◎2017年6月23日(金)
銀山平駐車場(6:55)……笹ミキ沢出合いへ下降(7:35)……ハンター尾根に取り付く(7:50)……1526m雨降り沢の頭(10:30~10:47)……巣神山分岐(11:23)……1167.5m三角点(12:02~12:12)……沢下降(12:29)……庚申川(13:04)……銀山平駐車場(13:21)
いずれ庚申川側から小法師尾根に出たいと思っていたが、先週、ふみふみぃさんがそれをやられていた。尾根の方はこちらに回していただき、自らはナゲカクシ沢を歩かれている。保留のままにしておくのでは申しわけなく、こちらも早々に尾根の方を済ますことにしよう。
笹ミキ沢の向かい側にあるこの尾根、ふみふみぃさんの表記に合わせてナゲカクシ沢右岸尾根とするつもりでいたが、足尾のRRさんからコメントをいただき、ハンターが小法師尾根に出る際に使うらしく、通称・ハンター尾根というのだそうだ。踏み跡が明瞭のようで、ちょっと興ざめしてしまったが、踏み跡が無いよりは有るにこしたことはなく、まして未知のエリアにつき、むしろ有った方が助かるというのが本音のところ。ただ、そういう事実を知っていたら、おじけづくことなく、早いとこ歩いていたのになぁとちょっと残念。やはりハンター情報も無視はできないか。足尾の山に限らず、こんなマル秘ルート、いっぱいあるんだろうな。
平日だけあって、銀山平にはすでに出発の車が一台だけ。ひっそりとしている。沢靴を履いて出発。庚申川をちょっと渉るだけだからと、古いズック靴を出しかけたが、一昨日の雨で増水しているやも知れず、まして、今日は下りでもう一回、庚申川の渡渉がある。面倒くささは命取り。侮ってはいけないなと沢靴にした。
(水道工事とあるけど、水道工事をする場所ではないような気がするが)
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庚申山に向かうこの林道、いつもダラダラと歩いているが、銀山平から一の鳥居までの標高差は250m近くあり、笹見木橋までにしても140mはある。いつもながらに歩き出しからゼーゼーする。
この林道界隈、かじか荘も含めて工事箇所があちこちにあり、その関係か、その昔、駐車場のあった所の先のゲートも何十年かぶりに遮断機が下りている。途中でユンボが置かれているところもあって、この辺も騒がしくなったものだ。
(ガードレールを越えて踏み跡。笹ミキ沢が見えている)
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(笹ミキ沢)
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(庚申川)
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ふみふみぃさんの情報に従い、笹見木橋の手前でガードレールを越えると、踏み跡が続いていた。ちょっとばかり緊張する。この先は未体験ゾーンだ。それにしても、やはり地形図どおりで、庚申川にはここから下るのが無難だったようだ。
踏み跡は笹ミキ沢に続き、その下を庚申川が流れている。正面の尾根末端は岩壁状になっていて、とても近づけない。まずは笹ミキ沢を渉って、庚申川に出る。出合いだ。水量が多いのか少ないのか知らないが、とにかく庚申川を対岸に渉らないといけない。周囲は大きな岩が点在し、薄暗く、魔境の雰囲気があって、あまり長居したいところではない。
(朝日を浴びた下流部)
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水の少ないところを選んで渡渉したが、それでも流れは強く、水位は軽く腿まで届いた。特別な意図もなく対岸を大岩を越えながら上流に向かう。下流部は渡渉対象外といった雰囲気になっている。しばらく行き、はて、このままではナゲカクシ沢に出てしまうな。何をやってんだかと戻る。再び大岩越え。
(ここから入り込んでみる)
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(踏み跡が続いていた)
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一服して、適当なところから取り付くことにした。とにかく尾根に乗りさえすればいい。フカフカガレのところをちょっと登ると、右手上流の方から明瞭な踏み跡が現れた。左の尾根方向に向かっている。これだな。ハンター尾根の踏み跡というやつは。意外に早く巡り会えたものだ。後はハンター気分で小法師尾根を目指せばいいか。ハンター尾根というのも頷ける。最後までシカの姿を一頭見かけただけだったが、あちこちにシカフンが豊富にあるところからして、猟期の冬場はこの周辺に集まるのかもしれない。
(尾根に乗る。やはり地図どおりに急斜面だ)
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結構、急だ。尾根に乗り、真下に庚申川が見えなくなったところでストックを出す。後は、展望のない、普通の地味な尾根になった。沢靴を履き替えようと思ったが、このままでも支障がないので、傾斜が緩んだあたりで履き替えよう。
この尾根、本尾根というよりも支尾根だろう。この先も、あちこちからの支尾根を合わせて小法師尾根に出るようになる。本尾根とすべきは、1224m標高点を経由する雨降沢の左岸尾根ではないだろうか。
(ハンター尾根はこんな感じ)
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尾根に乗ったとはいっても明瞭な尾根型が続いているわけではない。広い斜面になると踏み跡は散らばり、またどこかで集約されて道筋といった展開になるが、明らかに尾根に乗っているし、上に向かえばいいだけのこと。登っている分には紛らしいところはない。
不用意に口を開けて登っていたためか、小さな羽虫が口の中に入り込んだ。ノドにひっかかっている。むせた。咳きこんで、羽虫を出そうともがいた。涙が出てきた。しばらく咳はとまらなかったが、結局は飲み込んでしまったのか、ようやく咳はやんだ。こんなのはコリゴリだ。その間、立ち止まって、両手ストックで身体を支えていた。飲み込んでほっとするまで5分のロス。
(グズグズになって)
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(ナゲさん現る)
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(ナゲロードがあったとは。裏をかかれた)
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クズ岩のゴチャゴチャしたところを越えると、アズナゲさんが出てきた。やはり、尾根にもいたか。結構、はびこっている。中央突破で行くつもりでいたが、踏み跡が逸れている。踏み跡に従う。巻き巻きでアズナゲ園の上に出ると、あれっ、太い道筋がナゲ園の真ん中から出て来ていた。これには気づかなかった。アズナゲさんはこの区間で終わるが、それでも結構な距離はあった。
