◎2015年7月20日(月)
歌ヶ浜駐車場(6:50)……半月峠分岐(7:19)……阿世潟峠分岐(7:36)……大日崎(8:18)……松ヶ崎(8:33)……1514.9m三角点(9:25)……1557m標高点大日尾根合流(9:39)……天気理由に撤退(9:56)……歩道(10:33)……駐車場(11:33)
3連休とはいっても土日ともに用事があり、歩けるのは月曜日だけ。翌日は仕事だ。先週、日曜日に重過ぎの歩きをしてしまい、週の前半はバテバテになっていた。その繰り返しをしたくはない。月曜日は軽い歩きと決めた。無理に歩くこともないのだが、週一回は歩いておきたいし、どこにも出ずに、朝からうだる暑さの中で怠惰な状況になっていたくもなしだ。
すぐに思い浮かんだのは足尾エリアだったが、欲を出せば重い歩きにもなるのでパス。その辺の山とも思いもしたが、北関東の低山では、梅雨明けの歩きも厳しかろう。
結局、自分の住まいからでは、涼を味わうなら日光が無難だろうが、日光も課題が野積みのままであり、軽い歩きなら社山程度しかない。他のところでは明日の仕事も厳しくなる。
今日の日光、梅雨明けといえども天気予報は芳しくはなかった。曇りから8時半頃に一時雨。以降、曇り。3時を過ぎれば雨模様だ。曇り空の合間に歩くとしたら、社山の松ヶ崎コースが無難かもしれない。大日崎から歩いたことはあるが、松ヶ崎からは歩いたことがなかった。野積みの一つでも片づけるか。
(社山が良く見える)
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(男体山も)
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やはり中禅寺湖付近に来ると涼しい。気温は20℃くらいか。雲は多いが青空が出ている。これから暑くなりそうだ。松ヶ崎ルートに対して強い思い入れがあるわけでもなく、曇っていたら、一般ルートで男体山にでも行こうかと迷い始めていただけに、この青空を見て、やはり予定通りに社山にした。日照りの中を歩くのではかなわない。
実は、この時点で歩く気力は大分しぼんでいて、日光道に入ったあたりから、このまま足尾の備前楯で茶を濁そうかと思ったり、いろは坂に入ってしまったら、今度は明智平でぶらぶらハイキングでもするかとまで悩んだりする始末で、特別な理由はないのだが、歩くのが大分面倒くさくなっていた。早いとこ済ませて帰ろうといった、おかしな義務感にさいなまれているといったようなものだろうか。無理に設定したコースでは、自然こうなっても不思議ではない。
天気予報がずれたのか、日光の山々は奥も含めて良く見えている。湖面から伝わる風が涼しい。湖岸の遊歩道に向けて出発。松ヶ崎までは長いだろうなぁ。今のうちはいいが、そのうちに嫌になるような気がする。何かを詮索しながら歩かないことには余計に長くもなる。
まず気になったのがイタリア大使館別荘の標識。「イタリア」で統一されていれば何もひっかかりはしないが、中に「イタリヤ」というのを目にした。これ、どちらかに統一して欲しいものだ。気になってしまう。最初の詮索はこれで終わり。結論も出ないし、後も続かない。
(半月山荘があったところにはこんなのが)
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民宿半月山荘に近づく。この民宿、取り壊されたという話は聞いていたが、新しい別荘のような倉庫のような、頑丈そうな家屋が建っていた。セキュリティも入っているようで、これは個人の別荘だろうか。民宿そのものにしても個人の所有であり、その延長ということだろう。ゲートを越える。
前をハイカーが歩いている。同じ歩程だ。これがしばらく続く。こういうのは嫌だなと思ったが、先方も、背後からヒタヒタと迫る足音を聞きながら同じことを考えたのか、湖畔に下りて、無理に撮影タイムを設けてくれた。助かった。荷物の大きさからして湖畔一周ではあるまい。社山だろう。
荷物といえば、今日は珍しく水を2リットルも持った。いつもなら1リットルで済ます。それでも、先日の押溜沢では、途中で水を補給したとはいっても500ccも飲まず、その前の赤倉山でも3口程しか飲まなかった。今日は、一応は熱中症対策のつもりでいる(結果は今日も2口で終わってしまった)。
さて、往路でこのハイカー以外に出会ったのは犬の散歩と釣り人、カメラマン。駐車場の車の数の割りにはハイカーの姿が少ない。
(半月峠分岐)
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(雲が広がった感じがする)
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半月峠分岐にさしかかる。詮索ネタも切れていたが、格好のネタがあった。これも標識がらみだ。「半月峠→」が背中合わせに設置されている。歌ヶ浜方面から来ると目にする板には「1.7km」とあり、反対側は「1.6km」となっている。細かいことだが、ローマ字で書き添えがあり、片方は「TOUGE」で一方は「TOGE」。1.7km側にはコケが付いているので、最近になって距離が短くなったのか、コースが変わったのだろう。
遊歩道に沢が流れ込み、板一枚の渡しがあった。ここでカメラマンと交差する。次第に暑くなってきて、身体が汗ばんできた。たいした沢ではないだろうが、こうなると、山に登るのはやめにして、小沢を辿って行きたくなってしまう。こういうところが2か所ほどあった。
(阿世潟峠への分岐)
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(すぐ先に下った尾根の末端が見えている)
