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Channel: たそがれオヤジのクタクタ山ある記
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田黒山で発砲音に脅かされる

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◎2015年11月29日(日)

柱戸不動滝駐車場(8:06)……田黒山(9:12)……駐車場(10:15)

 土曜日はこまごまとした用事があり、せめて合い間に紅葉見頃の武蔵丘森林公園にでも行くつもりでいたが、結局、うだうだして行かずに終わった。これはその日の進行表に合わせての話だから仕方もない。しかしながら、日曜日は松木川周辺をぶらぶらしてみるつもりでいた。だが実際は、布団からはなかなか出られず、やがてはどうでもいい気分になってしまった。山はやめにしようと思えど少しは歩きたい。こういう時にはあの山がいいだろう。草木ダムの東側にある「田黒山」。791.9mの三角点峰。ハイトスさんが昨年歩かれ、以来、いずれは後追いをしたいと思っていた。これまで、足尾の帰りにでも寄るつもりでいて、ハイトスさん記事の刷り出しと地図は持ち歩いてはいたが、結果としてダブル歩きの体力と気力は常になく、そのままになっている。ハイトスさん歩きで2時間25分か。車の往復にかける時間と同じようなもので半端な感じもするが、今日の気力の弱さには見合っているだろう。歩き足りないようなら森林公園にそのまま直行してもいい。
 起き抜けにネットを眺めると、ぶなじろうさんが昨日、森林公園に行かれた記事を拝見した。やはり昨日行っておけばよかったと後悔する。紅葉も終わりかけのようだが、今日とてまだまだ見頃のうちだろう。
 さて、ハイトスさんの田黒山歩きはオリジナルルートだ。当初はこれに色を付けて三境山まで行くとか、別尾根を歩いてみるとか、それなりの模索もしたものだが、その分、どうしても林道歩きが増してしまう。ここは余計なことは考えず、田黒山単発、ハイトスさんルートの後追いということにしておこう。

 今朝の浅間山は白く、赤城山は白っぽかった。この分では、足尾に行っても白いのが目に入ることだろう。122号線の下りはやたらとバイクが多かった。ツーリングもそろそろ時期的に終わりで、その分、ライダーも増えているのか。例の丸美屋自販機に今日こそは寄るつもりでいた。そのために食事もとらずに出たのだが、後ろの車にあおり立てられた走りをしていたので、曲がり切れずに素通りしてしまった。だれもいなかっただけにまったく残念だ。
 草木ダムを右折して、不動滝の駐車場(とはいってもただの空地)に車を置く。この先、戻るまで、ハイトスさんとほとんど同じところを歩いているので、改めて記しても仕方もないような気もするが、自分の記録でもあるし敢えて記すことにしよう。

(取り付き。地図では突端はもう少し左。陽射しの関係で薄汚く見える)


 駐車場の前に登りがいのありそうな急斜面の尾根末端が見えていた。バナナを一本食べて取り付く。霜が溶けたためか土はゆるく、地下タビのスパイクもあまり効かない。ところどころで滑る。地下タビといえば、もう冬の時期だ。足もこのままでは冷たい。そろそろ登山靴か長靴に復帰しないといけないなぁ。まして、雪ならしみ込みもするし。まさか、瀑泉さんとて雪の上でも地下タビではあるまい。

(岩混じりになって)


(先で左からの尾根と合流する)


(合流。風が冷たい)


 タビのことはともかく、目の前の雑な尾根を登りきると、赤い<界>の字マーク入りの塩ビの杭が出てきた。何の境界かは不明だが、尾根上に点々と置かれている。植生は左が檜から松に変わり、右は雑木。雑木の方は名残の黄紅葉だ。幾分、気分は良くなったが、これは束の間で、また檜の植林に吸収された急登になり、岩混じりになる。右の雑木はそのまま。
 左手に尾根が見えてくる。あれに合流だろう。尾根筋はしっかりと北東に向かっているので紛らわしいことはない。雑木は遠のき、檜の植林が広がって合流。この先は傾斜も幾分落ち着いているようだ。これまでの傾斜とて、意外にあっさりしたもので、ゼーゼーすることもなかった。左下に草木湖が見えている。とともに、風が吹きすさみ、寒くなった。