(依然としてこんな感じで)
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(突如としてこんなのが横切る)
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(横断路からテープが出てくる。作業用ではなく尾根伝いに登っている)
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1190mあたりで東西に明瞭な踏み跡が横断する。これは作業道かと思うが、ちょっと西側に追ってみると、かなり先に続いている。草がかぶっているわけでもなく、まだ現役使用の気配だ。この辺はずっと自然林になっている。作業道だからといって植林とはかぎらないだろうが、ここから尾根伝いに古いピンクテープも出てくるところからして、この作業道を使ったルートが通っているのかもしれない。興味のあるところだ。しかし、出どころと出口はどこだろうか。ナゲカクシ沢もまたいでいるのかと思うが。
(ゴロゴロしてきて)
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(平安なところに出て休憩。ここから植生も変わってくる)
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(1500m台地だろう)
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尾根が狭まり、尾根型が明瞭になってくると、次第に荒れた感じになり、大石も出てくる。傾斜もきついが、危険なところはない。
黙々と登っていると、ふと上が開けている。これまでずっと展望のない樹林というか林の中を歩いてきた。雨降り沢の左岸尾根に合流かと思ったが、その手前の1270m付近だ。ぽっかりした空間に出た。ここはいい感じのところだ。正面に見えるのは、雨降り沢の頭の手前にある1500m台地だろうか。近づいたな。9時10分。ここでしばらく休み、沢靴から地下タビに履き替え、腹も満たして一服。
ここで嫌な物を見た。捨てられた乾電池2本。こんな小さなもの、持って帰れるだろうに。ハイカーではないな。ハンター尾根か…。回収しなきゃと思いつつ、忘れてしまった。この先も、錆びた飲料缶を数本見かけた。
(いい雰囲気)
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(あっさり越えられる)
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(防火線跡かなぁ)
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10分ほど休憩して出発。この先、等高線はゆったりしているが、1350mから1400mにかけてがきつそうだ。1300mで雨降り沢左岸尾根に合流。地図上で、等高線がびろーんとなっている所だ。ここで方向が南西から西向きになる。上から下ったら、ここはそのまま通過してしまいそうだ。
傾斜が緩むと、ちょっとした風景もきれいに見えるもので、ルンルン気分で歩いていたら、目の前に大岩らしきものが出てきた。これは巻くしかないかなと思ったが、意外にあっさりと越えられ、その先は、低いササにカラマツが点在する幅広の尾根になっていた。もしかすると、ここもまた防火線だったのだろうか。そんな感じの植生だ。すでに踏み跡はかなり薄くなっている。ハンターの獲物探しはここまでの間に終わってしまうのか。そういえば、ハンターがシカを丸ごと背負って山を下りて来るはずもなく、どこかで解体もするのだろうが、残した骨やら皮を見ることはなかった。
(1350mからのちょいとした壁)
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(やはり防火線だよなぁ)
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そろそろ1350mに差しかかる。ここは広い斜面になっている。そのためか、50mの斜面はさほどに急な感じもなく、あっさりと越えられたようだ。それでも、あとでGPS軌跡をおとしたカシミールでチェックすると、10分近くかけている。
さっきまでの防火線風景は消えた。普通のササヤブの尾根だ。だらだらと登って行く。ふみふみぃさんはこの辺りで尾根に出られたのだろう。ササはヒザくらいに高くなり、どうもこの辺にシカは来ないのか、やはり踏み跡が薄くなったのもうなずける。しかし、ここもまた、左右の植生からして、やはり、防火線だったのかなと思ってしまうところだ。周囲が防火線だらけの所だからか、ついそういった目で見てしまうのだろうか。
(巨木が倒れている。不思議に、倒木はここまであまり見かけなかった)
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(塔の峰だろう)
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どでかい倒木を目の前にする。倒れながらも、枝の葉はしっかりと緑で息づいている。
右手が開けてきた。ここから見える右手といったら塔の峰方面だろう。右手のピークが塔の峰だろうが、なだらかに左に庚申山方面に稜線が続いている。
(1500m台地)
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(台地から先の風景)
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1500m台地に到着。展望が良いわけではないが、左がカラマツ林の斜面、右は自然林。やはり防火線の名残りだろうな。周囲が開けてはいるが、さほどにゆったりとできるような場所ではない。ササがうっとうしく感じる。
(この景色は圧巻だなぁと思った)
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(笹原を越えて近づく)
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(振り返って)
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(また振り返って)
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ようやく、雨降り沢の頭へのラストの登りだ。ちょっと下りかけてまた登る。ゆるゆるに登って行くと、正面に雨降り沢の頭が見えてきた。その手前に明瞭な防火線が続いている。ここからの景色はなかなかだ。これを見るだけでも登って来た価値はある。防火線は一面にびっしりとササに覆われている。