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続いて阿世潟峠分岐。ここでまたミスをする。過去にもやっている。ここは湖畔の方に向かえばいいのだが、踏み跡を直進してしまった。すぐに気づいたからよかったが、以前は作業道のようなところに入り込んでしまった。ここに犬の散歩の方がいた。犬は狩猟犬のようで、つい、それを避けようとしたためによく見ないで歩いてしまった次第だ。
遊歩道は次第に細くなる。やがて、歩き出しから一時間を経過したので、朝飯代わりにパンを口に入れてちょっと休む。早々のタバコ一本にむせてしまった。
(上野島)
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(大日崎)
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右手に上野島が見えてくる。あれが人工島であるらしいことは最近知ったが、勝道上人の分骨が納まっている島とは、この案内板を見て知った。上野島は「こうずけしま」と呼ぶらしい。群馬の上野だとしたら、下野ではないのは何故だろうか。
大日崎に着いた。すでに、全身びっしょりになっている。8時半の雨予報は望むべくもない。この先の、松ヶ崎から尾根登りになることを考えるだけでぞっとする。まっとうに歩く気力は次第に失せてきている。暑さのせいだろうか。週一歩きはここまで果たしたのだから、もういいんじゃないのか。
標識によると千手ヶ浜まで7.2kmとあり、歌ヶ浜からここまで5.6km歩いている。となると、松ヶ崎は中間点といったところか。このまま千手ヶ浜に出て、遊覧船に乗って帰るというのも一つの手だなと思ったが、こうやる気のない歩きになるとも思っていなかったので、船の時刻は調べてきてもいない。
(遊歩道にシャクナゲが出てくる)
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シャクナゲ通りになり、「竜頭の滝」の標識があった。何でこんなところにと思ったが、つまりは、ここから対岸の滝が見えるというわけだ。樹間越しに覗いてみたが、滝らしい筋は見えなかった。
途中、パイプから伏流の水が出ていた。飲んでみたらおいしかった。今日、最初の一杯だ。
(松ヶ崎)
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ようやく松ヶ崎に到着した。途中で休んだとはいえ1時間40分かかった。もう汗がダラダラだ。一向に天気が崩れる気配はない。しばらく休む。登るしかないか…。さっきの休憩で残した菓子パンを食べた。
出だしは大日崎に似たところがある。岩がゴロゴロしている。良く歩かれているルートらしく、踏み跡のようなものが上に向かっている。最近、登った方もいるようだ。古いテープも残っている。やや急ではあるが、第一ステージ、第二ステージ、…と続いているようで、取りあえずは第一ステージの上に空が覗いている。すぐに汗が噴き出した。
(第二ステージ。上から)
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(第三ステージへの登りだったかなぁ)
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(途中から中禅寺湖)
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(倒木もかなりあるが、さほどのじゃまにはならない)
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(落雷で焦げたのだろうか)
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急登が終わると平らになった。岩も消えた。倒木、腐った樹も目に付くが至って歩きやすい尾根だ。
シャクナゲが出てくる。やはり避けられないか。だが、あっさりと回避できるし、突っ込んでもたいしたことはない。このシャクナゲ、花はまったく付いていない。花が落ちているわけでもないし、蕾も見られない。果たしてそういう種類のシャクナゲなのだろうか。
(シャクナゲが密になる。迂回路あり)
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シャクナゲが尾根に覆いかぶさるようになった。こりゃきついわと思ったが、周囲をよく見ると、左から大きく巻いている跡があった。これなら問題なしかとそれを辿る。
(1514.9m三角点)
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シャクナゲエリアを避けて尾根に復帰。そろそろ1514.9m三角点だ。尾根が広くなったところで左を見ると、白い杭が見える。行ってみると、石柱ではなく、金属板の三角点があった。この三角点、この尾根を登るにあたって、先達諸氏の記事を拝見したが、見つけられなかったとか、杭だけといったものが多く、最近の新調で、一時的に失せたりしていたのかもしれない。こうして見られただけでも満足だ。
後は大日尾根が合流する1557m標高点まで行き、天気が崩れるのを期待しようか。期待した理由は他でもない。男体山の頭が隠れ、風が出てきたからである。さらに空の青い部分もかなり少なくなり、グレー系の雲も出てきていた。上まで行ってのポツリではかなわない。無理に社山まで行かざるを得なくなる。
(1557m標高点付近)
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樹林から抜けると明るい、気持ちのよい尾根になった。1557m標高点。倒木が横たわり、古い赤テープが巻かれていた。大日崎に下る尾根が見えている。休憩。
