◎2017年5月2日(火)
林道空きスペース駐車地(7:30)……1082m三角点……1164m標高点……1209m標高点……1260m小ピークから南西に下る……塔ノ沢登山道に出る……塔ノ沢登山口(11:30)……般若の滝……不動の滝……駐車地(12:40)
ふみふみぃさんのレポによると、アカヤシオは4月30日時点で標高1100m付近が見頃らしい。それから2日経過はしているが、1200mまで達しているかは微妙なところだ。渡良瀬川右岸側なら進度はどこも同じくらいだろうと想定する。沢入の西側にある尾根はどんなものだろうか。地図を広げて気になったのは、1082m三角点を経由して県境尾根に至る尾根だ。ここは部分的に2度ほど歩いたことがある。雰囲気の良い尾根だった。そこを歩いてみようか。今回は山名板も何もない、アカヤシオを求めての歩きとなる。ただ、ツツジの咲く尾根なのかどうかはわからない。広葉樹の尾根だったから、咲くとは思うのだが。
以前から大澤寺の裏手から登ってみたいと思っているが、駐車の都合がどうにも悪い。寺の駐車場に置ければいいが、檀家や地元住民でもないのでは置くわけにもいくまい。小中西山線に入ってすぐの所に車を置こうとしたが、どうも落ち着かない雰囲気だ。適当な駐車地を探しながら走っていると、いつの間にか付かれた後続の車にあおられ気味になった。仕方なく、先に行き、路肩に車を止めて後続車をかわして地図を見る。この先からでも行けそうだ。1082m三角点に南から直登するルートだ。今日はこれにするか。
取り付きの真下にある広い路肩に駐車して準備をしている間に車が2台上がって行った。すごい頻度だ。折場登山口にでも向かうのだろうか。アカヤシオ目当てなら誤算だろう。塔ノ沢かなと思ったりもしたが、帰路に登山口で見かけた車ではなかった。人様のことはどうでもいいけど気にはなる。
(取り付きの尾根)
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(ブル道が交差)
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(緩やかな尾根)
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すぐに取り付く。植林尾根でないことがありがたい。幸先が良い。と思ったのはそこまでで、目先の小ピークを越えると、右下からブル道がのし上がって来ていた。まったくの興ざめ。尾根の一部を削っている。見れば、尾根に沿っているようなのでこれを行きかけたが、やはりためらいもあって、尾根に戻った。これは最近出来た感じの作業道だ。
(赤いのが出てくる)
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(鉄塔到着)
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シカ角が落ちていた。持って帰ろうかなと思ったが、それで何するわけでもない。しばらく持って歩いていたが、結局、樹の下に立てかけた。そのうちに右手の作業道は遠ざかった。ほっとするとヤマツツジが出てくる。標高710m。これはこれできれいだが、今日の探索はアカヤシオだしな。まだツボミの株もある。
去ったはずの作業道が戻って来て鉄塔に着いた。周辺はカヤトの景色になっている。先に行くとまたヤマツツジが出てくるもすぐに終わる。もう色物はなくなり、ピンクの煤けた花びらがあちこちに落ちているだけ。
作業道は再び離れていった。もう出会うことはあるまい。地道に尾根を登る。方向が北から北東に変わったあたりで右手に草木湖が見えてくる。
(また赤)
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(紫)
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(ピンクは残り物といった感じ)
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短い植林帯を抜けると紫の花が出てきた。860m付近。これはミツバツツジと思われる。オシベの数が多いから、トウゴクミツバツツジというやつか。アカヤシオも数株。樹に花びらをチラチラと残し、大方は下に落ちている。いよいよこの上かなと期待がある。すぐにでも出てきて欲しい。いずれにしてもツツジの咲く尾根のようでほっとする。
(植林の急登)
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植林帯に復帰すると長い急坂になった。これはきつい。ここは、大方はそうであろうが、広葉樹を倒して植林にしているところで、切り株はすべてが広葉樹で、雑木もかなり混じった植林帯だ。地形は変化があって、左側に大きな岩盤がむき出しになっていたりする。植林でなかったら怖い。横倒しの巨木も目に入る。
間伐帯を抜けると元の雑木の世界に戻り、同時に巨岩帯に入った。大きな丸みを帯びた岩が点在している。大澤寺から登ると、この辺で合流するはず。
(ようやく出てきた)
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(これを期待したい)
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(草木湖がチラリ)
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970mでアカヤシオが本格的に咲き出した。本格的とはいっても、お祭りコースというには寂しいもので、そこそこに見られるといったレベルで、田沢奥山あたりに比べるまでもない。だが、こんな滅多にハイカーも入らないような尾根でアカヤシオを一人で愛でられるのも気分が良いものだ。
(大岩の巻き。結局、下まで降りた)
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(大岩を振り返って)