ササは腰までくる。その間にシカ道か踏み跡が続き、漕ぐまでもない。ちょっとした展望地で、左手前方の山並みは県境尾根の方だろう。二子山も視界に入っているかもしれない。
(雨降り沢の頭)
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(休む)
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何度も振り返って雨降り沢の頭・1526mに達した。2週間前と変わらない。腰を下ろして休憩。大福とウイロウを食べる。ふと、ここもワラビの生産所だったようだが、ここのワラビは細く、食用ではないな。
さて、ここから法師岳に出て六林班峠から下るという元気も時間もない。わざわざ2週間前に行った小法師岳に行くまでもない。このまま下ることにするが、前回同様に夜半沢を下ったのでは、銀山平までの車道歩きが上りにもなっているのでつらい。さりとて、すんなりと下れるような尾根は地図を見る限りは存在しない。一か八か沢のようなショートカットルートはないものかと思っていたが、たまたまネットで禁断っぽいルートを見つけてしまっていた。
これはヤマレコ記事で見つけたルートだから、詳細なものではない。ご当人は履物で失敗して何度も滑ったらしいが、とにかく使えることだけは確かのようで、これを下れば、銀山平にドンピシャということになる。得体が知れない気はしたが、今日はこれを下ってみよう。ただ、着地ポイントがダム湖の下だ。庚申川の渡渉がどうなるのか不安はかなり残る。記事では水位が「スネ~膝位」とあるが、これは9月下旬の話だ。
見上げると、雲が黒ずんできている。先々週の二の舞かなと危惧したが、セミの鳴き声はずっと続いている。しばらくは持つだろう。これで雨になったら、ドンピシャ沢も一か八か沢になってしまう。
(下りの風景1)
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(下りの風景2)
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(下りの風景3。巣神山分岐)
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(下りの風景4)
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(下りの風景5。崩壊地から)
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(そして1167.5m三角点)
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いつものルートを下り、いつものルートから先に行き1167.5m三角点。その間1時間15分。それをダラダラと記しても仕方あるまい。この三角点、4年前に何とかファミリーで象山をかけて歩いた際に見てはいる。
三角点で休憩。しばらく苦慮する。ここからなら夜半沢にまだ逃げられる。いつしかセミの鳴き声は消えたが黒い雲はない。持ちそうだ。予定通りに件の沢を下ってみるか。
(沢に向かって下る)
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コンパスを沢の起点にセットし、不明瞭な地形を下る。後で考えると、わざわざ沢の起点にセットせずとも、北北東向きに尾根伝いに下ればよかっただけのことだった。
どうもおかしな方向に向かっている。コンパスに合わせて下っている。もう一度セットし直す。やはり、意図する方向と違う方に向かってしまう。前をシカが逃げて行った。シカ道があるかなとそちらの方に向かうと、踏み跡があった。コンパスはあてにせず、GPSを見ながら下る。それにしてもややこしい地形だ。
(踏み跡が二分する。左は尾根コース。深入りはしなかったが、岩でスパッと切れた感じだった。右下に尾根巻きコース続いている。まずは尾根コースに行ってみた)
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踏み跡を追うと、左側に尾根が見えた。正面は沢の地形になっているから、これが予定の沢ということになる。この尾根にしようかなと移り気も出てきたが、その先のナマコ状のところに出るのに、スパッと切れた岩場を通過しないといけないようで、これはダメ。実はこの小尾根、先日、林道を歩きながら、目の前の岩場ピーク越しにアカヤシオが見え、いずれは歩いてみないとなと思っていた尾根で、林道に入って間もなく左下に見えてくる丸石沢から登れそうな尾根だ。すんなりと尾根を下るのは無理のようだが。
踏み跡が二分する。尾根直登と巻きコース。直登コースは無理がある。尾根巻きに変更したが、踏み跡は次第に薄くなり、これもまた険悪そうな感じになった。沢コースはなかったが、どうせ沢に出るのだろうからと、沢に下った。だが、今日の場合は、尾根に復帰して、尾根筋を下った方が正解だったかもしれない。
(沢を下る。これでもかなり急。前にストックを突き突き下っている)
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沢を下る。水無しの涸れ沢。傾斜は急。ガレていて、かなり下りづらい。石に足を引っかけては石を転がしてしまう。浮石はかなり不安定。さらに、落葉が堆積してフカフカ。条件の悪い下りになった。ただ、このままだったら、ゆっくり下れば何とかなるかといった気持ちもあった。
そのうちに水がどこからともなく出てきて、沢を流れ出した。970m付近。これはかなりヤバい。ちょっと想定外だった。こんなところに来てしまって失敗したなと本心から後悔した。
(こんなのがあるとは知らなかった)
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4mほどの小滝になる。これはそのまま下れず、ストックを収納して、脇を何とか四つ足でスルー。こんなのが続いたのではたまったもんじゃないなと、沢靴に履き替える。沢もナメ系になっていて、一度でも通っていれば快適だろうが、この傾斜では滑るかもと気が気でない。この時点で、両サイドの小尾根に逃げるという手もあった。容易く登れそうだ。だが、恐いもの見たさといったものもある。それでいて、頭から冷や汗がぼたぼたと落ちてきて、メガネも曇り出す始末。
(写真を見る限りは気持ち良さげだが)
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(こんなのがずっと続いていると、この先がどうなっているのかえらく不安になる)
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恥ずかしながらのことだが、確かに沢靴ではまったく滑らないが、いつコケるかも知れず、どうせ濡れるのだからと、巻けないところは尻をあてがって下った。