(社山が見えてくる)
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(この先で引き返す)
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時間稼ぎで休憩はしたものの、一気に天気が崩れる様子はないが、風は強くなった。社山も見えたままなので、取りあえずその先に向かう。
下って登り返し。男体山の隠れた部分は広がり、気づくと、社山も頭が隠れ始め、正面の1633mまで雲が延びてきた。そこにポツリポツリと雨。こうなったら下るしかないでしょう。内心、ちょっと遅いんじゃないのと言いたい気分でもあった。本気で残念とか、そのうちに晴れるよといった気持ちが起きてこないのが不思議だ。昨日だったらガツガツして、雨の中を歩く意気込みだったかもしれない。それほどまでに休息日の一日の存在は、今の自分には大きい。
1557mまで引き返す。ポツリは終わった。何だこれはと思ったが、社山の上は消えてしまっていた。これを良しとする。
(下る)
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(社山の頭にガスがかかる)
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(歩きやすい尾根だった)
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(阿世潟の歩道が見えてきた)
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ここからはどこを下るか地図で検討するが、取りあえずここの東にある1540mに行く。大日崎ルートは歩いたこともあるのでパス。上野島がいいかと思ったが、結局、阿世潟に下る尾根筋が尾根型も明瞭で、歩きやすそうなのでこれを下ることになった。これがいわゆる大日尾根のショートカットルートというやつではないだろうか。阿世潟に着いて振り返ると、この尾根の末端が突き出ていた。
休んで歌ヶ浜に戻る。探索する観光客の姿が目立つようになった。陽が出てきて暑い。今日は山部分よりも歩道歩きの方が長い。身体が強烈に臭くなっている。対向者が来れば、ばれないようにかなり脇に寄る。
(男体山が隠れつつある)
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(こちら社山。見えない)
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遊覧船が見えた。歌ヶ浜に向かっている。松ヶ崎から千手ヶ浜にそのまま行っていたら、あの遊覧船に乗れたかなと思ったが、帰ってから調べると、千手ヶ浜と歌ヶ浜を直通で結ぶ定期船はなく、あれは周遊の船のようだ。この日は海の日ということで、子供料金は無料だったとか。海の日=子供の日というわけでもないと思うのだが。
(こちらは依然としてはっきりと見えている)
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歌ヶ浜の駐車場に到着。すでに社山は消え、男体山は上が見えない。それでいて、白根山や錫ヶ岳がはっきりと見えているのが不思議だ。ジリジリと暑い。駐車場は満車だ。3連休の最後を涼しくということだろう。
考えてみれば、今日の歩きは週一で歩かなきゃといったところから出た発想で、どこを歩いても良かったわけで、結果として涼しさを求めての社山ということだったのだが、松ヶ崎から登っただけでも満足だし、後で歩数計を見る限りは前週の押溜沢よりも歩数がオーバーしていた。
来る時は高速を使ったが、帰路は足尾経由。日足トンネルの入口に「群馬県側は大雨」と掲示が出ていた。期待はしたが、雨は足尾だけで、大雨というほどでもなかった。黒沢入口には車が3台あった。足尾を過ぎると雨も上がり、えらい暑さが待っていた。梅雨が明け、北関東はこれからしばらくは地獄の暑さが続くかと思うとうんざりする。
(本日の軌跡)
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「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」
歌ヶ浜駐車場(6:50)……半月峠分岐(7:19)……阿世潟峠分岐(7:36)……大日崎(8:18)……松ヶ崎(8:33)……1514.9m三角点(9:25)……1557m標高点大日尾根合流(9:39)……天気理由に撤退(9:56)……歩道(10:33)……駐車場(11:33)
3連休とはいっても土日ともに用事があり、歩けるのは月曜日だけ。翌日は仕事だ。先週、日曜日に重過ぎの歩きをしてしまい、週の前半はバテバテになっていた。その繰り返しをしたくはない。月曜日は軽い歩きと決めた。無理に歩くこともないのだが、週一回は歩いておきたいし、どこにも出ずに、朝からうだる暑さの中で怠惰な状況になっていたくもなしだ。
すぐに思い浮かんだのは足尾エリアだったが、欲を出せば重い歩きにもなるのでパス。その辺の山とも思いもしたが、北関東の低山では、梅雨明けの歩きも厳しかろう。
結局、自分の住まいからでは、涼を味わうなら日光が無難だろうが、日光も課題が野積みのままであり、軽い歩きなら社山程度しかない。他のところでは明日の仕事も厳しくなる。
今日の日光、梅雨明けといえども天気予報は芳しくはなかった。曇りから8時半頃に一時雨。以降、曇り。3時を過ぎれば雨模様だ。曇り空の合間に歩くとしたら、社山の松ヶ崎コースが無難かもしれない。大日崎から歩いたことはあるが、松ヶ崎からは歩いたことがなかった。野積みの一つでも片づけるか。
(社山が良く見える)

