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Channel: たそがれオヤジのクタクタ山ある記
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「榛名山の紅葉は見ごろ」情報で榛名富士まで登ったが紅葉はさっぱり。どうも「榛名湖畔」の勘違いだったようだ。

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◎2018年10月28日(日)

 足首の骨折から2か月が経過した。15日から仕事に出、犬の散歩も朝晩欠かさずにやっているし、ストックも数日前から無しで歩いている。ただ、職場に行く時だけはストック必携だ。これは一種のポーズであって、身体を酷使する仕事をやらされたらたまらないので、サンダル履きとともにまだまだですよの無言の小道具にしている。さりとて、健常な状態に復帰しているわけではなく、速くは歩けないし、どうしても不自然なようなビコタン歩きになってしまう。風呂場のタイルの上を素足で歩くと足裏に痛みも走る(これは既往症の足底筋膜炎の再発で、骨折とは無関係かもしれない)。まして、階段の上りは両手開放で苦もないが、下りになると、一歩一ステップでは手すりをつかむしかない。しつこい左足のむくみは徐々にひいてはいるが、まだ普通の靴は履けず、足首幅広のリハビリ用の靴を楽天ショップで見つけて購入して歩いている始末だ。
 それでいながら、そろそろ軽いハイキングくらいはしたいと思っていた。赤城と日光の紅葉は気分的にすっきりしなかった。群馬の紅葉情報をネットで探ると、「榛名山は見ごろ」とあった。当初は、赤城、日光の延長でドライブ気分での紅葉見物にしようと思っていたが、たまたま、前日の土曜日にトレッキングシューズを履いてみたら、足が入った。厚手の足首サポーターを巻いても窮屈な感じはあるが問題なし。試しにそれで犬の散歩をしてみたら、足首も固定してむしろ都合が良かった。
 だったら、榛名富士でも登ってみようか。標高差はざっと300m。今の自分にはきついかもしれないが、ダブルストックなら何とか歩けるだろう。左足はサポーターでしっかりと固定したし、どうしても負担のかかる両足の膝にもサポーターを巻いた。がんじがらめの状態だが、これでほぼ完ぺきだろうと思っていた。結果としてはそうではなかったのだが。
 ちなみに、ここ半年ばかりのことだが、ステテコを履くようになっている。ステテコは、自分の結婚式での貸衣装を着用する際に、式場から強要されて履いただけで、引き続きの趣味にはならなかった。たまたま、スーツのズボンの汗染みが気になって履いてみたが、これがすこぶる快適で、今日もまたユニクロのステテコを下に履いている。保温面でもよろしかろう。

 さすがに紅葉見ごろのスポットは違う。8時前なのに駐車場には車がかなり置かれ、湖畔の探索をしている人の姿が多い。ライダーのオッチャンたちもバンダナを頭に巻いてたむろしている。駐車場のスペースはまだ十分にあるが、これが戻りの11時近くになると空き待ちの混雑になっていた。

(駐車場から榛名富士)


(駐車場はきれいだ)


(赤も)


(ビジターセンターの脇)


(登山口)


 湖畔の紅葉は見ごろだ。わざわざ榛名富士に登るまでもないようだが、そのつもりで来ているから、駐車場周辺のきれいな赤色を眺めてから登山口に向かう。登山口標識から歩き出したのは8時ちょうど。ここにはロープウェイがあって、山頂下まで通っている。運行は9時からのようで、ハイカーの姿はちらほらだ。大方のハイカーは榛名富士ではなく掃部ヶ岳あたりを選ぶだろう。この時点では、足の具合によっては、足では下らず、ロープウェイ利用もありだなと思っている。無理はできない。ところで「榛名富士」とはどうも通称のような気がするが、正式な山名があるのだろうか。

(いきなり色彩が淡い世界になった)


(それでも許容の範囲だろう)


(黄色も、遠くから見る限りはきれいだし)


(だが、次第に怪しくなってきた。黒ずんでいるもんね)