(ようやく庚申川が見えてきた。いつしか水は消えていた。ここでも不安。まさか落ち込んではいないだろうな)
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(左手にダム)
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庚申川の水の音が聞こえ、かすかに庚申川が見える段になって、ようやくほっとした。こうは記してはいるが、最初っから滑ることも懸念せずに立ち足で下っていれば、せいぜいちょっとうるさい沢だな程度で終わってしまうだけのことで、これが二回目なら、尻をあてがうこともなかったろう。
左手にダムが見える。ダムから吹き出す水勢は強い。両岸の尾根もまたここで終結するから、結局はどこを通っても同じということ。このダム、小滝川ダムというらしいが、先々週、夜半沢からの下り林道歩きで、庚申川ではなく小滝川という標識を見かけた。地図上は庚申川だが、この付近は通称の小滝川としているのだろう。
(ここをドキドキしながら下って河原に出る)
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さて、庚申川を見下ろす位置には来たが、河原に出るまで7~8mの高さがある。左手のダム湖側に登るのは賢明ではあるまい。それでいて簡単には下りられそうもない。周囲をうろつき、古いテープを見つけた。えっ、こんなところを下るのかいな。だが、確かにここしかない。細い樹に抱き着いて下って河原に出る。
ここでもまたうろついた。簡単に川を渉れそうにない。底が見えないところもある。事前情報のヒザ位置では無理。当初は右岸側をしばらく下ってと思っていたが、岩壁の下は淵になっていて全身浸かりそうだ。
(第1候補。右淵はまず無理。ストレートに行きたいが、軽く胸まで浸かりそうだ)
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(そして第2候補。あそこを攀じ登るしかないか)
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対岸を見ると、候補は2ルート。先ずは下流の途中まで行くと、先はかなり深そうだ。戻ってもう1ルート。正面から渡った。流れで腰がふらついた。目の前の岩に抱き着き、何とか渡った、それでも水位は腰越え。
(左手の小滝川ダム)
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(目の前にして意気消沈)
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目の前は岩。これを登るつもりでいたが、正面にするとおじけづいた。最初の候補ルートに下りかけると、やはり淵になっていて無理。ここを登るしかあるまい。手がかりと足がかりもあったので、登りきってほっとする。こりゃきつかったわ。水位がヒザ程度なら何も感じなかったろう。
(擁壁沿いに下流方向に行く。レンズが曇ってしまった)
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(やはり象山だよなぁ)
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(遊歩道)
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(歩く人もいないのか苔むしている)
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(キャンプ場に着いた。まっすぐに東屋に向かう)
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上に遊歩道が通っているらしく、しばらく高い擁壁が続いている。いずれ終わるだろうと、擁壁の下を歩いたが、これがまた長い。ようやく切れたところで遊歩道に這い上がった。本当にヤレヤレだった。シカの屍をまたいでキャンプ場に出た。
東屋に座り込んだ。ぐったりした。放心状態。タバコを立て続けに2本吸う。駐車場の方から物音が聞こえ振り向くと、オッチャンが水筒の水を頭からかぶっている。来た時にすでにあった車の主だ。那須の方からご苦労さま。コウシンソウは見られましたか?
車は都合4台。明日はコウシンソウ目当てでいっぱいだろう。下半身はびっしょりと濡れたまま。東屋の腰掛がある程度は水を吸ってくれはした。すべて着替えた。
今日の目的は庚申川から小法師尾根ルート。それを達成できた。雨降沢周辺の歩きは依然として残っているが、引き続き来週来るわけにもいくまい。そして、苦戦したドンピシャ沢の下り。この時期を外せば難のない下山ルートかもしれないなぁ。
仁田本沢、庚申川とマニアックな歩きが続いた。そろそろ松木奥にでも足を向けてみようか。瀑泉さんの記事に、ついその気になってしまった。また、ふみふみぃさんの後追いになりそうだが…。いずれ検討することにしよう。
銀山平駐車場(6:55)……笹ミキ沢出合いへ下降(7:35)……ハンター尾根に取り付く(7:50)……1526m雨降り沢の頭(10:30~10:47)……巣神山分岐(11:23)……1167.5m三角点(12:02~12:12)……沢下降(12:29)……庚申川(13:04)……銀山平駐車場(13:21)
いずれ庚申川側から小法師尾根に出たいと思っていたが、先週、ふみふみぃさんがそれをやられていた。尾根の方はこちらに回していただき、自らはナゲカクシ沢を歩かれている。保留のままにしておくのでは申しわけなく、こちらも早々に尾根の方を済ますことにしよう。
笹ミキ沢の向かい側にあるこの尾根、ふみふみぃさんの表記に合わせてナゲカクシ沢右岸尾根とするつもりでいたが、足尾のRRさんからコメントをいただき、ハンターが小法師尾根に出る際に使うらしく、通称・ハンター尾根というのだそうだ。踏み跡が明瞭のようで、ちょっと興ざめしてしまったが、踏み跡が無いよりは有るにこしたことはなく、まして未知のエリアにつき、むしろ有った方が助かるというのが本音のところ。ただ、そういう事実を知っていたら、おじけづくことなく、早いとこ歩いていたのになぁとちょっと残念。やはりハンター情報も無視はできないか。足尾の山に限らず、こんなマル秘ルート、いっぱいあるんだろうな。
平日だけあって、銀山平にはすでに出発の車が一台だけ。ひっそりとしている。沢靴を履いて出発。庚申川をちょっと渉るだけだからと、古いズック靴を出しかけたが、一昨日の雨で増水しているやも知れず、まして、今日は下りでもう一回、庚申川の渡渉がある。面倒くささは命取り。侮ってはいけないなと沢靴にした。
(水道工事とあるけど、水道工事をする場所ではないような気がするが)

