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Channel: たそがれオヤジのクタクタ山ある記
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塔の峰にツツジ三昧の目論みで出かけたが、見頃のはずの花は雨でかなり落ちていて、何とも物足りない気分で終わった。とはいっても、祭り会場だけはしっかりと見て満足。

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◎2018年5月5日(土)

かじか荘上駐車場出発(7:24)……丸石沢の橋を渡る(7:33)……1286m標高点付近(8:41~8:53)……1456m三角点(9:40~9:50)……日ヶ窪峠通過(9:52)……塔の峰(10:51~11:35)……1528m標高点付近(12:10~12:17)……熊ノ平(13:17~13:31)……車道に出る(14:03)……鳥獣観察舎(14:04~14:11)……駐車場(14:35)

 半年ぶりの足尾の山。迷うことなく塔の峰にした。以前は定番のように庚申山が好きでよく行ったものだが、今や塔の峰に行く回数の方が多くなってしまった。庚申山は特別な理由もなく飽きた。栃木百名山になってから設置されたらしい、いやらしく目に付く真新しい人工の金属梯子や渡し、ロープのせいだろうか。さりとて中倉山と沢入山はいつの間にかブナの樹のおかげで俗っぽくなり、積雪期以外はとても普通のコースで歩く気にはなれない。それを思うと、塔の峰に行くハイカーは知れたもの。静かな山歩きを楽しめる。コースというかルートも地図を見ながらの思案次第で豊富に作成可能だ。まして、舟石新道というユニークな荒れた歩道が山腹を通っている。だが、これも今のところの話で、孤高のブナから始まった足尾の山人気が塔の峰やら小法師岳の方面にまで及ばないことを願いたい。
 余計な本音をついでに記す。恒例の四月から五月にかけての植樹行事。自分は他人事として受けとめている。協力したいとも思わない。足尾の荒れた山肌、崩れかけの尾根と沢。公害の原点、縮図とはいっても、歩く立場、少なくとも自分には一連の無謀な近代化の結果として風化されつつある今の山の姿に魅力を感じている。人も住まない地で「足尾に緑を」をPRするなら、旧松木村エリアだけではなく中倉山尾根、石塔尾根も緑化すればいいだろう。それどころか町の中から望める備前楯、金龍山、有越山しかりだ。孤高のブナもいつまでも孤高のままにしておくのか。それどころかロープで囲んで名勝になっていたりする。NPOだかがやっていることは矛盾が目につき、きれいごとに過ぎない感じになる。「あそこは古河の土地だから、山だから」では済まされないのではないのか。一度でも足尾に住んでいれば、松木の植樹はお祭り的な行事に見えるのが普通の感覚だろう。これはあくまでも自分の私見だ。植樹の参加者それぞれにいろんな思いもあるだろう。これに関して議論するつもりはない。

 いつもの長い口上はさておき、今日の塔の峰の目的は二つ。一つは山名板のメンテナンス。二つ目は、あわよくばツツジ三昧。ツツジは標高的にこのくらいかと、それなりの期待を寄せている。標高1700mはまだ早かったとしても、その途中で見られるだろう。

(雨上がり待ちの状態)


 今日は午前中の数時間、9時くらいまで雨の予報だった。気にも留めずに出かけたが、やはり足尾に入ると小雨になり、駐車場に着いた時にはとても外に出られないような降りになっていた。しばらく車の中でタバコをふかして待機する。車は他に7台くらいあるが、自分と同様に車内で様子見をしている人もいるし、すでに出発しているらしい車、引き返す車もある。さて、このまま雨ならどうしよう。その時のために用意していた野峰周辺の地図を眺めていると、雨は上がり、青空が出てきた。早速、出発する。他の車からもハイカーが出て来て準備を始めている。雨が長引かずにラッキーだった。
 今日のコース、下りは1528m標高点経由の南東尾根にすることだけは決めていた。あれは4年前の5月10日のことだったが、塔の峰の山頂でみー猫さんと偶然に出会い、南東尾根を下った。ツツジがきれいだった記憶がある。去年の4月28日の丸石沢右岸尾根は時季が早過ぎたのか下で見ただけだった。実際はどんなものかは知らないから、確実な南東尾根を選んだ。ツツジを見ながらの登りよりも、見ながらの下りが良いに決まっている。
 問題は上りのコースだ。仁田元沢からドンピシャ尾根の手前か先の尾根を登ってみたいところだが、まだ沢水は冷たく多かろう。悩んだ末に選んだのが、庚申林道の丸石沢の出合いから真西に向かい1286m標高点に至る尾根だ。そのちょっと北側の小尾根は歩いたことがある。1286mの様子を見たくわざわざ下ったりした。ここはまだ歩いたことがないような気がする。ふみふみぃさんも瀑泉さんも歩かれていた記事の記憶はある。とにかく、庚申林道側からはあちこちから登っているので、そろそろネタ切れのところだ。

