの尾根歩きとなる。これまでの2回とは違い、今回は長距離の歩きだ。高沢川と忍山川の中間尾根を登って白萩山(自分にはいまだに「岳山」なのだが)を経由して残馬山に至る。下りは忍山川の左岸尾根を使って寄日峠に出るといった算段でいる。
 7時間歩きにはなるだろうと想定し、さっさと出発したかったが、梅田から林道に入ると、あれっ、こんなところまで来たっけかと行ったり来たりを繰り返し、結局、出発が8時20分になってしまった。7時間予定がちょっとしたトラブルで8時間になったのでは暗くもなる。かなりあせってしまい、地下タビか登山靴にするかで悩んでいる時間すら惜しく、手っ取り早く長靴を履いて出発。先日の歩きで裂けた長靴は捨てた。スパイクのないただのゴム長だ。用心してチェーンスパイクだけは持った。

(破線路に入り込む)


 駐車地の前から破線路に入る。先日下って来た道だ。気づかなかった標識が立っていて、この道は「下巣越作線」となっている。平成二十六年度と添え書きされているが、その年に整備されたとは思えない。ここは荒れている。その先で沢は二股になり、左の沢沿いに登って行く作業道らしきものが現れる。これが下巣越作線の本道だろう。というのも、出がけに見た前回歩きの記事に、瀑泉さんからそれを辿れば、忍山トンネルの林道に出られそうなコメントが記されていて、そのつもりでいたが、出発時刻も遅くなっていたし、どうにも時間が余計にかかる気がしてやめにしてそのまま行ったのだが、木橋を渡ると、今度は「平成二十八年度大茂沢線」と標識が出てきたから、遠回りではあるが、時間に余裕があれば下巣越作線を行くのが楽かもしれない。

(堰堤の先、ここは斜面も急で足場も悪く歩きづらいが、おあつらえ向きに凍っていてズリ落ちることはなかった)


(舗装林道の先まで行ってみた)


(結局、ここからの登り)


 沢沿いを登って堰堤越え。初っ端から厳しい思いをして林道に出た。前回は目の前から林道に下って来たが、ここの急斜面を登るのには抵抗もあって、林道の先に行ってみた。興味本位なところもあって、忍山トンネルというのも見たかった。だが高い擁壁が続き、取り付けそうなところはない。結局戻って、植林の斜面を登る。時間をロスしただけだった。しかし、破線路を歩いたつもりでいても、植林の中に踏み跡なんてものはない。

(大茂峠)


(部分的に明瞭になったりする尾根道)


 植林斜面を登って大茂峠(だいもん峠)到着。峠に出ると、風がうなっていた。北西の強風はかなり冷たい。この冷たい風には最後まで悩まされる。結果としては、休むこともままならず、7時間予定が6時間半歩きで済んだのではあるが。
 植林の中を西の鍋足に下る踏み跡を確認。地図上の破線路だろう。峠からはすんなりと尾根に乗る。地形図では847.8m三角点の先までは破線路が続いてはいるものの、踏み跡はあっても、破線路というほどのレベルではない。それでいて、なぜか、左から作業道が入り込んでは左に下って行ったりしている。
 これまでの尾根の延長ではあるが、ちょっと様相が違っている。左に植林があったりするものの、尾根は広くて歩きやすい。それでいて紛らわしいところはない。なだらかなところはこれまでと同じだ。

(露岩が出てきたりする)


(燧石山)



 岩混じりになり、方向を北から北西に変えて登り上げると早々に三角点峰。三等三角点だ。ここは燧石山という山名があるようだが、今回の歩きの区間、山名板を見たのは白萩山と残馬山だけで、ここにも板はない。三角点表示の杭が倒れていたので地面に突き刺してみた、下は凍っていて入り込まず、半端な立てかけになってしまった。こんな作業に時間をかけているわけにもいかず、まして、風が強くて悠長なことをやってもいられない。先を急ぐ。

(こういう暗いところは土が凍っていたりする)


(岩峰出現)


(ここは左から)


(岩峰・赤粉山ピーク)