庚申山に向かうこの林道、いつもダラダラと歩いているが、銀山平から一の鳥居までの標高差は250m近くあり、笹見木橋までにしても140mはある。いつもながらに歩き出しからゼーゼーする。
この林道界隈、かじか荘も含めて工事箇所があちこちにあり、その関係か、その昔、駐車場のあった所の先のゲートも何十年かぶりに遮断機が下りている。途中でユンボが置かれているところもあって、この辺も騒がしくなったものだ。
(ガードレールを越えて踏み跡。笹ミキ沢が見えている)

(笹ミキ沢)

(庚申川)

ふみふみぃさんの情報に従い、笹見木橋の手前でガードレールを越えると、踏み跡が続いていた。ちょっとばかり緊張する。この先は未体験ゾーンだ。それにしても、やはり地形図どおりで、庚申川にはここから下るのが無難だったようだ。
踏み跡は笹ミキ沢に続き、その下を庚申川が流れている。正面の尾根末端は岩壁状になっていて、とても近づけない。まずは笹ミキ沢を渉って、庚申川に出る。出合いだ。水量が多いのか少ないのか知らないが、とにかく庚申川を対岸に渉らないといけない。周囲は大きな岩が点在し、薄暗く、魔境の雰囲気があって、あまり長居したいところではない。
(朝日を浴びた下流部)

水の少ないところを選んで渡渉したが、それでも流れは強く、水位は軽く腿まで届いた。特別な意図もなく対岸を大岩を越えながら上流に向かう。下流部は渡渉対象外といった雰囲気になっている。しばらく行き、はて、このままではナゲカクシ沢に出てしまうな。何をやってんだかと戻る。再び大岩越え。
(ここから入り込んでみる)

(踏み跡が続いていた)

一服して、適当なところから取り付くことにした。とにかく尾根に乗りさえすればいい。フカフカガレのところをちょっと登ると、右手上流の方から明瞭な踏み跡が現れた。左の尾根方向に向かっている。これだな。ハンター尾根の踏み跡というやつは。意外に早く巡り会えたものだ。後はハンター気分で小法師尾根を目指せばいいか。ハンター尾根というのも頷ける。最後までシカの姿を一頭見かけただけだったが、あちこちにシカフンが豊富にあるところからして、猟期の冬場はこの周辺に集まるのかもしれない。
(尾根に乗る。やはり地図どおりに急斜面だ)

結構、急だ。尾根に乗り、真下に庚申川が見えなくなったところでストックを出す。後は、展望のない、普通の地味な尾根になった。沢靴を履き替えようと思ったが、このままでも支障がないので、傾斜が緩んだあたりで履き替えよう。
この尾根、本尾根というよりも支尾根だろう。この先も、あちこちからの支尾根を合わせて小法師尾根に出るようになる。本尾根とすべきは、1224m標高点を経由する雨降沢の左岸尾根ではないだろうか。
(ハンター尾根はこんな感じ)