 山の中に入ると、最初のうちは色も鮮やかな紅葉が目に付いたが、ササ斜面を越えると、色づきは遠ざかり、むしろすでに終わったか焼けた感じになった。期待できない気配が一面に漂っている。
 やはり、左足首の曲げがスムーズにいかずにこわばっている。これまでの上りは家と会社の階段でしかないから仕方がない。風呂の中でやる曲げ運動は効果も薄いし、整形外科では中に金属が入っているために電気治療もしてもらえない。また、ハードなサポーターのせいもあるかもしれない。足が突っ張ったような歩きになってしまい、えぐれた段差越えはスムーズにいかず、つい樹や根につかまってしまう。やむなくストックを一本出した。いくらか楽になった。
 あっさりと3人に抜かれる。けっして速い歩きの方々ではない。真後ろに付いて歩くことも可能だが、お互い嫌な気分なるだけだろうし、焼けた紅葉を無理に写真に撮っては時間を稼ぐ。
 まどろっこい歩きが続く。つい左足をかばい、歩幅も自然と狭くなる。今日は松葉杖で登った金山とはまた違ったリハビリ山行だ。こんな軽い歩きを5回も歩けば、先も見えてくるだろうと思いたい。不思議に息が上がらない。こんな歩きをしていたらそうだろう。

(とうとう焼けた状態になった)


(「見ごろ」からは程遠い)


 上がるに連れて、さらにおかしな紅葉になった。まっ黄色な葉もあれば緑もある。こげ茶もあれば赤もある。同じ樹の葉の色が何種類もの色になっている。樹間から見える榛名湖対岸の山の山肌の方がむしろきれいに見えるが、もしかして、向こうからもこちらが同じに見えているのかもしれない。

(山頂駅の広場に着いた)


(山頂駅)


(山頂方面の電波塔。こんな写真はどうでもよかった)


 こげ茶が強くなって緩い斜面になった。そろそろロープウェイの駅かなと思ったら、やはりそうだった。かなり以前、ここを歩いて来た記憶がある。8時45分。ここまで45分か。2分も歩けば山頂だ。コースタイムは45分だからまずまずか。大きな遅れではない。
 ここでロープウェイ駅舎に寄り、始発が9時であることを知る。始動音が聞こえてきた。ロープウェイで下るほどでもないな。ここはちょっとした広場になっていて、ベンチと灰皿も用意されている。こんなところに灰皿がと思っても、考えてみれば、ここの職員の方々が片づけて清掃されているのだろう。せっかくだし、ベンチに座り、灰皿を使わせていただく。だれが片づけるのかも知れない、袈裟丸山周辺でよく見かける灰皿が異質なのだ。

(山頂に向かう)


(相馬岳らしい。榛名は詳しくない)


(山頂の富士山神社)


(これは南側)


 さて山頂に行くかと、ベンチから腰を上げると、ズボンの尻が濡れていた。朝露がかかっていたことに気づかなかった。まして化繊のステテコが間にあるから余計だ。気づいてしまうと今度は不快になる。
 山頂に向かう。若いのが三人、雰囲気として、下りのロープウェイを待っている気配がある。だとしたら根性ねぇなということになるが、その後にどういう手段で下ったかはわからない。
 先は石段になっている。これはまずい。今の自分には負担が大きい。だが、よく見ると、脇にいやし系のステップが続いている。もっとも、階段も高い段差があるわけでもなく、ステップも合わせ使って山頂に出られた。山頂は神社。この神社は富士山神社。字がかすれかけた手書きの解説板を読む限り、下の榛名神社の奥社というわけでもないようだ。富士山神社、榛名神社、関連はあるのだろうが、あまり迂闊なことを自分の思いで記すのはやめておこう。神々のことはど素人なんだから。古事記や日本書紀を読んでもさっぱりわからない。ただ、榛名神社よりも富士山神社の方が位は高いような気はする。

(三角点)


(やけに赤かった。「榛名山は見ごろ」とはこのことか?)