(まずはこれに迎えられる)


(丸石沢の橋)


(いつもなら右だが、今日は左に入る)


(なかなかの急斜面)


 林道ゲートの脇には雨上がりのせいか色鮮やかなヤマツツジが咲いていた。この先が楽しみだが、別に赤いヤマツツジが目的で来たわけではなく、上ではピンク、紫、白のツツジが咲き誇っていることを期待している。
 丸石沢の橋を渡ってすぐに取り付く。いつもなら、ここを右に登って、いわゆる丸石沢右岸尾根となるのだが、今日は左に向かう。いきなりの急な植林尾根になっている。ちょっと登っただけで息が上がったので早々にダブルストックにする。幾分楽になった。

(尾根伝いにアカが続く)


(アカをアップで)


(必然的に歩きが遅くなる)


 植林はすぐに終わり、ヤマツツジが左右の斜面に出てくる。赤いのが散らばって咲いている。地面にはピンクや紫の花がかなり落ちている。まだ新鮮なところからして、ここも数日来るのが遅かったか。赤も、近づくと、雨があたったせいかしおれ加減だが、左右に彩りを感じながら登って行くのは気分も良い。たまに息づいた感じの新鮮なのを見ては写真撮り。足は遅くなるが、手ごろな休憩タイムというかノロ足の都合のよい理由にはなる。こんな調子で登って行く。緑はもう新緑になっている。
 右側が開け、そうか、以前はあの尾根を登ったのかと納得。そちらに色づきはない。ここで紫だかピンク系のツツジが出てくるが、それきり。赤が依然として主流だが、そろそろまばらになってきて、どうもこれからといった感じになってきている。ここで、ちょっとしたコメントになるが、ツツジに関しては、明らかに紫の場合は問題ないが、これが薄いとピンクに近くなり、ピンクとすればいいのか紫と記せばよいのか迷うところがあり、正確な色彩表現に苦しむ。この記事でも、その場限りの主観表現だと見逃して欲しい。

(大岩が出現する。見た瞬間ドキッとした)


 こうしてのんびり歩いていると、標高1070m付近で、目の前に大きな大岩が通せんぼう状態で出現した。ちょっと手ごわそうだ。まずは巻きを考えたが、左右は急斜面だ。むしろ水を含んでズルっといくかもしれない。正面に出ると、登れなくもなさそうだ。直登するか。手足をかける段差はある。ストックを収納しようかと思ったが、そこまでするまでもなく、手首にストックのバンドを提げたままで難なく登りきれた。これもまたスパ地下の威力だろうか。

(ちょっと見えづらいが、中央右寄りに黄赤のプレートが写っている。この写真は尾根が急な様子を撮ったものだったのだが、この時点ではプレートに気づいていない)


 低い岩ゴロ地帯が続く。ピンクの花が集団で落ちているのを見かけると悲しくなる。これは一週間前の花だろうか。端が変色している。赤いのもそろそろまばら状態から消えかかってきた。これで気兼ねなく登れるなとほっとしていると、散発的に出てくるピンクがどうも邪魔になる。ここで、その時は気づかなかったが、後で尾根を振り返って撮った写真を見ると、黄赤のプレートが写っていた。下り方向側に向けて付けられていたようで、他にもあったのだろう。かつてはここも暗黙了解のルートになっていたのかもしれない。ピンクテープよりは自然に溶け込んでいる。ちなみに、この尾根でテープを見かけることはなかった。

