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Channel: たそがれオヤジのクタクタ山ある記
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「この時季の赤城山は意外に涼しい」は本当だった。黒檜山から駒ヶ岳。

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◎2018年8月14日(火)

駐車場(8:18)……黒檜山登山口(8:21)……黒檜山山頂(9:26)……展望地(9:31~9:53)……駒ヶ岳(10:23~10:36)……駒ヶ岳登山口(11:04)……大沼(11:09)……赤城神社(11:23)……駐車場(11:34〉

 休暇で帰って来た息子に、どこか山に連れて行ってくれと言われ、すぐに思い浮かんだのが赤城山だった。瀑泉さんのご子息のように沢も嗜むのならともかく、うちの息子の山歩きはたかが知れているし、過去に一緒に行った山とて、地元の金山程度のものだ。まして、普段から山を歩いているわけでもない。
 数年前、赤城山の「意外な涼しさ」を、でんさんの記事で知った。それを感じてみたく、一年前の8月4日に行ったことがあったが、その日はあいにくの大沼も見えぬほどのガス日和で、むっとしていて最後まで涼しいのかどうかもわからぬままだった。涼しさを感じるには良い機会だろう。
 一瞬、赤城山よりも谷川岳でもと思ったりしたが、息子が音を上げるか、荒天だったらまずかろうと、やはり無難な赤城山にした次第。
 これもまた意外な話だが、最近、前橋在住の人から「太田よりも前橋の方が涼しい」と言われた。これは、赤城山と榛名山から風が通うからだそうだが、確かに、先日、前橋に仕事で行ってみると、昼過ぎのメチャ暑の時間帯でも出がけの太田よりも2℃ほど低く、車外に出ると、決して涼しいものではなかったが風が流れていた。冬は逆に厳しいかもしれない。

 姫百合駐車場には5台ほどの車があった。手っ取り早く鍋割山、荒山という選択もあるが、標高が高い方が涼しいに決まっているし、車でチョイ先に行けば良いだけのこと。赤城神社先の駐車場に着くと、車載の温度計は22℃になっている。やはり涼しい。ランニング、ハイキングの人がかなりいるし、バイクも自転車の通行も多い。
 一昨日のことだが、足尾の沢に行くつもりで出かけたら、大間々からずっと雨で、草木ダムには「水位上昇 ダム放流中」の電光掲示が出ていた。足尾で小やみにはなったが、小滝の里から見下ろした庚申川は大量の水でうねっていた。それを見て、早々に引き返したが(一年前にも同じことをやっている)、気温は7時半の時点で26℃と、雨のせいで蒸し暑く、ちっとも涼しさは感じなかっただけに、標高の違いもあるとはいえ、今日のこの涼しさはありがたい。じっとりした暑さもなくからっとしている。それでなくとも、息子からの誘いがなかったら、このくそ暑さの中、進んで尾根歩きなんかするわけがない。

 いつもの長い前置きはこれで終わりだが、今日の歩きは黒檜山に登って駒ヶ岳に下り、そのまま車道に出るといったオーソドックスなコースだ。特別に真新しい発見もなく、奇異な体験もしていない。適当な写真メインでの記事ということにしよう。

(黒檜山登山口。先行のファミリーがいきなり体操を始めた。待機していたら、先行を促された。「こちらは初心者なものですから」と言いはしたが、譲らずに先に行くことになった)


(息子がさっさと行き、先行者をさっとかわす。この時点ではぜーぜーしながらくっついて行った)


(猫岩手前の展望地から。正面は地蔵岳)



 息子の歩きは速かった。そんなに飛ばすなと言いながらもついて行った。自分にはオーバーペースの歩きで、こちらは大汗ダラダラ。次々にハイカーを抜いて行く。涼しさを感じているヒマもない。随所でオレを待ち続ける息子を先に行かせて、自分のいつものペースの歩きに戻した。

(スパ地下には、こんなところの歩きは滑りそうでつらい。アイゼンの引っかきらしき跡がやたらとあった)


(「アンテナ山の左隣りに富士山」という標識があったが…)


 年の差もさることながら、息子はボクシングのジムに通い、ボルタリングもたまにやったりと体力づくりに励んでいるようだ。こちらは、毎日のように、勤務先近辺のジイさん、バアさんとグラウンドゴルフを仕事としてやってはいるが、日焼けをしてたっぷりの汗をかいても、筋肉痛になるようなことは何もしていない。ただ、歩いて身体を動かしているだけのこと。この時季としては身体に悪い運動だろう。まして、山歩きからは遠のいている。歩きに差が開くのは当然のこと。息子について行けずとも深刻なことではない。