 山頂には、途中で追い抜かれた方が写真撮りしているだけで、じきにいなくなった。自分だけだ。この場にはちぐはぐな感じがしないでもない真っ赤な塊があって印象的。展望を楽しみたかったが、木立ちが高くなっていて、市街地は展望できるものの、周辺の山々はすっきりとは見えない。ここで一服するのを忘れた。

(恐怖の下りへの入口)


 いよいよ、我ながら恐ろしい下りになる。ここまでも、土は粘土質やら水含みもあって、滑りには注意して登ってきたが、これからの下りは慎重にならざるを得ない。ストックをもう一本出し、ダブルで下る。9時4分。

(色はないが、闇の向こう側には色づきがぼんやりと見える)


(たかがこれをくぐるのに苦戦した。またぐことができない高さだった)


(ここは抱き着き)


 榛名湖を見下ろしながらの下りになったが、こちらの方が滑りやすい。というか、意識の問題だろう。滑り方が悪ければ再手術、入院といった段取りになりかねない。えらく緊張した。場所によっては、ストックに頼らず、フェンス代わりのトラロープまでつかんでしまったし、樹に抱きつきもした。だれかに見られていたら、あの人、何やってんだろうと思われるに違いない。

(榛名湖を目がけての下り)


(烏帽子ヶ岳か)


(こんな目立たない紅葉が、一応は自分好みではある)


(こちらもこんなものだ)


 だらだらの下りだった。ササが見えてほっとすると、すぐに滑りやすそうな土の斜面が復活する。さらにごろごろと大きな石も転がっている。周囲を見渡す余裕はなかったが、こちらも同様に、こげ茶と緑が入り乱れ、むしろ、榛名湖の青さだけが目についた。北側だから陽もあたらないし、もとから紅葉を期待できるコースではなさそうだ。

(ゆうすげ元湯の上に出た。ようやくといった感じでほっとした)


(こちら側の登山口)


 何とかこけることもなく無事に「ゆうすげ元湯」の上の、登山口標識の置かれた平地に出た。時間は9時47分。かかった時間は43分ということになる。コースタイムは25分の下りだから、倍近くかかっている。今の状態では上出来だろう。予想していた時間は上りタイムの倍だったし。下りかけた時、二人連れが山頂に到着していたが、だれにも追い越されることがなかっただけでも幸いだ。しかし、左足をかなり突っ張らせた下り歩きだった。倒木の下をくぐった時には足の位置を固定させるのに一苦労だった。足首がまだ自在に動かせない。これが致命的になっている。

(こんなのを見たかったが、この時点ではこれが本日の最高かと思っていた)


(念のためのアップ)


(魅力的なまだらもある)


 ここの東側に鮮やかな赤が見えた。ヤブ歩きのようなものにはなるが、榛名富士の上り下りできれいな紅葉は見られなかっただけに、身体と目が引き付けられ、間近に行って時間を費やした。この時は、せめてこれぐらいはと思ったものだが、実は、榛名山の紅葉も見ごろはこの先から始まった。ネット情報の「榛名山」は「榛名湖畔」ということだったのか。オレが迂闊だったのか、ネット情報がアバウトだったのか。まぁ、そんなことはどうでもよい。その時の気分としては、300mの標高差を登って下れただけでもほっとしている。
 ここでストックを2本ともに収納する。ここからは湖畔沿いの歩きだ。たいしたアップダウンはあるまい。ここまで、ど緊張な下りになったものの、足がいかれた状態ではない。紅葉にはがっかりしたが、まずまずのリハビリ歩きだったと言えるだろう。言葉遣いの問題だが、復帰歩きまではまだまだだ。

(ゆうすげ元湯。帰りに立ち寄って風呂に入る)


 ゆうすげ元湯の前に出る。ここは子供が小さい頃に家族旅行で来て泊まったことがある。雪が積もっていて、子供たちは大はしゃぎした思い出の宿だ。ここでオッサンに声をかけられ、どういうコースを辿ったのと聞かれる。当人は、ここからピストン歩きのつもりでいたが、周回できますよと言うと、向こうからは下れないと思っていたらしい。じゃ、自分もそうするよとなったが、あちこち歩かれているようでいて、榛名富士は初めてらしい。初めてだったら、余計にそんな下調べはするものではなかろうか。

(榛名湖を眺めながら)


(少し車道歩き)


(榛名富士。こんな山でも下りはきつかった)


(ちょっと淡いか)


(こんなのを山中で見たかった。来月に行く予定の桐生の崇禅寺はどうでもよくなった)


(何だかすごいことになってきた)