(今度はムラサキになってきた)


(1286m標高点付近)


(シロを見かけた)


 紫の花が増え出し、また歩程が遅くなる。ただ近づけない。近づいたら幻滅してしまいそうだ。一回の接近でやめた。
 小高い1286m標高点の台地に到着。ここに来たのは3度目だ。南西の944m標高点から登って来たこともあるし、前述した、この尾根の北側尾根から登って、わざわざここまで下りて来たこともある。ここで休憩。色づきは殺風景で、ゆっくりできる。せいぜいひっそりと咲いた白いのが数株あるだけ。ここまで着てきた合羽の上を脱いで一服。雨はもう大丈夫だろう。青空も広くなっている。急斜面区間はここまで。あとは緩斜面になるが、塔の峰までは450mの標高差がある。

(光線の具合かピンクに近づきつつある)


(またアップ)


(塔の峰が見える)


 さて、この先、そのまま1456m三角点に向かうつもりでいたが、2年前に大石沢右岸尾根から派生した踏み跡を追いかけ、途中で打ち切ってしまった続きを歩いてみるという手もあるなと余計なことを思い出す。あの時は、先でこの尾根に合流しそのまま横切った。あやふやな踏み跡で、上から下ってきた踏み跡に出会ってほっとしたものだが、いずれその派生部分を確認しなきゃなとは思っていた。しかし、今日はツツジ見物が目的だしと踏み跡続行のプランを捨ててしまうと、踏み跡合流の鞍部すら気づかず、その先の派生部探しすら忘れてしまった。つまりは、再びピンクやら紫が賑やかになり、他のことを思い浮かべる頭の余裕はすでになくなっていた。今季にツツジ追いかけの歩きを続けていたらそういうことにもならなかったろう。その穴を埋めようと、しおれたツツジを見てもガツガツした状態になって冷静さを欠いていたということだ。

(次第に目ざわりになってきたりして)


(不細工なケルンを積む)


(右はお隣の尾根)


(変化はあるのだが、ちょっと退屈)


 やがて尾根は広い斜面になった。そして地味な登りが続く、自分にはこういうのがたまらなくつらい。そして、ちょっとした沢型を挟んで右手に別尾根が見える。いずれはここと合流する。そちらが自然林も少し密で日陰になって歩きやすそうだ。過去に誘惑にかられてそちらの尾根換えをしてみたことがある。最後はヤブで急だった。そのことを覚えていて今回はじっと我慢した。たまに振り返る。こんなところを歩くハイカーがいるわけがないのはわかってはいても振り返る。

 ここでいつもの余談。新しい職場で他部署の方も含めた昼食会をしたことがある。そこで「Mさんは山歩きが好きなんだって。M子さんも山、歩くんだよね」と紹介された。すると、その一回り以上は年下で、頭が良さげで冷たい感じの美人のM子さんは「私、道のあるところは歩かないから」とポツリとおっしゃった。周囲もいたので話はそれで終わりだが、どうも自分がGB隊所属のハイカーと思われたふしがある。それはそれで結構だが、いつか、彼女にどんなところを歩いているのか聞いてみたいと思っている。スリムな体形からして、岩や沢登りをしているかもしれない。だが、そういう場合は「私、岩登り専門だから」と答えるはず。「歩かないから」とは言わないものだ。そんな彼女とて、まさかこんなところは歩かないだろう。根本山の角力場を下から登るような無茶なことはするまい。ブスならともかく美人には似合わない。これってセクハラかいな。

(いつものこれを見て)


(1456m三角点)


 風景の色彩は緑と茶色になり、見かける花は地面に落ちたピンクだけといった状態になった。かろうじて取り残された花がポツンと枝に付いている程度だ。なだらかになって岩ゴロになる。そして、いつも気になる打ち付けられたブリキ板(ステンレス?)を見て三角点到着。
 1456mに至って、ツツジもここまでは終わりか終わりかけであることを知った。遠くから見てきれいでも、近づくとくたびれているのではお話にならない。それでいて、ツツジを見ては相当に撮っては時間を費やしていた。この上はいったいどうなっているのだろう。期待してよいものなのか…。それでいて、頭の中では、塔の峰山頂はツツジの楽園の風景を思い描いている。ピンク、赤、そして白がいっぱいだろうなと。あと300mだ。