 地形図ではなだらかだが、尾根には変化が出てくる。破線路の西への分岐はわからず仕舞い。やさしい岩場が出てきたり、植林の歩きになったりと、細かい起伏が続くようになる。
 突然、目の前に岩峰が現れた。途中までは無理に登れなくもないようだが、その先はどうなっているのか。右手を見ると、かなり危うい感じだ。こんなところで体力と時間を費やしている余裕はない。左手に巻き道があったので、無難に岩峰を避ける。この岩峰、赤粉山という山らしいことは知っていたので、巻いた先から登ってみたが、岩の上には標識も何もなく、展望もまた枝木がじゃまで良くはなかった。

(あれはキノコ岩山かも)


(かなり欲求不満なのだろうか)


 幾分狭くなって明瞭になった尾根を行くと、正面に高いピークが見えてくる。あれが1003m標高点のキノコ岩山かもしれない。結構、標高差はありそうだが、地図を見ると70mくらいのものでしかない。
 尾根の途中で、生木がバリバリに裂かれているのを見た。こんなことをするのはあいつだけだろう。しかし、すごい力だ。裂け目からして新しく、昨日、今日のものだろう。今日はスズを鳴らしながら歩いていても、音は強風ですぐに消えてしまうだろう。要注意だ。要注意といえば、今日は銃声が聞こえない。正月早々の殺生はいくら何でも好んではやるまい。

(こんな岩を結構見かける)


(振り返って赤粉山)


(キノコ岩山の山頂)


 もろに吹き付ける風が我慢できなくなりウインドブレーカーを着込む。これで暖かくなるわけでもなく、ただの気休めだ。
 ところどころに露岩が出てくる。風景としては悪くはない。西側の景色を眺めながらの歩きになるが、この辺になるともう鳴神山は見えず、名無し山の連なりだけになっている。風がない時期ならゆっくり歩きたいところだろう。
 ピークに出ると、やはりここがキノコ岩山。岩峰とばかりに思っていたが、ただの小ピークだ。ここも何もない。ピークだけは開けているが、周囲の景色は樹々に妨げられてすっきりしていない。

(風さえなければ気分の良い歩きができそうなのだが)


(残馬山はまだ遠い)


 荒れた感じの尾根を歩いて行くとこじんまりした岩峰。ここも余計なことは考えずにあっさりと左を巻く。ここで足尾方面の山並みがちらりと見えてきた。真っ白になっている。ここでこの寒さだ。あちらはさぞ荒れているだろう。
 目の前にようやく白萩山らしきピークが見えてきたがまだ遠い。地図上は尾根が微妙にクネクネとしているが、別に迷うようなところはなく一本調子で歩いて行ける。樹はすっかり葉を落とし、尾根も広くなって、大分明るくなった。風さえなければ雑木の中の歩きを楽しめるところだ。そして、右手前方には残馬山。結構あるなぁ。歩き出しから2時間半経過している。残馬山までの区間のようやく半分だ、最悪、残馬峡に下って、車道歩きになるかもなぁ。
 男体山が見えてきた。こちらも真っ白で寒々として見える。休むと寒いだけだからと空腹も我慢してきたが、そろそろシャリバテ気味になってきた。急いで立ったまま菓子パンを食べ、水で流し込む。今日もまたカップラーメンとお湯を持ってきたが、そんな時間をかけていたら身体が冷え切ってしまう。

(これを登って)


(白萩山。山名板が左上に見えている)


(雪の上にはシカの足跡だけ)


 岩場を登って行くと白萩山に着いた。雪の上にシカの足跡が点々と続いている。展望も良くないただのピーク。
 休憩もそこそこに1008m標高点に向かう。座間峠から続く尾根に合流したが、人の足跡はない。こんな地味なところを正月早々に歩くハイカーは物好きとしか言いようがない。下って行くと、草木ダムが見えてきた。袈裟丸も白くなっている。

(1008m標高点ピーク)