尾根に乗ったとはいっても明瞭な尾根型が続いているわけではない。広い斜面になると踏み跡は散らばり、またどこかで集約されて道筋といった展開になるが、明らかに尾根に乗っているし、上に向かえばいいだけのこと。登っている分には紛らしいところはない。
不用意に口を開けて登っていたためか、小さな羽虫が口の中に入り込んだ。ノドにひっかかっている。むせた。咳きこんで、羽虫を出そうともがいた。涙が出てきた。しばらく咳はとまらなかったが、結局は飲み込んでしまったのか、ようやく咳はやんだ。こんなのはコリゴリだ。その間、立ち止まって、両手ストックで身体を支えていた。飲み込んでほっとするまで5分のロス。
(グズグズになって)

(ナゲさん現る)

(ナゲロードがあったとは。裏をかかれた)

クズ岩のゴチャゴチャしたところを越えると、アズナゲさんが出てきた。やはり、尾根にもいたか。結構、はびこっている。中央突破で行くつもりでいたが、踏み跡が逸れている。踏み跡に従う。巻き巻きでアズナゲ園の上に出ると、あれっ、太い道筋がナゲ園の真ん中から出て来ていた。これには気づかなかった。アズナゲさんはこの区間で終わるが、それでも結構な距離はあった。
(依然としてこんな感じで)

(突如としてこんなのが横切る)

(横断路からテープが出てくる。作業用ではなく尾根伝いに登っている)

1190mあたりで東西に明瞭な踏み跡が横断する。これは作業道かと思うが、ちょっと西側に追ってみると、かなり先に続いている。草がかぶっているわけでもなく、まだ現役使用の気配だ。この辺はずっと自然林になっている。作業道だからといって植林とはかぎらないだろうが、ここから尾根伝いに古いピンクテープも出てくるところからして、この作業道を使ったルートが通っているのかもしれない。興味のあるところだ。しかし、出どころと出口はどこだろうか。ナゲカクシ沢もまたいでいるのかと思うが。
(ゴロゴロしてきて)

(平安なところに出て休憩。ここから植生も変わってくる)

(1500m台地だろう)

尾根が狭まり、尾根型が明瞭になってくると、次第に荒れた感じになり、大石も出てくる。傾斜もきついが、危険なところはない。
黙々と登っていると、ふと上が開けている。これまでずっと展望のない樹林というか林の中を歩いてきた。雨降り沢の左岸尾根に合流かと思ったが、その手前の1270m付近だ。ぽっかりした空間に出た。ここはいい感じのところだ。正面に見えるのは、雨降り沢の頭の手前にある1500m台地だろうか。近づいたな。9時10分。ここでしばらく休み、沢靴から地下タビに履き替え、腹も満たして一服。
ここで嫌な物を見た。捨てられた乾電池2本。こんな小さなもの、持って帰れるだろうに。ハイカーではないな。ハンター尾根か…。回収しなきゃと思いつつ、忘れてしまった。この先も、錆びた飲料缶を数本見かけた。
(いい雰囲気)

(あっさり越えられる)

(防火線跡かなぁ)

10分ほど休憩して出発。この先、等高線はゆったりしているが、1350mから1400mにかけてがきつそうだ。1300mで雨降り沢左岸尾根に合流。地図上で、等高線がびろーんとなっている所だ。ここで方向が南西から西向きになる。上から下ったら、ここはそのまま通過してしまいそうだ。
傾斜が緩むと、ちょっとした風景もきれいに見えるもので、ルンルン気分で歩いていたら、目の前に大岩らしきものが出てきた。これは巻くしかないかなと思ったが、意外にあっさりと越えられ、その先は、低いササにカラマツが点在する幅広の尾根になっていた。もしかすると、ここもまた防火線だったのだろうか。そんな感じの植生だ。すでに踏み跡はかなり薄くなっている。ハンターの獲物探しはここまでの間に終わってしまうのか。そういえば、ハンターがシカを丸ごと背負って山を下りて来るはずもなく、どこかで解体もするのだろうが、残した骨やら皮を見ることはなかった。
(1350mからのちょいとした壁)

(やはり防火線だよなぁ)

そろそろ1350mに差しかかる。ここは広い斜面になっている。そのためか、50mの斜面はさほどに急な感じもなく、あっさりと越えられたようだ。それでも、あとでGPS軌跡をおとしたカシミールでチェックすると、10分近くかけている。
さっきまでの防火線風景は消えた。普通のササヤブの尾根だ。だらだらと登って行く。ふみふみぃさんはこの辺りで尾根に出られたのだろう。ササはヒザくらいに高くなり、どうもこの辺にシカは来ないのか、やはり踏み跡が薄くなったのもうなずける。しかし、ここもまた、左右の植生からして、やはり、防火線だったのかなと思ってしまうところだ。周囲が防火線だらけの所だからか、ついそういった目で見てしまうのだろうか。
(巨木が倒れている。不思議に、倒木はここまであまり見かけなかった)

(塔の峰だろう)

どでかい倒木を目の前にする。倒れながらも、枝の葉はしっかりと緑で息づいている。
右手が開けてきた。ここから見える右手といったら塔の峰方面だろう。右手のピークが塔の峰だろうが、なだらかに左に庚申山方面に稜線が続いている。
(1500m台地)