(舟石新道を突っ切って塔の峰に向かう。色物は見えないが)


(この程度は目にした)


(何だか賑やかそうな気配だが)


(ちょっと寂しい)


(下は満開)


 すぐに日ヶ窪峠。舟石新道もかなり踏み跡が薄くなっている。やはり物好きな者の世界のままだ。だが、廃れて見失うことになったら困る。勝手ながら、この道だけは、物好きなハイカーには維持してもらいたい。
 ピンクをちらりと見ただけで低いササ原の登りになった。この辺はツツジがないところだと割り切れば、登りに専念できる。と思っていると、剥き出しになった地面にピンクの花が落ちて広がっていた。見上げると、花の付いた木はない。そんなところがいくつかあった。期待感はかなり色あせてきた。目的の一つが消えたか。
 ピンクの花を付けたのがちらほらと視界に入る。ヤブこぎしてまで見に行くような咲きっぷりではない。

 もうすでにあきらめていた。頭の中には山名板のメンテしかない。前に、よく確認せずに持参したニススプレーをかけたら白だったという、当人には笑えない苦い思い出がある。おかげで山名板を作り直した。今回は百均で買ったのとは違い、ホームセンターで買ったアサヒペンの「透明(クリア)」を持ってきている。これを吹きかけるだけのことだが、少なくとも時間を置いて2回は塗ろう。できれば3回。回数は山頂での滞在時間による。

(もしかしてこれで今日は終わりかなと思って)


(またアップで撮ったりした)


 そんなことを考えながらササヤブを漕いで行くと、何やら前方にピンクの集団が見えてきた。時計を見ると、1580mの標高が出ている。岩の周辺にはきれいなピンクが咲いていた。だが、ここは咲いている花よりも落ちている花びらの方が多い。それも新しいから今朝の雨かもしれない。やはりこういうことになってしまったようだ。暗い気分になった。

(また見掛け倒しにだまされるかも)


(近づくとどうも気配が違う)


(お祭り会場だった)


(完全に)


(足が止まった)


(しつこく)


(そして何度も名残惜しく振り返る)


 がっかりしながら登って行くと、次の岩の先がピンクが賑やかな雰囲気だ。期待をかけずに行くと、そこは本日のお祭り会場になっていた。地面にも大量に花が落ちてはいるが、まだまだ見頃に咲いている。あるいは今日が最終日かもしれない。
 ため息をつきながらお祭り会場をグルグルと回った。そして、できるだけ地面は見ないようにした。一昨日、唐沢山で余計な歩きをしていなければ昨日のこの時間にここにいた。その後の明け方に強い雨が降った。何とも悔やまれる。ここで見られたからまだ良いかと思いながらも、塔の峰の山頂での期待がふくらんだりしている。

(目の前はこうでは)


(つい振り返ってしまうんだよな)


 お祭り会場が過ぎると、また無色のササヤブになった。ツツジの木を見るとまだツボミ。というか、下に落ちた花がないからそう思っただけのことだが、風が強くて吹き抜けになってきていたから、単に飛ばされただけのことかもしれない。左右に展望が広がる。いつ来ても良い眺めだ。自己満足で、やはりオレ好きの山だなぁと思ったりする。

(地道な登り歩きになった)


(ヤブは深いが踏み跡だかシカ道が続いている)


(この辺になるともう色は完全に消えている)


 下り予定の南東尾根と合流する。あれっ、その先もまた色はない。目立つのはさっきのお祭り会場のピンクだけ。やはりダメか。ここで下りはいつもの丸石沢右岸尾根に変更しようかなと思ったりしたが、あそこの尾根、どうも下部の植林帯が気に入らない。結論出しはまだ先でいいか。

(そして塔の峰山頂に到着)


 塔の峰山頂に着いた。瞬時にがっかり。色とりどりの楽園ではなかった。遠くに赤とピンクが2株見えるだけ。あきらめた。

(お笑いネタになったスプレー)