 凍てついた尾根を登って行くと1008m標高点に到着。ちょっとここで見まわしたが、例の「三俣山へ」の標識は見あたらない。以前、落ちていたのを木株の間に差し込んだことがあった。飛ばされてしまったのだろうか。ここの名物だったのになぁ。ところで、この先、この1008m、956mと小ピークなのに山名がないが、これはどうしてなのだろうか。これまであっただけに不思議な気がする。

(正面に残馬山)


(残馬山への登り)


 正面に残馬山が見えてきた。随分と高く見えている。この先の956mからが曲者だろう。単純150mの登りになるからなぁ。
 956mが過ぎ、残馬山も近づいてくる。残馬山12時着予定はかなりきつい。この分では12時20分といったところだな。風がさらにきつくなった気がする。この尾根は北側に面しているから尚更だ。日光から足尾、振り返ると袈裟丸が見えるが、どうもすっきりした展望に恵まれない。

(残馬山ピーク下から。日光方面)


(中禅寺湖南岸尾根)


(皇海山から袈裟丸山)


 残馬山への登りに入る。中禅寺湖南岸尾根の様子が気になって、立ち止まっては眺めている。もっとも樹間を通してのこと。しかし、南岸尾根もまた真っ白だ。この時期としてはこんなものだろうか。あれでは、気軽に大平山というわけにはいくまい。
 結局、すっきりした展望は期待できないと納得したところでちらりとすっきり見えた。だが、後で見た写真はピンボケだった。何とも惜しい。

(最後の登り)


(残馬山山頂。相変わらずといった感じのピーク)


 相変わらず、寂しい感じの残馬山ピーク。ここでラーメンとでも思ったが、ここは陽があたらず、余計に寒い。また菓子パンを無理に押し込んで我慢し、セルフ撮り。
 さっさと下るかとコンパスを合わせたにも関わらず、あっさりと下り尾根をミス。2回も間違え、その都度に山頂に戻った。こうなったらあとはGPS頼りだ。尾根がなさげな方向に行ってみると、しっかりとした尾根が下っていた。その間、来たところをこのまま引き返そうかとまで思った。お笑いだが、その時の自分はかなり深刻な状態になっていた。後でGPS軌跡を見ると、お門違いな方向に進もうとしていた。かなりの方向音痴。

(ようやく見つけた尾根を下る)


(これを見てほっとする)


 しばらくは半信半疑でGPSを見ながら下ったが、そのうちに赤ペンキやテープを見て安心して下った。今回のルート、全体として目印は多かった。
 正直のところ、下り一辺倒で、面白い尾根下りとは言い難かった。大きな岩場も出てくるが、あっさりと巻ける。変化が乏しい。これなら、明るいうちに車に戻れそうで安心したが、かなり退屈な下りになってしまった。

(こちらにも岩場はあるが)


(下りが続く)


(886m北の破線路が出てくるあたり)


(886m標高点付近)


 こんな下り尾根に変化が出てきたのは、地図上の886m標高点手前で広い作業道らしきものがどこからか入り込んできてからだろうか。一旦広くなった道が細くなり、また岩場。広い道はあやふやになり、886m標高点付近に着く。

(ここは不思議な山稜帯になっていた。右下斜面の雰囲気はかなり良かった)


(桐生の町遠望)


 また尾根幅が広くなり、桐生の街並みを遠望する。同時に右手にフェンスが現れる。広大な伐採地だった。どんどん下って、先には830m標高点の北沢山らしきピークが見えている。フェンス際の尾根は急で歩きづらかったが、邪魔な樹々もなく登りで歩いた尾根が目の前に見えている。今回の歩きのハイライト区間といったところだ。

(伐採地と水沢山)


(ヤセ加減な伐採地尾根。ここは歩きづらい)


(振り返って)


(往路で歩いた尾根。三角峰は燧石山か赤粉山いずれかだろう)


(北沢山山頂)