(軽いヤブだ)


(部分的に細くなる。左は草木湖側に落ちている)


 尾根上の植生がころころ変わる。植林は消えては現れる。雑木の中を一旦下ると、シノ竹のヤブが現れた。ここは逃げられそうもないので突入。さほど濃くはない。よく見ると、ケモノが通ったような通路があり。そこを拾いながら歩いた。しかし、うっとうしいことはうっとうしい。範囲は10分も続かず。
 ヤブを出ると、右下に作業道が見えた。これはハイトスさんが辿って復帰しているので、敢えて踏み込まず。律儀に尾根伝いに登る。
 植林の尾根はまた急になったがすぐに終わり、一旦、ヤセ加減になり、左は所々で切れた感じになっていて、草木湖が覗く。そうか、ここは里山か。ひっきりなしに車のエンジン音が聞こえている。これは山頂まで続いた。

(目標が出てくる)


(そして、木製の杭も現れる)


(左下に草木湖。左側は光の関係でどうもうまく撮れない)


 ここまで気分的に長かったというか、ようやく広葉樹の広い尾根になってくれた。しばらくは続きそうだ。里山風情はこうでないと。左先にピークが見えてくる。あれが田黒山だろうか。おもしろいことに、塩ビの杭に混じって、手作りの四角い杭が出てくる。これは何の目印なのだろうか。こういうのを見るのは初めてだ。関係者が手慰みでやったことではないだろう。

(近づく)


(紅葉はこんな感じで、青空に映えた鮮やかさはすでにない)


(この辺は気持ちよく歩けた)


(回廊のようになっている)


(尾根分岐の目印テープ)


 しばらく気分よく登っていると、右にこの尾根にふさわしくないピンクテープが現れた。周囲を見ると、付けられているのはこれだけ。何かの目印だろう。もしかすると下り予定尾根分岐かと思い、GPSと地図をあてがってみる。まさにそれだった。ここは見下ろしても尾根型は不明瞭だ。素直にありがたいと思った。テープは比較的新しく、ハイトスさんの後追いをされた方がいるようだ。このテープだが、下りで確認したところ、付いているのはここだけで、執拗に付けられてはいなかった。足尾の御仁にも、この控えめなマナーは見習ってもらいたいものだ。

(あれがピークかと思った。実は先がまだある)


(錆びた有刺鉄線)


(そして田黒山山頂)


 ピークが先に見え、あそこが田黒山の山頂かと思ったが、着いてみると、RK氏の標高板はおろか、三角点も見あたらない。何ということはない。まだ先にもピークがある。次のピークあたりから左手に有刺鉄線が出てくる。期待する方がおかしいが、まったく整備がされていず、倒木が鉄線を倒したりしていて、いささか歩きづらい。北側の展望が開け、男体山が見えた。やはりか。雪をかぶっている。袈裟丸山も白い。
 山頂到着。RK氏の標高板と三角点。狭い山頂だ。ここまで一時間少々。先月の和久土也山に毛が生えた程度の歩きだが、段違いにこちらの方がきつい。この山、東側の三境林道から取り付く楽チンコースもあるようだが、楽チンなのは地図上のことだけであって、実態はヤセ、急らしい。東側に三境山らしき山が見えている。さて、ここの三角点は「横川」となっているが、「田黒山」なる山名はどこからの由来だろうか。田黒山の山名板はない。

(下り尾根に入る)


(間もなく林道に出た)