(まぁ、今日のメンテは手ぬぐいで拭くだけでよいだろう)


 とにかくメンテを先にしよう。山名板を手ぬぐいでゴクロウサマと言いながら拭く。メンテは必要ないようだが、せっかく持参したスプレーニス缶を取り出してプッシュ。あれっ? 出ない。何度押してもニスは出ない。ダンマリのまま。詰まっているのかなと頭を外して針金を穴に通す。手の甲を舐めて頭に息を吹き込むと冷たい。つまり、空気は通っている。今度は、本体直結のノズル管が詰まっているのかもと針金を入れてゴシゴシ。何だか先が詰まっている気配がある。ペンチを使って、針金を強く押し込んでもストップがかかる。頭を入れてもう一度プッシュ。相変わらずうんともすんとも反応なし。前回は白を吹きかけ、今度はウンスンか。アサヒペンにだまされた。百均がマシだった。
 こんな作業を長々としていられない。というのも、山頂は寒く、音を立てた強風が流れている。ブルブルと震えて、身体を動かしていないととにかく冷え込む。どうせメンテの必要もないようだし、作業は終わりにする。手ぬぐいでワルイナ、後でまた来るよと言いながら拭く。このスプレー缶、家に帰ってから、もう一度針金で強く押して何とか通気状態にさせた。そしたら、今度はノズルどころか脇からもニスが噴き出し、着ているシャツにまで飛び散った。もう二度と使うまい。百均の小型の透明に戻ることにしよう。できれば3回塗りのつもりが0回で終わった。
 この顛末を妻に話すと、白スプレーの件を知っているだけに大笑いされた。

(改めて盟主様。敬意を表さないと)


 腹も空いていた。震えながら菓子パンとオニギリを食べる。それでいてタバコを吹かすことだけは省略しない。ストックを山頂に置いて、視界に入る2株のツツジだけでも見ておこうと下る。

(下に探索に行って見たツツジ。これだけかと思っていたら)


(なんとまぁ)


(下って来て良かった)


(まずは庚申様と盟主様を並べて)


(盟主様のみをバックにしてみたり)


(オロ様をバックにしてみたり)


(かなり密で賑やかだ。そして花も大きい)


(袈裟丸様も忘れてはならない)


(きりがないので山頂に戻りつつ)


(日光白根方面)


(ここもしつこく1)


(しつこく2)


(こちらは殺風景。ただの尾根だ。出したくはなかったが定番で)


(山頂にようやく戻った)


 実際は2株どころではなかった。上から窺えなかった庚申山に向かう尾根伝いに点々とピンクが続いていた。これからなのか判断に苦しむところだが、下に花は落ちてはいない。吹きさらしのことを考えれば、落ちた瞬間に飛ばされても不思議ではない。このまま庚申山まで行こうかなと思ったが、この先はうっそうとしていて、ピンクも赤も見えない。期待しての徒労の可能性もあるのでやめて山頂に引き返す。とはいっても、実は、ハイトスさん、みー猫さんと行った仁田元沢だが、その際、源頭から尾根に上がったところにちょっとした広場があり、その時は時節外れではあったが、あそこはツツジもきれいじゃないのかといった思いがあって、行ってみようかと迷ったが、結局は山頂にストックをそのまま置いていたので、それを都合の良い理由にして行かなかったというところもある。

(余韻を残しながらの下り)


(南東尾根。期待していたがこんなものだった)


(まさにポツリポツリだった。終わりだったのかなぁ)


 山頂に何やかやと45分もいた。とにかく寒かった。もはやこれまで。南東尾根のツツジに期待して下る。
 南東尾根、こちらもポツリポツリと咲いてはいたが、地面の方が見頃な状態になっていた。唯一の収穫はナゲさん花を見られたことだろうか。今が盛りのようだ。赤とピンクと白。

(たまにはいい感じも見かける)


(1528m標高点付近)


(一時的に色は消えた)


(ナゲさん1)


(ナゲさん2)


(これがピンクの最後か)


