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Channel: たそがれオヤジのクタクタ山ある記
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東北の山で紅葉見物・その2はついでの<八幡平>。山頂付近はオオシラビソだらけで晩秋の風景だったが、皮肉にもアスピーテライン沿いの紅葉は見事だった。

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◎2020年10月8日(木)

八幡平山頂レストハウス(13:30)……源太森(14:06)……稜雲荘(14:26)……展望台(14:31)……八幡平頂上(14:37)……レストハウス(15:00)

 二回目の東北遠征。今度も目的は紅葉見物。行き先は北東北の岩手。三ツ石山と乳頭山。乳頭山は、四年前の10月7日に秋田側から入り、千沼ヶ原の絵葉書のような紅葉風景が忘れられず、今度は岩手側から千沼ヶ原を経由して周回しようというもの。しかし、一日二山はどう考えてもあり得ず、八幡平温泉と網張温泉に宿をとった。
 宿までは520kmもある。行きがけの駄賃にと、無理に栗駒山を入れ込んでみようとしたが、これでは宿に着くのが遅くなってのんびりと温泉にも浸かれない。余計なことは考えず、ゆっくり行こうと6時半に家を出た。だが、途中のPAでラーメンを食べても時間はつぶせず、松尾八幡平インターを出たのは12時半。早過ぎた。滝見でもと考えたが、大方のチョイ滝は見ているし、見たい滝となると、また高速に戻ることになる。八幡平でぶらつくかと、そのまま八幡平に向かった。そういえば、日本百名山をすべて登ったとはいっても、浅間山は例外として、八幡平については、三角点のある山頂には行ったことがないような気がする。スマホで調べると、八幡平自然探索路コースなるものがあり、そのコースが八幡平山頂を通っている。周回タイムは二時間半。チョイ歩きにはちょうどいい。
 アスピーテラインに入ると、車を止めて下の景色を眺めては写真を撮っている人が目立った。運転しながらちらりと見ると、その下は黄金色の斜面になっている。これは帰りにでもじっくり見ることにしよう。ただ、このアスピーテライン、途中にある駐車場や空地のような、安心して車を置けるところから見える景色はさほどに良くなく、きれいな眺めを見下ろすとなると、ガードレールぎりぎりに車を寄せて止めることになる。5台ほど止まっていたところも同様で、対向車が下って来たので、こちらは待機した。こういうところに車を置ける大らかさは自分にはない。ましてカーブも多い道だ。

(出発点。一旦、秋田に入り岩手に戻って歩く)


(石畳の道)


 上の駐車場は二段になっていて上は有料500円。下は無料。気づかずに上に入れてしまった。これは三年前の7月に来た際に気づいていて、今度来た時には下の駐車場にしようと思っていたのだが、それを思い出したのは500円を払った後だった。
 早速、ワークマンに履き替えて出発。探索路の入口は秋田と岩手の県境になっている。このコース、基本は岩手県側を歩き、山頂三角点は岩手県にある。一部、県境を歩くようになっている。時計回りで歩く方が多いようで、自分は反時計回りにしたが、途中の分岐からは、下って来るハイカーと出会うことが多かった。これは心理的なもので、時計回りの方が山頂にすぐに着いてしまうからだろう。
 石畳の道になっていた。がっかりした。やはりこんなものかと。紅葉はたまに赤が目に入る程度。いかんせん、ササが多く、その先はオオシラビソの森になっている。ちょっと期待していたが、植生的にここの紅葉は無理というもの。せいぜい湿地帯の黄金色の色づきを楽しむしかあるまい。三年前に畚岳から嶮岨森まで歩き、駐車場に戻ってから黒谷地湿原の遊歩道を歩いたが、そちらはこの遊歩道のやや東側に位置する。そちらを歩いたのは夏の時季だったが、植生はここと同じだ。案内図板が置かれ、それを見ると、この先のトイレのあるところが見返峠となっている。アスピーテラインを来た限りは、駐車場が見返峠だった。
 右手に畚岳が見える。あちらも紅葉がきれいとは言えないが、むしろ下の斜面の方が色づいている。ガスが降りてきて曇りになりつつある。アスピーテラインを後回しにせず、先に見ておけば良かったかなと後悔する。

(トイレとは思わなかった)


(三角形の畚岳。駐車場が二つ見える。上が500円)


 山小屋風の建物が見えてきた。近づくと八幡沼園地公衆トイレとある。随分、立派なトイレだ。ここからは畚岳がきれいに見える。ここが実際の見返峠というわけか。八幡平という典型的な観光スポットからして、上の湿地を通る歩道が古道だったとは思えない。奥武蔵に顔振峠というのがある。陸奥に逃れる義経が景色の美しさに振り返って見とれたという伝説があるらしいが、ここにもそんな逸話でも残っているのか。飛躍過ぎか。ただ、下には温泉が四方にあるから、それぞれの湯治場を結ぶ道は縦横にあったかもしれない。まぁ、どうでもいい。

(木道になる)


(八幡沼)


(広い湿地帯)


 石畳から木道になった。そして左手に沼が見えてきた。八幡沼のようだ。歩道は八幡沼に近づいてはかすめただけで、一帯は湿原となった。広い湿原はすでに晩秋の風景で、池溏が点在する。草紅葉はとうに過ぎているが、この風景は好みだ。殺風景の中のちょっとしたアクセントになる。

(分岐を右に行けば源太森、黒谷地)


(源太森山頂。下から見ている限りは山というイメージはなかった)


(山頂から1)


(山頂から2)