(山頂下はかなりきつい。こんな休憩をとりながら登っているが、息子の姿はすでにない)


(黒檜山山頂。この時は山名板を見ても特別に何も感じなかった)


 黒檜山山頂に到着。登山口から1時間半のコースタイムだが、息子を追いかけたおかげで、1時間5分で着いてしまったのは、最近の自分の歩きからしたら快挙だろう。
 さて、その息子、山頂に姿が見えない。間違って駒ヶ岳に行ってしまったのではと、一人で山頂にいた高校生ほどの女の子に息子の人相を伝え、見なかったかと聞くと、赤い服を着た人なら見かけ、展望地の方に行ったとのこと。息子がどんな格好をしていたのかからきし覚えてはいないが、決して赤ではなかったことは確かだ。そいつは違うな。

(展望地から1)


(展望地から2)


(展望地から3)


 息子は展望地の石に腰かけ、写メールを送っていた。まじまじと着ている物を見ると薄いピンク。周囲に赤シャツはいない。女の子のことを話すと、駒ヶ岳分岐で黒檜への道を聞かれたそうだ。そんなやり取りがあったのにピンクが赤とは、息子の印象も相当に薄いものだったのだろう。その女の子、後で両親と展望地にやってきたが、さっきはどうも、息子はここにいたよと言ったら、そのピンクを見て苦笑いしていた。
 展望地は涼しい風が通っている。汗をかいた身体には心地よい。ただ、瞬間に風がやむと、無性に暑くなる。これは仕方ない。今日の日差しは強い。腹ごしらえをして休む。そして、ハイカーも7人くらいいたので、離れたところでタバコを吸った。

(左は昨年見た山名板。右は今回)


 黒檜山山頂に戻ると、何となく違和感を覚えた。山名標識が「赤城山」とあって、その下に小さく「黒檜山頂1828m」とある。帰ってから昨年の写真を見ると、「赤城山」ではなく「黒檜山」がメインの山名板だった。新しいのに取り替えたのだろうが、何か特別な意図でもあるのだろうか。
 ここで、何回か前後しながら到着した単独氏に聞かれた。「いつも地下タビで歩いているんですか?」と。地下タビはどこの山でもまだまだ差別化なのだろう。こちらはジジイだし、さりとて貧相にも見られたくもないので「登山靴は持っていますけど、履き慣れると、こちらが歩きやすくてねぇ」と答えておいた。それ以上のことを聞いてもこなかったし。ただ、登りの岩がゴロゴロしたところでのスパ地下は結構滑り、下りでは引っかけて危ないかもしれない。この場では決して「歩きやすい」とは言えるものではなかったろう。

(左・東側に雲が湧いてきた)


(正面に駒ヶ岳)


 駒ヶ岳下りにかかる。東側の雲が黒ずんできているのが気になる。車道のバイクのエンジン音も気になってきた。せっかく涼し気に歩いているのに、あの音はどうしても暑苦しく感じてしまう。

(枯れない池)


(駒ヶ岳山頂。かなりガスが濃くなっている)


(この蝶、汗の臭いが好きなのか、帽子からなかなか離れなかった)


(黒檜山はガスの中)


 駒ヶ岳山頂には5人くらいいたか。山頂がそこにあるのに、タバコの煙の臭いが鼻についた。目の前でハイカーがタバコを吸っている。離れたところで吸っているつもりでいても、風向きはこちらだ。自分のことは棚に上げて、不快になった。オヤジさんよ、もっと深慮して吸えよと言いたくなる。こちらは、東尾根の方に入って一服。これなら臭いも届くまい。

(ここの下りはいつもこんな天気模様といった感じがする)


(見かけた花は大分ひからびていた)


 だらだらとした下り。息子は相変わらず快適に下って行く。たまに走りも加える。こちらからもどんどん登って来る。水筒も持たない空身もかなりいる。まさか黒檜まで行くつもりではないだろうな。オバちゃんのタオルだけの空身に「随分と身軽に歩いているね」と声をかけると、後ろのオッサンを振り向いて、「主人が荷物持ってくれているから」と笑いの返事が返ったが、そのダンナは重そうなザックを担いで、全身汗まみれ状態でかなりしんどい顔をしていた。

(この辺は整備されたのか、歩きやすくなった感じがする)


(駒ヶ岳登山口)


(大沼を見ながら一服している)