 ここの下りもまた少ないながらも時間をとられた。遠くに見えれば出向き、がっかりしては戻る。そして?となってどこの尾根を下っていたんだっけとなる。これを繰り返す。結果的に、この尾根にお祭り会場はなく、せいぜい、神社に続くロウソクが灯された石燈籠といった感じだ。むしろ、仁田元沢に落ちる斜面にピンクがやたらと目立っていた。ドンピシャ尾根の東西尾根のことを悔やんでも仕方がない。こうやって来て見なければわからないし、まして、もう少し前、そして雨が降らなかったら、あちこちで盆踊りをやっていたかもしれないのだし。

(ムラサキ種になってしまった)


(主流になった)


(岩場の下り)


(熊ノ平)


 岩場の前に出る。ここは何回か通ってはいるが、前回は、この岩場の通過は無理とあきらめ、右の沢型を下りてしまい、元の尾根に復帰できずに危うい尾根を通って林道に出た。今回は左側に下ってみようとしたが、何ということはない。特別に危険のないところを通って岩場を通過できた。
 熊ノ平に出た。もうフィニッシュ状態になっている。一応の儀式として残置スコップの確認のつもりでいたが、今回はどこにあったのか見つけられずで終わり。平らになったところで倒木に腰かけて休憩。ストックは収納し、手袋も外す。こちらの尾根、清掃が行き届き、テープ類を見かけたのは数か所。あれば安心と思えたので外すことはしなかった。同じ樹に2本も巻き付けてあったのは1本外した。悪しからず。

(舟石新道)


(今度はアカ種になった。当たり前だが往路とは逆になる)


(これが最後のプレートだと思うのだが)


(いきなりこんな塊を見て)


(林道に出た)


(何だか知らないが一応入れておく)


(瀑泉さん、ピンはこんな状態なのですが…)


 舟石新道を下る。ツツジはピンクが薄紫になり、ついには赤が主体になった。赤も群がって咲いているときれいだ。
 舟石新道の最後らしきプレートを見て作業道に入るとすぐに林道に出た。ここで休憩というわけにもいかず、先の鳥獣観察舎の東屋で休んだ。後は車道歩きだけ。今日は汗をかかなかった。一昨日の唐沢山の件があったから、手ぬぐいを2枚持参したが、一度も汗を拭うことはなかった。せいぜい、メガネを拭いただけだ。

(林道下りで)


(この擁壁の上はアカが連なって咲いていた)


(下斜面も賑やかだ)


(駐車場が見えてきた)


(象山は新緑の世界)


 道々でヤマツツジを眺めながら下る。右手の斜面にはかなり咲いている。今が見頃の時なのだろうか。
 駐車場に戻ると、出発時と同じ配列で8台置かれていた。ゲート前には4台。これは出がけには見ていない。途中、だれにも会わなかったから大方は庚申山方面なのだろうが、自分が出発してから7時間以上は経過している。ナンバーを見ると、ほとんどが東京方面からのようだ。明日も休みだし、庚申山荘に泊まって皇海山往復といったハイカーもいるのだろう。下りは、どうせなら、六林班峠経由で歩いていただきたい。踏み跡もかなりあやふやになっているところもあるし、あの道型だけは消えて欲しくない思いもある。
 新設なったかじか荘。見たのは今日初めてだ。館内の様子を見に入りたいところだが、汗もかかないのでは風呂には用事もない。まして、今朝は犬の散歩も省略していた。そのまま帰路に就いた。

 今回はツツジの拙い写真をやたらと自己満足で入れ込んでみたが、それなりの理由もあった。おそらくはまともに見る今季初で最後のツツジだろうと思ったからだ。赤いヤマツツジを追いかけるのはさほどに興味はない。見たかった見事なピンクのお祭りを、半端ながらもここで味わった。今季はツツジ見物とは縁遠い山歩きが続いたというか、山行の回数そのものが少なかった。だからというわけでもないが、自分には塔の峰のツツジを見たことでもう十分だ。
 引き続き、足尾や秩父の山歩きといきたいところだが、自分には似合わない山域で、ちょっと歩いてみたいところがある。それが済んだら、足尾や秩父の山も、彩りを気にせずに黙々と地地道に歩ける状態になっているだろう。むしろ、それが自分には見合った歩きかなと思ってもいる。

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