(八幡沼)


 分岐を源太森、黒谷地方面に行く。かなり楽ちんなコースで、高低の落差もない。それはそれで明日のウォーミングアップとしては良いが、これだけで来ていたら物足りない感じで終わってしまいそうだ。木道から石ゴロ道になり、左の小高いところに登ると、そこが源太森のピークだった。展望盤があるだけの狭い山頂。山名の印象として、オオシラビソに覆われた暗い森の印象からは遠い。周囲の景色は良い。さっきの八幡沼もすっきりと見えているが、岩手山は雲に隠れている。ところで、翌日に現太ヶ岳というピークを通過することになるが、この源太というのは共通する人名なのだろうか。

(木道がずっと続いている)


(ところどころに池溏)


 黒谷地に行っても、景観に変化はなさそうなので、来た道を戻る。標識には「八幡平山頂→」とある。さっきの分岐から今度は八幡沼を周回するように西に向かう。ここでも、八幡沼沿いに歩くのかと思ったら、そうではなかった。長い木道が延々と続いていた。ここにも池溏が点在する。こういう光景は同じようなものでも飽きることがないからありがたい。

(陵雲荘)


(展望台から陵雲荘と八幡沼)


(ガマ沼)

 左に、また山小屋のようなものが見えた。行ってみた。「陵雲荘」とある。無人の山小屋のようだ。八幡平周辺にはこういったこぎれいな山小屋があちこちにある。いつか泊まってみたいと思うが、おそらくはそれはあるまい。天気急変ならともかく、食事付きの山小屋ですら泊まることはないだろう。コロナ感染云々ではなく気力と体力の次元だ。
 少しの登り調子になって展望台。ここから八幡沼は丸見えだ。この先は沼が続く。ガマ沼あたりに来ると、石畳がまた復活する。このあたりから、一人歩きのネエチャンが前を歩くことになる。ネエチャンはカメラしか持っていない。困ったことに同一の歩調だ。追い越せず、等間隔で後ろを歩いて行く。それでも誤解されないように20mほどは離れた。

(八幡平山頂)


(展望台には登ってもこれに注意する人はいまい)


 立派な八幡平頂上の展望台に着いた。階段付きだ。景色はそこそこ。決して素晴らしいと言えるほどのものではない。自分がこだわったのは三角点標石だった。半分以上が地面に埋もれていて、横に「二等」は読めるが、その下の縦書きの「三角点」の「三」の二画目までしか顔を出していない。

(オオシラビソ通り)


 「鏡沼を経て駐車場1.1km」の標識に合わせて下る。相変わらずネエチャンの後ろを歩いている。上半身がスリムなわりには大きなお尻がどうも気になり、つい良からぬことを想像してしまった。オオシラビソの狭い通路になったので、それしか目に入らないのでは仕方もない。これは変化に富んでいる。

(めがね沼。これは手前で、奥にも沼があり、並んでメガネのようだということだろう)


(鏡沼)


(案内板には「不思議な凹地」とあった)


(駐車場が見えてきた。今日の行動はこれで終わり)


 めがね沼と鏡沼を見る。彼女が写真を撮った後に今度は同じスポットで自分が写真を撮る。彼女もようやく気づいたようで、先に行かせてくれた。正直、助かった。想像だけで済んだ。次のステップの妄想に至ったらかなりヤバかった。途中、ササヤブ越しに無理な体勢で沼の写真を撮っているオッサンがいた。その数メートル先にはヤブのないスポットがあった。オッサンに、こっちの方がはっきり見えますよと声をかけると、その場に来て苦笑していた。

(駐車場の展望台から1)


(展望台から2)


(岩手山がチラリと顔を出してすぐに隠れた)


 駐車場に到着。寒暖計があった。6℃を指している。寒いわけだ。ガスもかなり出てきた。一時間半の時間つぶしお散歩だった。二時間半には及ばなかった。
 案の定、アスピーテラインの紅葉はガスのせいで色鮮やかなものではなかった。3時過ぎだし、そんな時間の紅葉に期待するのは無理があるのかも。

(アスピーテラインから見えた八幡平の紅葉)


























 今夜の宿は八幡平温泉のホテル。ここもまた寒河江のホテルと同じで食事なし。それしかなかったのだ。ホテルに電話をすると、館内に居酒屋があって、そこでなら食事はフリーでできるとのこと。居酒屋で夕食というのもなぁとコンビニを探した。そんなのがひなびた温泉街にあるわけがない。ようやく見つけた食料品店で酒を調達。弁当のようなものはなく、おにぎりすらない。カップラーメンで我慢することになりそうだ。
 ホテルでは温泉にゆっくり入り、居酒屋で簡単なつまみで晩酌だけはした。支払いは地域共通クーポンで補充した。部屋に戻って、まただらだらと飲み、カップラーメンを食べて夕食は終わり。この間、NHKのローカル放送を見ていると紅葉情報を流していた。まさかここまで来てとは思ったが、明日予定の三ツ石山は「終わりかけ」。八幡平は「見頃」。どうも東北の山の紅葉ピークは一週間前に集中していたようだ。これでは、三ツ石山とほぼ標高が同じ乳頭山も同じようなものだろう。がっくり。
 また風呂に入って寝た。目覚ましは5時15分にセットした。明朝はここから松川温泉まで行かなきゃいけない。松川温泉に泊まれば都合は良かったが、一人宿泊は空いていなかった。車で30分もかからずに行けるから問題もないが。

(今回の軌跡。出すほどのものでもないが)

「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」

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