(先に進まない1)


(先に進まない2。足の具合に関係がなく)


 湖畔沿いの車道は紅葉に染まり、並木道状になっている。山の冴えない紅葉がうそのようだ。ふらふらとあちこちに寄っては眺める。ただ、ここはあくまでも車道だ。これを歩いて戻るのは鬱陶しいなと思っていたら、まさに湖畔沿いに歩道が付けられていた。これを歩くことにしよう。

(遊歩道歩き)


(それなりに気持ちが良い)


(対岸。本当は向こうから榛名湖を入れて榛名富士を撮りたかった)


(赤と青)


(こんなものでも撮りたくなる)


(紅葉も終盤のようだ)


(ボートを入れてみたりして)


 気持ちの良い歩道だ。右下には榛名湖。ガーコちゃんだか白鳥のボートで楽しんでいるグループの嬌声も聞こえる。岸にぶつけている。ヘタクソだねぇ。歩道を歩く観光客も多い。目覚めるほどの色づきも目に入る。歩道は狭く、相手に待機してもらう回数が多くなった。こちらの歩き方からして健常者には見えないのだろう。

(遊歩道は狭い。だから雰囲気も良い。さっきの写真と同じようなものだが)


(かなりくどかった)


(間もなく騒音の世界に入り込むあたりで)


(こうして見ると、かなりなだらかな山だ)


(そろそろ終わって)


(こうなった。中国語も聞こえる。わずか数人だろうが、中国人の声は大きい)


 ゆっくりと時間をかけての歩道歩き。そして紅葉見物。これが山歩き時の紅葉だったならなぁと思う。次第に喧騒な状態になって来たと思ったら、ビジターセンターに着いてしまった。10時53分。アバウト3時間の歩きだった。

(実は駐車場周辺がきれいだったので)


(こんなのや。冒頭で入れたっけ?)


(こんなのも入れてみた)


(もういいだろう。度が越えては見向きもされないブログになってしまう。しかし、山歩きに行って、写真を見る限りはただの湖畔の探索で終わった感がある)


 すごい人ごみだ。これに駐車待ちの車や観光客を乗せる馬やら馬車が右往左往している。早いとこ逃げ出したい。車に入った途端にさっそく待ちの車に目をつけられた。車がすぐにも入れる態勢に入っている。だが、こちらがだらだらとタバコを吸い始めると、いらついた顔をして離れていった。

 普段はめったにしないことをした。それは温泉入浴。当初は伊香保にでも寄るつもりでいたが、榛名湖畔にも温泉はある。骨折やら捻挫に効くかどうかは知らないが、特効薬じゃあるまいし、温泉ならどことて同じだろう。ゆうすげ元湯に行くかと調べると510円。その向かいにある別館は400円。安い方にこしたことはないが、思い出の宿でもあることだしとゆうすげ元湯に向かった。
 何と驚いた。この日は群馬県民の日で、県民の入浴料は一律50円。悩むこともなかった。ただ、県民である証拠を出しさえすればいいのにと思うが、なぜか住所氏名、電話番号、生年月日まで書かせられた。これには閉口してしまった。正直に記せば個人情報さらけ出しじゃないか。それはともかく、榛名に限らず県内どこでも50円の日帰り入浴だったとしたら、草津の山にでも行けばよかったか。
 さすがにタイルやコンクリの上では左の足裏は痛かった。靴下を履いて風呂に入るわけにはいかない。中でかなりマッサージはしたが、これは効果なし。それでも、自分にはたっぷりと時間をかけて入浴した。

 家に帰り着くと、温泉の効果なのか、普通は翌日になって出てくる身体の痛みが現れた。それは右の太腿。ケガをした左足首とは対向線上にある。かばった歩きが、ヒザではなく太腿に影響を及ぼすとは想像もしなかった。ちなみに、翌日には左太腿が痛くなった。これからしばらくは、太腿用のサポーターもするようにした方がいいだろうか。

(本日の軌跡。敢えて出すのも気恥ずかしい思いもある)

「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」

※今回は写真を大量に入れてしまったが、これは天気が晴れていたからで、どんよりした空模様だったら、おそらく半分も出さなかったろう。

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