(台地から先の風景)

1500m台地に到着。展望が良いわけではないが、左がカラマツ林の斜面、右は自然林。やはり防火線の名残りだろうな。周囲が開けてはいるが、さほどにゆったりとできるような場所ではない。ササがうっとうしく感じる。
(この景色は圧巻だなぁと思った)

(笹原を越えて近づく)

(振り返って)

(また振り返って)

ようやく、雨降り沢の頭へのラストの登りだ。ちょっと下りかけてまた登る。ゆるゆるに登って行くと、正面に雨降り沢の頭が見えてきた。その手前に明瞭な防火線が続いている。ここからの景色はなかなかだ。これを見るだけでも登って来た価値はある。防火線は一面にびっしりとササに覆われている。
ササは腰までくる。その間にシカ道か踏み跡が続き、漕ぐまでもない。ちょっとした展望地で、左手前方の山並みは県境尾根の方だろう。二子山も視界に入っているかもしれない。
(雨降り沢の頭)

(休む)

何度も振り返って雨降り沢の頭・1526mに達した。2週間前と変わらない。腰を下ろして休憩。大福とウイロウを食べる。ふと、ここもワラビの生産所だったようだが、ここのワラビは細く、食用ではないな。
さて、ここから法師岳に出て六林班峠から下るという元気も時間もない。わざわざ2週間前に行った小法師岳に行くまでもない。このまま下ることにするが、前回同様に夜半沢を下ったのでは、銀山平までの車道歩きが上りにもなっているのでつらい。さりとて、すんなりと下れるような尾根は地図を見る限りは存在しない。一か八か沢のようなショートカットルートはないものかと思っていたが、たまたまネットで禁断っぽいルートを見つけてしまっていた。
これはヤマレコ記事で見つけたルートだから、詳細なものではない。ご当人は履物で失敗して何度も滑ったらしいが、とにかく使えることだけは確かのようで、これを下れば、銀山平にドンピシャということになる。得体が知れない気はしたが、今日はこれを下ってみよう。ただ、着地ポイントがダム湖の下だ。庚申川の渡渉がどうなるのか不安はかなり残る。記事では水位が「スネ~膝位」とあるが、これは9月下旬の話だ。
見上げると、雲が黒ずんできている。先々週の二の舞かなと危惧したが、セミの鳴き声はずっと続いている。しばらくは持つだろう。これで雨になったら、ドンピシャ沢も一か八か沢になってしまう。
(下りの風景1)

(下りの風景2)

(下りの風景3。巣神山分岐)

(下りの風景4)

(下りの風景5。崩壊地から)

(そして1167.5m三角点)

いつものルートを下り、いつものルートから先に行き1167.5m三角点。その間1時間15分。それをダラダラと記しても仕方あるまい。この三角点、4年前に何とかファミリーで象山をかけて歩いた際に見てはいる。
三角点で休憩。しばらく苦慮する。ここからなら夜半沢にまだ逃げられる。いつしかセミの鳴き声は消えたが黒い雲はない。持ちそうだ。予定通りに件の沢を下ってみるか。
(沢に向かって下る)

コンパスを沢の起点にセットし、不明瞭な地形を下る。後で考えると、わざわざ沢の起点にセットせずとも、北北東向きに尾根伝いに下ればよかっただけのことだった。
どうもおかしな方向に向かっている。コンパスに合わせて下っている。もう一度セットし直す。やはり、意図する方向と違う方に向かってしまう。前をシカが逃げて行った。シカ道があるかなとそちらの方に向かうと、踏み跡があった。コンパスはあてにせず、GPSを見ながら下る。それにしてもややこしい地形だ。
(踏み跡が二分する。左は尾根コース。深入りはしなかったが、岩でスパッと切れた感じだった。右下に尾根巻きコース続いている。まずは尾根コースに行ってみた)

踏み跡を追うと、左側に尾根が見えた。正面は沢の地形になっているから、これが予定の沢ということになる。この尾根にしようかなと移り気も出てきたが、その先のナマコ状のところに出るのに、スパッと切れた岩場を通過しないといけないようで、これはダメ。実はこの小尾根、先日、林道を歩きながら、目の前の岩場ピーク越しにアカヤシオが見え、いずれは歩いてみないとなと思っていた尾根で、林道に入って間もなく左下に見えてくる丸石沢から登れそうな尾根だ。すんなりと尾根を下るのは無理のようだが。
踏み跡が二分する。尾根直登と巻きコース。直登コースは無理がある。尾根巻きに変更したが、踏み跡は次第に薄くなり、これもまた険悪そうな感じになった。沢コースはなかったが、どうせ沢に出るのだろうからと、沢に下った。だが、今日の場合は、尾根に復帰して、尾根筋を下った方が正解だったかもしれない。
(沢を下る。これでもかなり急。前にストックを突き突き下っている)