 寒さも忘れ、気を良くしながら下って行った伐採地上も、北沢山の登りにかかると、元の植林帯に入り込んでしまった。そして北沢山に到着。
 ここは陽は入らないが、少しは風よけエリアになっていた。下りに意外に時間もかかりそうもないことがわかり、ここでようやくラーメンタイムにした。だが甘かった。ザックの中でアルミの容器に包んでいても、ポットの湯は舌が火傷するほどの温度からは程遠く、遠、湯を入れて3分後のラーメンはかなり固かった。とても我慢してまで食えるものではなく、穴を掘って、半分以上捨てることになった。口直しにおにぎりでもと思ったが、すでに固く冷たくなっていたのでやめた。

(実線路の起点)


(小規模伐採地。ちょっとした広場になっている)


(作業道の下り)


 半端な食欲のままでどんどん下る。また作業道が加わった。これは地図どおりで、実線になっている。起点は広場状でその先に続いてはいないようだ。
 半端な伐採地らしいところを通過。尾根通しに歩こうとしても、尾根は形だけ残し、すぐ脇が作業道になっている。ここは作業道を下るしかない。675m標高点は特定できるスポットはなく、この辺だろうかといったところだった。ピーク状にもなっていない。

(寄日峠への下り。そもそもこの時点で間違っていたのかもしれない。こんなところを下るわけがない)


(急な斜面だった)


 右側の削られた尾根が太くなり、ここで尾根に乗り移る。作業道は左に離れて行った。地図では実線と破線路が分岐するあたり。だが、途中からおかしなところを歩いたのか、踏み跡はなくなり、やがて急激な植林斜面の下りになってしまった。
 本来なら右手に下れば良かったようだが、寄日峠もすぐそこだからと、このまま樹に抱きつきながらの下りになってしまった。

(寄日峠が見えている)


 林道に降り立った時にはほっとしたが、ここは登り坂になっていて、寄日峠らしき鞍部までは100mはありそうだ。ここでの登りはつらく、平坦な林道とはいってもかなり応えた。

(寄日峠)


(石祠が2基。峠の道は向こう側)


 寄日峠に到着。ここには前回に来ている。息を整え、前回は知らなかった石祠の探索をする。これもまた出がけの瀑泉さんの情報で、峠の東側にあるらしいことを知っていたので、峠の東側、樹の裏側を見ると、そこに石祠が2基あった。これで、見るべき物も見たとほっとしたが、どういうわけか、本来の破線路の踏み跡がその前を通っているのにはショックを受けた。どこでどう間違えて東側に下ってしまったのだろうか。
 石祠には嘉永四年の年号が彫られていた。結論としては、これを見ただけでも満足。樹の裏に静かに佇んでいるといった感じだ。峠からは見えない。成り行きで気づくか意識して探さないとわからないかもしれない。

(またミス歩き。先日は、そもそもカーブなんてのはなかった)


 寄日峠からの下り、ここでまたミスを犯す。ほっとしたからもうなすがままにといったいい加減な気分になっていたのだろう。林道をそのまま下っていた。先日、ここを登った時には地味な直進道で結構やられたが、林道は車の運行に合わせるかのようにゆっくりとカーブしている。周囲の景色も先日のものではない。
 そのまま下ってからようやく、見覚えのある沢沿いの作業道が見えてきた。ショートカットをして下る。

(林道に出る)


 林道に出て駐車地に到着。出だしが遅かったわりには予想よりも早く下れ、形の上では余裕の歩きだったが、強風の中の歩き、精神的にも身体にもかなり応えた周回だった。

(温泉神社へ)


(ここから温泉が湧いていたのかなぁ)


(石仏と石塔)


(青面金剛像)


(本殿?)


(石灯篭)


(では下って帰途に就く)


 林道下りの帰路で先日見損なったというか、あにねこさんの記事で知った温泉神社に寄って石仏を拝見する。青面金剛像だそうだ。無知な自分には千手観音かと思ってしまった。本殿前の石灯篭には「江戸京橋」の願主名、「文化七年」の文字が見えた。桐生にはこんな物が至るところにある。それも中心部から離れた奥の方で。何とも不思議な町だ。

(本日の軌跡)

「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」

(参考までに、3回分をまとめればこんな歩きをしていた)


Viewing all articles
Browse latest Browse all 520

Trending Articles