 車道に出ると、息子が待機していた。ここからは車道歩きで戻る。大沼にさしかかると、ここで待っていてくれと言う。湖畔のベンチに腰かけ、タバコをふかして景色を眺めていると、黒檜山が次第に雲に消えていく。そして、たまにポツリと雨が落ちてくる。黒い雲も一面に広がっている。やがて、息子が茶店から土産の菓子折りをいくつもポリ袋に入れて出て来た。職場への土産だそうな。それを見て、息子も苦労しているなと思った。
 オレの思いでは、職場への土産はつまりは人間関係の不要な義理にしか過ぎない。積極的に、どこそこに行って来たと赤の他人に近い職場の人間に伝える気持ちにはさらさらなれない。自分は、自分の旅行をブログには記しても、勤務先の人間が気づいているわけもなく、何十年もの間、職場への土産なんてものは、特別な思いのある同僚(もちろん上司なんてことはあり得ない)以外に贈ることはなかった。そういう同僚には旅先から送ったこともあった。旅行に行ったことはおろか、「皆さんでどうぞ」なんて気の利いたことは職場でしたことはない。
 その特別なお土産関係相手も、職場を辞めると同時に関係が消えてなくなった。落ち着いたらの送別会、忘年会、新年会と言われながらも、つゆぞ誘われることはなかった。部外者の取引先の人間ですら同じ。仕事を離れて割り勘やらこちら持ちで飲み歩いた関係もあっ気なく終わった。
 職を通じた人間関係なんて、深い付き合いをしたつもりでいても淡いもの。こちらにそんな意識がなくとも、相手にはそれなりの損得勘定もあったのだろう。勝手なこちらの思い過ごしに、忘年会の連絡はまだかいなと自らが振り回されていた。そんなことを体得しているからこそ、息子も苦労してんだなぁと思ったわけだ。そもそも、息子は職場や仕事の人間関係に対する考え方が素直というか実直なのだろう。オレの冷めた思いは息子には敢えて言いもしなかった。オレの偏屈に息子が混乱するかもしれないし、帰ってから妻にそんなことを話しでもしたら、立ちどころに批判、罵倒されるのはオレの方だ。
 自分は転職した今の職場に対しても、これまでと同じ思いでいる。ただ、困ったことに、今の職場は、小さなところで、ましてうわさ話好きなオバちゃん主体の会社だ。旅行に出かけるために休暇でも取ろうものなら、根掘り葉掘りどこに行くのか聞いてくるだろう。そうなったら、手ぶらでオハヨウゴザイマスの出社というわけにもいくまいな。まさに嫌悪していた人間関係が今になって生まれることになるかもしれない。

(赤城神社)


 赤城神社に寄って駐車場に向かう。神社では、昨日、肺水腫になって危篤な状態で入院してしまった愛犬の回復を祈った。あとは、帰りに覚満淵でも寄るつもりだが、この時季は花も何もないだろう。

(覚満淵)


(見かけた花はこれと、とはいっても去年のブログで出している)


(これだけ)


 地下タビのままに運転して覚満淵。息子はあまり乗り気もない様子だし、自分にとっても付録のようなもの。荷物もなく適当に先まで行って早々に引き返した。紅葉にありつけるわけでもなく、一周しただけでもムダな汗をかくだけだろう。

 帰路に就こうとしたらカンカン照りに戻った。メチャ暑い。それでいて涼しい風は流れている。
 息子はオレと同じに、帰りの温泉立ち寄りにさほどの興味もないようで、念のため聞くと、むしろラーメンを食べたいらしい。往路は大間々、新里経由だったが、復路は前橋に出て上武国道にしていた。国道伝いにたいしたラーメン屋はないが、自分が一回だけ行ったことのあるラーメン屋に寄った。息子はビールを飲んだが、こちらは運転だ。店を出てから、息子に聞くと、ラーメンはまずい部類ではないが、味が濃すぎたということだった。せめて、息子においしいラーメンを食べさせたかった。次は紅葉の谷川岳にでも連れて行ってやろうか。息子はさっさと早足で行くだろうが、それはそれで自然体だ。息子に気遣われる歩きをするにはまだ早い。

 翌日のことだが、短時間の歩きながらも、息子を追いかけた歩きをしたため、両足のふくらはぎがかなり痛くなっていた。
 何となくグチというよりも自分の思いの強い文章になってしまった。それはさておき、確かにこの時季の赤城山は意外に涼しかった。しかし、この暑さ、いったいいつまで続くのだろう。山なんかどうでもよく、涼しい国に海外旅行に出かけたい気分になっている。

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