沢を下る。水無しの涸れ沢。傾斜は急。ガレていて、かなり下りづらい。石に足を引っかけては石を転がしてしまう。浮石はかなり不安定。さらに、落葉が堆積してフカフカ。条件の悪い下りになった。ただ、このままだったら、ゆっくり下れば何とかなるかといった気持ちもあった。
そのうちに水がどこからともなく出てきて、沢を流れ出した。970m付近。これはかなりヤバい。ちょっと想定外だった。こんなところに来てしまって失敗したなと本心から後悔した。
(こんなのがあるとは知らなかった)

4mほどの小滝になる。これはそのまま下れず、ストックを収納して、脇を何とか四つ足でスルー。こんなのが続いたのではたまったもんじゃないなと、沢靴に履き替える。沢もナメ系になっていて、一度でも通っていれば快適だろうが、この傾斜では滑るかもと気が気でない。この時点で、両サイドの小尾根に逃げるという手もあった。容易く登れそうだ。だが、恐いもの見たさといったものもある。それでいて、頭から冷や汗がぼたぼたと落ちてきて、メガネも曇り出す始末。
(写真を見る限りは気持ち良さげだが)

(こんなのがずっと続いていると、この先がどうなっているのかえらく不安になる)

恥ずかしながらのことだが、確かに沢靴ではまったく滑らないが、いつコケるかも知れず、どうせ濡れるのだからと、巻けないところは尻をあてがって下った。
(ようやく庚申川が見えてきた。いつしか水は消えていた。ここでも不安。まさか落ち込んではいないだろうな)

(左手にダム)

庚申川の水の音が聞こえ、かすかに庚申川が見える段になって、ようやくほっとした。こうは記してはいるが、最初っから滑ることも懸念せずに立ち足で下っていれば、せいぜいちょっとうるさい沢だな程度で終わってしまうだけのことで、これが二回目なら、尻をあてがうこともなかったろう。
左手にダムが見える。ダムから吹き出す水勢は強い。両岸の尾根もまたここで終結するから、結局はどこを通っても同じということ。このダム、小滝川ダムというらしいが、先々週、夜半沢からの下り林道歩きで、庚申川ではなく小滝川という標識を見かけた。地図上は庚申川だが、この付近は通称の小滝川としているのだろう。
(ここをドキドキしながら下って河原に出る)

さて、庚申川を見下ろす位置には来たが、河原に出るまで7~8mの高さがある。左手のダム湖側に登るのは賢明ではあるまい。それでいて簡単には下りられそうもない。周囲をうろつき、古いテープを見つけた。えっ、こんなところを下るのかいな。だが、確かにここしかない。細い樹に抱き着いて下って河原に出る。
ここでもまたうろついた。簡単に川を渉れそうにない。底が見えないところもある。事前情報のヒザ位置では無理。当初は右岸側をしばらく下ってと思っていたが、岩壁の下は淵になっていて全身浸かりそうだ。
(第1候補。右淵はまず無理。ストレートに行きたいが、軽く胸まで浸かりそうだ)

(そして第2候補。あそこを攀じ登るしかないか)

対岸を見ると、候補は2ルート。先ずは下流の途中まで行くと、先はかなり深そうだ。戻ってもう1ルート。正面から渡った。流れで腰がふらついた。目の前の岩に抱き着き、何とか渡った、それでも水位は腰越え。
(左手の小滝川ダム)

(目の前にして意気消沈)

目の前は岩。これを登るつもりでいたが、正面にするとおじけづいた。最初の候補ルートに下りかけると、やはり淵になっていて無理。ここを登るしかあるまい。手がかりと足がかりもあったので、登りきってほっとする。こりゃきつかったわ。水位がヒザ程度なら何も感じなかったろう。
(擁壁沿いに下流方向に行く。レンズが曇ってしまった)

(やはり象山だよなぁ)

(遊歩道)

(歩く人もいないのか苔むしている)

(キャンプ場に着いた。まっすぐに東屋に向かう)

上に遊歩道が通っているらしく、しばらく高い擁壁が続いている。いずれ終わるだろうと、擁壁の下を歩いたが、これがまた長い。ようやく切れたところで遊歩道に這い上がった。本当にヤレヤレだった。シカの屍をまたいでキャンプ場に出た。
東屋に座り込んだ。ぐったりした。放心状態。タバコを立て続けに2本吸う。駐車場の方から物音が聞こえ振り向くと、オッチャンが水筒の水を頭からかぶっている。来た時にすでにあった車の主だ。那須の方からご苦労さま。コウシンソウは見られましたか?
車は都合4台。明日はコウシンソウ目当てでいっぱいだろう。下半身はびっしょりと濡れたまま。東屋の腰掛がある程度は水を吸ってくれはした。すべて着替えた。
今日の目的は庚申川から小法師尾根ルート。それを達成できた。雨降沢周辺の歩きは依然として残っているが、引き続き来週来るわけにもいくまい。そして、苦戦したドンピシャ沢の下り。この時期を外せば難のない下山ルートかもしれないなぁ。
仁田本沢、庚申川とマニアックな歩きが続いた。そろそろ松木奥にでも足を向けてみようか。瀑泉さんの記事に、ついその気になってしまった。また、ふみふみぃさんの後追いになりそうだが…。いずれ検討することにしよう。