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Channel: たそがれオヤジのクタクタ山ある記
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例のスポットで紅葉見物と出かけたが、もう一歩が踏み込めず、ただの小保木沢林道歩きで終わってしまった。

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◎2018年11月3日(土)

 二年前の紅葉が忘れられず、あれをまた見に行って来ようと足尾に出かけた。昨年も同時期に行ってはいるが不発で終わっている。薬師岳と地蔵岳を結ぶ稜線に出るつもりはなく、またその自信もない。予定では、小保木沢林道から1151.7m三角点のある小尾根を登って展望スポット。満足してすぐ北の小尾根を林道に下るという単純な歩きだ。それでも、山に行こうとしているオレを警戒している妻には、「車の通らない林道を歩いて紅葉を見て来るだけだよ」と言ってある。「岩はないのでしょうね」と聞かれたが、どうも、岩がある所はおぞましいのだろう。これは仕方がない。岩場を転落してこのザマになって迷惑をかけたのだから。
 さて、紅葉がきれいなのは両尾根の斜面だ。それぞれ北、南側に面している。早い時間に行ったとしても、陽のあたっていない側の尾根の紅葉が鮮明さを欠くのでは片手落ち。さりとて、両方ともにきれいだろうと思われる西に太陽がある時間帯では帰りが薄暗くなる。妥協して、南に太陽が昇る時間帯を見計らって遅い出発になった。一応は計算ずくだ。
 122号も神子内に入ると、きれいな色づきがキラキラしている。車を止めて写真撮りしたいところだが、手ごろな所に広い路肩はない。細尾峠に向かう旧道に入り、分岐する小保木沢林道の先のスペースに車を置いて歩き出したのは10時半。こんなに遅くなるはずではなかったが、大間々からずっと6台先の八王子ナンバーの車が時速30~40キロの超安全運転で引っ張っていて、後続の車も直線の見通しのよい所になってもお行儀よく追い越しをかけない。八王子が離脱したのは沢入に入ってからで、その後は70~80キロの普通の走りにはなったものの、かなりのタイムロスをした。

(旧道の紅葉)


(小保木沢林道入口)


 駐車地周辺の紅葉は濃く、ピークを迎えているようだ。期待が高まる。小保木沢林道の入口にはチェーンがかかっている。一年前は通行禁止の看板はあったものの、車両の通行は可能だったし、現に林道終点までその手のバイクが入り込んでいた。崩壊が進んでいるのだろうか。

(う~んといった感じ。自分には好みなのだが)


(これでは車どころかバイクも通れない)


(落石も。これは以前からあったか)


 林道に入ると、紅葉はさほどのものではなくなった。赤はきたないし、全体として淡く焼けている。光線の関係かもしれないが、目を引くようなものはない。つまり、淡々と先に歩けるということなのだが、もしかすると、林道歩きだけで終わってしまう可能性もあるので、それを考えるとちょっとわびしくなる。
 早速、林道が寸断されていた。これでは車が通れない。道幅からしても、ここでUターンするとなるとかなり厳しい。だからチェーンをかけたのだろう。ここだけではなく、先の落石、崩壊も一年前よりもひどい状態になっている。強烈な台風が通過してこうなったのか。

(陽のあたっている斜面はきれいだ)


(半月山方面)


(カラマツはもう少しか)


(林道の南側)


 林道から眺める周りの山肌はきれいだ。もう南東にある太陽があたる西側は見ごたえはあるし、半月山から下の山肌は淡い感じはするが色づきは良い。黄色のカラマツはこれからか。緑がまだ残っている。全体としては、猛暑続きのせいなのか、見事な紅葉とまではいかないが。
 男体山は隠れている。20日頃に初冠雪があったようだ。その前年は25日。それでも平年よりも6日早かったらしい。気象に素人な自分にしてみれば、今年の積雪は例年よりも早いのだろうかと気にもなるが、もしかして、あの雲の中は雪というわけではあるまいな。
 西側の紅葉を楽しみながら林道を行く。1108m標高点を右に見る。ここから稜線の1406m標高点に出たことはあるが、今日はそれをやると遠回りになるし、果たして自分の今の足で登れるわけがない。

(近くで見る赤はきれいとはいえない)


(えぐれているが、車はここまでは入れない)


(少し焼けた感じがしないでもない)


(文句を言わずに黙っていれば楽しめる)


(男体山)


(ボンボンになってなくもない)


(突然、林道はこうなった。上から大分落ちてきたのだろう)


(うっすらした道型)


(そして、林道終点の広場)


 林道の状況がどんどん悪くなる。えぐれて細くなっているところもあるし、落石だらけで歩くのにかなり神経をつかう。足をくじきでもしたらかなりまずいことになる。ふと、あれっ、道を間違えたかなと思うようなところに入り込んだ。林道が消えていた。かすかに道型らしきものがあり、ヤブ化している。ちょうど仁田元沢のダム手前の様相になっている。ヤブを避けながらそのまま行くと、その先にぽっかりと林道終点の小広場が見えた。林道が自然に戻りつつあるわけだが、一年でこうも変化するものなのだろうか。これは驚きだ。

(林道終点から)


(ここから三角点に登るつもりでいたが、樹にロープをかければ、根こそぎに倒れかねない)