 長居するような山頂でもないので、さっさと下る。先ほどのテープポイントまで下り、コンパスをセットする。下りにかかると、すぐに尾根型は明瞭になって一安心。最初のうちはよかったが、下るにつれ、どうも好みの尾根ではないことに気づいた。右下は植林。ここは雑木の変哲のない尾根なのだが、どうも雑然とした尾根だ。そして、わりと急。
 そんなことを考えていたら、近くで犬が吠えている。ハンターがいるのかと思った途端に植林の中で発砲音。一発。直近だ。こりゃまいったなぁ。慌てて、ザックの中からグリーンのヤッケを出そうかなと思ったが、そんなヒマがあったらさっさと下ろう。急ぐ。
 すぐに林道に出た。犬が相変わらず近くで吠えている。ここは開かれた林道を下った方が安全なのではないのかと考える。何だか追われる立場になってしまった気分だ。林道を下りはしたものの、地図にもない林道、どこに至るのやらわからない。あっさり、尾根に復帰する。

(なおも林道を避けて尾根を下る。もう植林尾根だ)


 びくびくしながら尾根を下った。また発砲音。今度は二発。進行方向の左から。幾分離れた感じでほっとはしたが、まだまだ安全圏ではあるまい。そして、また林道に出た。さっきの延長だろう。もうこうなったら意地だ。突っ切る。尾根は植林に入り込み、雰囲気も悪くなった。
 ハイトスさんレポをここで確認する。確か、三度目の林道との出会いでは懸垂下降だったはず。ザックから出して読む。やはり。しかし、ハイトスさんのことだ。自分には不要に思える懸垂下降を敢えてやってみただけのことだろう。尾根から右下に分岐する踏み跡を下ったら、案の定、急斜面ながらも林道に出た。どういうわけか、脇をビーグル犬が駆け下って行った。

(下るとこいつが待っていた)


(終点)


 林道に出ると、ビーグルが待っていた。ちゃっかり尻尾なんぞ振っている。じっと見ていたら、そのうちに目の前でオシッコをしてかけて行った。親方からの呼び出しでもあったのだろう。ここまで来れば、追っ手も来るまい。まずは安心する。
 さらに尾根を下ると、また林道。その下にも車道が見えている。そこに出る。車道を歩いて行くと、車が一台あった。ハンターのだろうか。さて、歩いていて、どうも様子がおかしい。地図を見ると、このままでは柱戸川を対岸に渡ってしまう。一本余計に下り過ぎたか。適当にヤブをこいで、上の林道に戻った。ハイトスさん記事を失念していたが、最後の林道出合いに神社があったらしい。これにはまったく気づかなかった。

(不動滝に向かう)


(奉納された大ワラジ。賽銭箱があったが、ご神体はワラジかね)


 集落が見えてきた。そして右寄り遠くに、あれは栗生山だろうか。あそこも上が白っぽい。左に不動滝入口の標識と「奉納 不動明王」の幟が続く。滝は車を置いた駐車場から行くものとばかりに思っていたが、上からも行けるのか。入り込む。社殿が2つあり、一つには不動明王が祀られ、もう一つには大きなワラジがあった。この吊るしたワラジはここ以外の近くで目にした記憶がある。この辺の風習のようだ。

(そして不動滝)


(宝暦の石仏)


 木枠のついた階段、遊歩道を行くと不動滝が見えた。落差は20mとか。見ごたえのある滝だ。この時期にしては水量も多い。展望台からの眺めだったが、下にも行けそうで、視界に入る樹が何とも邪魔で、よほど下りようかとも思ったが、そこまですることもないだろうと、途中にあった石仏を眺めて駐車場に戻った。

(展望台から田黒山。中央左奥がそれだろう)


 結局、汗もかかず、水も飲まず、バナナ一本きりの2時間少々歩きだった。国道は相変わらずバイクが多い。さてと、このまま森林公園までと思っていたが、だれにも接触することもなかった山歩きの後で、賑やかな公園に行って、終わりかけの紅葉を楽しんでも仕方あるまい。まして、駐車代込みで1,030円の出費にもなる。このまま帰れば正午前に家に着く。ビールを飲んで昼寝でもしていた方が賢いような気がする。理由付けができれば、何も考えずにまっすぐに帰ることにしよう。

(本日の軌跡)

「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」

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