(男体山も)

やはり中禅寺湖付近に来ると涼しい。気温は20℃くらいか。雲は多いが青空が出ている。これから暑くなりそうだ。松ヶ崎ルートに対して強い思い入れがあるわけでもなく、曇っていたら、一般ルートで男体山にでも行こうかと迷い始めていただけに、この青空を見て、やはり予定通りに社山にした。日照りの中を歩くのではかなわない。
実は、この時点で歩く気力は大分しぼんでいて、日光道に入ったあたりから、このまま足尾の備前楯で茶を濁そうかと思ったり、いろは坂に入ってしまったら、今度は明智平でぶらぶらハイキングでもするかとまで悩んだりする始末で、特別な理由はないのだが、歩くのが大分面倒くさくなっていた。早いとこ済ませて帰ろうといった、おかしな義務感にさいなまれているといったようなものだろうか。無理に設定したコースでは、自然こうなっても不思議ではない。
天気予報がずれたのか、日光の山々は奥も含めて良く見えている。湖面から伝わる風が涼しい。湖岸の遊歩道に向けて出発。松ヶ崎までは長いだろうなぁ。今のうちはいいが、そのうちに嫌になるような気がする。何かを詮索しながら歩かないことには余計に長くもなる。
まず気になったのがイタリア大使館別荘の標識。「イタリア」で統一されていれば何もひっかかりはしないが、中に「イタリヤ」というのを目にした。これ、どちらかに統一して欲しいものだ。気になってしまう。最初の詮索はこれで終わり。結論も出ないし、後も続かない。
(半月山荘があったところにはこんなのが)