 広場で三角点への取り付きを眺める。やはり無理か。ロープを使って登ることを想定して10mロープは持参したが、下が以前よりもかなりえぐれていて現実的ではない。まして、今の足の状況では無理。あの小尾根に乗りさえすれば、後はそれほどでもないのだが。

(右の裏手に回る)


(小尾根はすぐそこ。三角点は左。標高差とて15m程度のものだろう)


 取り付きを巻いて先に行ってみる。踏み跡らしきものはあるが、過去の記憶からして間伐放置がひどいはず。ダメ元で結構だ。放置された間伐は下に落ちて行ったのか、さほどのものではなくなっていて、ススキ混じりのヤブにはなっている。
 小尾根の三角点から先の鞍部らしきところが目の前に見えた。ここからあそこなら行けると思ったが、足がすくんでいる。ここまでストック無しで来ていた。ストックを使うかとも考えたが、たいした斜面でもないのがかなりの急斜面に見えている。第一歩が踏み出せない。これじゃダメだ。無理に登れば上がれる。北側の尾根下りにしても、ロープをしきりに使えば何とかなるだろう。だが、気分的に弱腰になっている以上はやめた方がいい。その先で危険を伴うことにもなる。その気持ちを単純明快な言葉で表現すれば「恐い」の一言だ。
 ネックはやはり足首がまだ十分に曲がらないことにある(つまりは和式トイレを使えない)。よほどに腹這いで登ることまで考えたが、簡単にいくはずがない。確かに事故に遭った時には腹這い込みで70mほど上がったが、あの時は必死な状況だったからで、ここでわざわざ同じ状況におとし入れることはバカげた話だ。撤退だな。泣きたくなるほどに悲しい気分になった。
 考えてみれば、尾根に上がりさえすれば後は何とかなるだろうという甘さも、これまで何の苦もなく登っては下った経験してからしてのことであり、現実としてのこういった不具の状態の悪条件はまったく前提にはない。つまりは、これもまた単に夢想に近かったということだ。先日の榛名山のような登山道のある山の、次のステップとして想定したこと自体に無理があった。やはり、登山道の整備された山歩きがしばらくの段階だろう。ここを紅葉のタイミングもあって選んだが、まだまだだったか。
 もはやこれまでと広場に戻っておにぎりを食べて一服する。それはそれでいい。現時点での限界を知ったから、既定の認識にはなった。ここで自己批判のくだを巻いていてもしょうがない。さっさと戻ろう。少しは楽な体勢で戻りたいのでストックを一本持つことにする。

(戻りましょう。行けないものは行けない。後ろ髪を引っ張られる思いはない)


(帰路で1)


(帰路で2)


(帰路で3)


(帰路で4。曇ってからの色が鮮やかになったような気がする)


(帰路で5)


(帰路で6。沢に入ってみる)


(帰路で7。同上)


(帰路で8)


(帰路で9)


(帰路で10)


(帰路で11。改めて)


(帰路で12。ここも落石だらけで歩行が不安定)


(帰路で13。もっと濃かったらなぁ)


(帰路で14。コラボ)


(帰路で15)


(帰路で16。そろそろお開きにしようか)


(帰路で17。終点も近づく)


(そして林道ゲート)


 同じ林道下りなのに、微妙に紅葉の気配が違って感じた。天気は曇り空になっている。今の自分の気分と同じだが、それはともかくとして、紅葉がきれいに感じる。林道周辺は、どうも、晴れではなく曇り空で映える妙齢の半美人紅葉だったようだ。少なくとも、写真に残った紅葉はきれいだし、陽があたっていれば、黒く写るところも出てくるものだが、それがない。これは素人とプロの違いだろうけど。
 帰路の方がむしろ時間がかかったか。沢があれば、ちょっと入り込んでみたりした。だが、そちらの方は期待したほどに紅葉は密ではなかったし、1108m標高点に立っても見晴らしは悪い。単調な林道歩きに少しはアクセントが加わっただけのことだが、ささやかな変化にはなったろう。
 チェーンをまたいで旧道に復帰。12時55分。このまま細尾峠まで行ってみようかと思ったが、細尾峠そのものの紅葉はたかが知れている。そこから先に登らなきゃ意味がない。まして、駐車の際に車を反転させて足尾方面に向けていた。切り返して逆向きにするのも面倒でそのまま下る。

(旧道で1)


(旧道で2)


(旧道で3)


(旧道で4)


(旧道で5。自分にはこれが本日の好みで一番であった)


 旧道沿いには紅葉のスポットがいくつもあった。その都度に車を止めては写真撮りをする。その傍らを宇都宮ナンバーの車が続いて4台ほど下って行った。地元の車で、全員、作業服のようなものを着ている。ハイカーではなさそうだ。都合12人はいたか。
 国道に出て、紅葉ストリートといった感じの中を帰路に就く。左に1136m標高点ピークが見えてくる。去年の11月にそこを通過して歩いたが、今は南からの陽射しを浴びて紅葉がえらくきれいに見える。去年はそれほどでもなかっただけに、何とも残念な気持ちだけが残った。
 大きなレンズで紅葉を背景にした渡良瀬川を撮っているカメラマンもいたが、トンネルを抜けて群馬県に入ると、標高の違いか、徐々に紅葉のほどはトーンダウンしてしまった。これからなのだろう。やはり、もう里山の紅葉ねらいだろうな。今日はちょっと気分的に力み過ぎてしまった。

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