民宿半月山荘に近づく。この民宿、取り壊されたという話は聞いていたが、新しい別荘のような倉庫のような、頑丈そうな家屋が建っていた。セキュリティも入っているようで、これは個人の別荘だろうか。民宿そのものにしても個人の所有であり、その延長ということだろう。ゲートを越える。
前をハイカーが歩いている。同じ歩程だ。これがしばらく続く。こういうのは嫌だなと思ったが、先方も、背後からヒタヒタと迫る足音を聞きながら同じことを考えたのか、湖畔に下りて、無理に撮影タイムを設けてくれた。助かった。荷物の大きさからして湖畔一周ではあるまい。社山だろう。
荷物といえば、今日は珍しく水を2リットルも持った。いつもなら1リットルで済ます。それでも、先日の押溜沢では、途中で水を補給したとはいっても500ccも飲まず、その前の赤倉山でも3口程しか飲まなかった。今日は、一応は熱中症対策のつもりでいる(結果は今日も2口で終わってしまった)。
さて、往路でこのハイカー以外に出会ったのは犬の散歩と釣り人、カメラマン。駐車場の車の数の割りにはハイカーの姿が少ない。
(半月峠分岐)

(雲が広がった感じがする)

半月峠分岐にさしかかる。詮索ネタも切れていたが、格好のネタがあった。これも標識がらみだ。「半月峠→」が背中合わせに設置されている。歌ヶ浜方面から来ると目にする板には「1.7km」とあり、反対側は「1.6km」となっている。細かいことだが、ローマ字で書き添えがあり、片方は「TOUGE」で一方は「TOGE」。1.7km側にはコケが付いているので、最近になって距離が短くなったのか、コースが変わったのだろう。
遊歩道に沢が流れ込み、板一枚の渡しがあった。ここでカメラマンと交差する。次第に暑くなってきて、身体が汗ばんできた。たいした沢ではないだろうが、こうなると、山に登るのはやめにして、小沢を辿って行きたくなってしまう。こういうところが2か所ほどあった。
(阿世潟峠への分岐)

(すぐ先に下った尾根の末端が見えている)

続いて阿世潟峠分岐。ここでまたミスをする。過去にもやっている。ここは湖畔の方に向かえばいいのだが、踏み跡を直進してしまった。すぐに気づいたからよかったが、以前は作業道のようなところに入り込んでしまった。ここに犬の散歩の方がいた。犬は狩猟犬のようで、つい、それを避けようとしたためによく見ないで歩いてしまった次第だ。
遊歩道は次第に細くなる。やがて、歩き出しから一時間を経過したので、朝飯代わりにパンを口に入れてちょっと休む。早々のタバコ一本にむせてしまった。
(上野島)

(大日崎)

右手に上野島が見えてくる。あれが人工島であるらしいことは最近知ったが、勝道上人の分骨が納まっている島とは、この案内板を見て知った。上野島は「こうずけしま」と呼ぶらしい。群馬の上野だとしたら、下野ではないのは何故だろうか。
大日崎に着いた。すでに、全身びっしょりになっている。8時半の雨予報は望むべくもない。この先の、松ヶ崎から尾根登りになることを考えるだけでぞっとする。まっとうに歩く気力は次第に失せてきている。暑さのせいだろうか。週一歩きはここまで果たしたのだから、もういいんじゃないのか。
標識によると千手ヶ浜まで7.2kmとあり、歌ヶ浜からここまで5.6km歩いている。となると、松ヶ崎は中間点といったところか。このまま千手ヶ浜に出て、遊覧船に乗って帰るというのも一つの手だなと思ったが、こうやる気のない歩きになるとも思っていなかったので、船の時刻は調べてきてもいない。
(遊歩道にシャクナゲが出てくる)

シャクナゲ通りになり、「竜頭の滝」の標識があった。何でこんなところにと思ったが、つまりは、ここから対岸の滝が見えるというわけだ。樹間越しに覗いてみたが、滝らしい筋は見えなかった。
途中、パイプから伏流の水が出ていた。飲んでみたらおいしかった。今日、最初の一杯だ。
(松ヶ崎)

ようやく松ヶ崎に到着した。途中で休んだとはいえ1時間40分かかった。もう汗がダラダラだ。一向に天気が崩れる気配はない。しばらく休む。登るしかないか…。さっきの休憩で残した菓子パンを食べた。
出だしは大日崎に似たところがある。岩がゴロゴロしている。良く歩かれているルートらしく、踏み跡のようなものが上に向かっている。最近、登った方もいるようだ。古いテープも残っている。やや急ではあるが、第一ステージ、第二ステージ、…と続いているようで、取りあえずは第一ステージの上に空が覗いている。すぐに汗が噴き出した。
(第二ステージ。上から)

(第三ステージへの登りだったかなぁ)

(途中から中禅寺湖)

(倒木もかなりあるが、さほどのじゃまにはならない)

(落雷で焦げたのだろうか)

急登が終わると平らになった。岩も消えた。倒木、腐った樹も目に付くが至って歩きやすい尾根だ。
シャクナゲが出てくる。やはり避けられないか。だが、あっさりと回避できるし、突っ込んでもたいしたことはない。このシャクナゲ、花はまったく付いていない。花が落ちているわけでもないし、蕾も見られない。果たしてそういう種類のシャクナゲなのだろうか。
(シャクナゲが密になる。迂回路あり)

シャクナゲが尾根に覆いかぶさるようになった。こりゃきついわと思ったが、周囲をよく見ると、左から大きく巻いている跡があった。これなら問題なしかとそれを辿る。
(1514.9m三角点)

シャクナゲエリアを避けて尾根に復帰。そろそろ1514.9m三角点だ。尾根が広くなったところで左を見ると、白い杭が見える。行ってみると、石柱ではなく、金属板の三角点があった。この三角点、この尾根を登るにあたって、先達諸氏の記事を拝見したが、見つけられなかったとか、杭だけといったものが多く、最近の新調で、一時的に失せたりしていたのかもしれない。こうして見られただけでも満足だ。
後は大日尾根が合流する1557m標高点まで行き、天気が崩れるのを期待しようか。期待した理由は他でもない。男体山の頭が隠れ、風が出てきたからである。さらに空の青い部分もかなり少なくなり、グレー系の雲も出てきていた。上まで行ってのポツリではかなわない。無理に社山まで行かざるを得なくなる。
(1557m標高点付近)

樹林から抜けると明るい、気持ちのよい尾根になった。1557m標高点。倒木が横たわり、古い赤テープが巻かれていた。大日崎に下る尾根が見えている。休憩。
(社山が見えてくる)

(この先で引き返す)

時間稼ぎで休憩はしたものの、一気に天気が崩れる様子はないが、風は強くなった。社山も見えたままなので、取りあえずその先に向かう。
下って登り返し。男体山の隠れた部分は広がり、気づくと、社山も頭が隠れ始め、正面の1633mまで雲が延びてきた。そこにポツリポツリと雨。こうなったら下るしかないでしょう。内心、ちょっと遅いんじゃないのと言いたい気分でもあった。本気で残念とか、そのうちに晴れるよといった気持ちが起きてこないのが不思議だ。昨日だったらガツガツして、雨の中を歩く意気込みだったかもしれない。それほどまでに休息日の一日の存在は、今の自分には大きい。
1557mまで引き返す。ポツリは終わった。何だこれはと思ったが、社山の上は消えてしまっていた。これを良しとする。
(下る)

(社山の頭にガスがかかる)

(歩きやすい尾根だった)

(阿世潟の歩道が見えてきた)

ここからはどこを下るか地図で検討するが、取りあえずここの東にある1540mに行く。大日崎ルートは歩いたこともあるのでパス。上野島がいいかと思ったが、結局、阿世潟に下る尾根筋が尾根型も明瞭で、歩きやすそうなのでこれを下ることになった。これがいわゆる大日尾根のショートカットルートというやつではないだろうか。阿世潟に着いて振り返ると、この尾根の末端が突き出ていた。
休んで歌ヶ浜に戻る。探索する観光客の姿が目立つようになった。陽が出てきて暑い。今日は山部分よりも歩道歩きの方が長い。身体が強烈に臭くなっている。対向者が来れば、ばれないようにかなり脇に寄る。
(男体山が隠れつつある)

(こちら社山。見えない)

遊覧船が見えた。歌ヶ浜に向かっている。松ヶ崎から千手ヶ浜にそのまま行っていたら、あの遊覧船に乗れたかなと思ったが、帰ってから調べると、千手ヶ浜と歌ヶ浜を直通で結ぶ定期船はなく、あれは周遊の船のようだ。この日は海の日ということで、子供料金は無料だったとか。海の日=子供の日というわけでもないと思うのだが。
(こちらは依然としてはっきりと見えている)

歌ヶ浜の駐車場に到着。すでに社山は消え、男体山は上が見えない。それでいて、白根山や錫ヶ岳がはっきりと見えているのが不思議だ。ジリジリと暑い。駐車場は満車だ。3連休の最後を涼しくということだろう。
考えてみれば、今日の歩きは週一で歩かなきゃといったところから出た発想で、どこを歩いても良かったわけで、結果として涼しさを求めての社山ということだったのだが、松ヶ崎から登っただけでも満足だし、後で歩数計を見る限りは前週の押溜沢よりも歩数がオーバーしていた。
来る時は高速を使ったが、帰路は足尾経由。日足トンネルの入口に「群馬県側は大雨」と掲示が出ていた。期待はしたが、雨は足尾だけで、大雨というほどでもなかった。黒沢入口には車が3台あった。足尾を過ぎると雨も上がり、えらい暑さが待っていた。梅雨が明け、北関東はこれからしばらくは地獄の暑さが続くかと思うとうんざりする。
(本日の軌跡)

「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」