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巨岩とアカヤシオを眺めながら先に行くと、何やら先が落ち込んでいる気配の岩場に出た。脇から見ると、行けなくもなさそうだが巻いた方が無難だろう。すぐに巻きの準備に入ると、その先が崩れ加減になっていて、さらに戻ってその下を巻いた。巻きの高低差は20mほどだろうか。尾根に復帰して振り返ると、やはりそのまま行けたようだ。しかし、アカヤシオを見に来て岩場で転落というのも様にならない話だ。
(こんなところに出た。色はないけどいい感じ)
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(眺めの良いところだ)
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なぜかアカヤシオが消えた。下草はシカに食べ尽くされたのか、原っぱ状になっている。ここも防火線だったところのようで、樹が整然と続きカーブしながら向こうの尾根に続いている。展望の良いところだ。ただ、名のある山が見えていないのは残念で、大萱山あたりは見えているとは思うのだが、位置関係が釈然としない。
(巨岩が目立つようになり)
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(頭上に再び)
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(瀑泉さん風に三角点にタッチ)
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本尾根に合流。ここもまたしばらくは巨岩見物のみになった。いい雰囲気ではあるが、古い錆びついた空き缶が捨てられているのが残念だ。ようやく頭上にアカヤシオが出てきてほっとしながら1082m三角点に到着。ここで休憩。
以前、楡沢右岸尾根を歩いた際にこの尾根に合流したが、合流点はこの先の1120mあたりで、この三角点を見てはいない。R.Kさんの標識もない。この三角点は基準点名「春場見」の三等三角点となっている。
(ニョッキリ型)
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(本日のメイン会場に入る)
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(これはいい)
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(ダラダラと)
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(続く)
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実はここからが村祭りのメイン会場といったところで、小規模ではあるが、尾根上を右往左往してはアカヤシオを楽しんだ。咲き誇りの短いストリートがあったりもする。気分的には「オッ、オッ!」になっている。欲望はきりもないが、自分にはこの程度で十分に楽しめる。今日は暑いくらいの陽気で、空の青さも抜けている。何とも心地よい。
(お祭り会場の外れになりつつある)
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(二子山)
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(大石が点在)
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(寂しくはなったが盛りもある)
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(1164m付近)
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1130m付近で男体山が見えてくる。そろそろ疎らな咲き具合になりつつある。これからといったところだ。やはり、同じ尾根とはいっても、微妙に標高に左右されているようで、ちょっと下るとまた復活したりする。1164m標高点では消えた。下りかけるとまた出てくる。えらく繊細な花のようだ。
前方に二子山が近づいてくる。今日は目的から外れるのでわざわざ行きはしない。また改めてということで。二子山をバックにアカヤシオを撮りたいが、どうも咲きが良くない。
(花が小さくなった)
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(巨岩帯は続いている)
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(1170m付近)
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(赤城山)
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(改めて草木湖)
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(1180mへ)
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(1180mの大岩)
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(富士山)
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1170m、1180m小ピークではツボミになってしまった。後2、3日後だろう。1180mで休憩。今日は富士山も見えている。赤城山の雪ももう細い筋状になっている。登山道がぬかるみになる頃ではないのか。
(1209mへ)
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この先、アカヤシオを期待するのは無理があるかもしれない。下山路をそろそろ考えている。塔の沢登山口からここまでスズタケの間をぬって上がったことがある。そこを下ってもいいが、念のため1209mの先まで行ってみようか。
これは後日談だが、帰ってから、その時の記事を改めて見ると、この1180m小ピークには大きな尖がりの岩があった。それを目印にしてスズタケヤブの中を登ったものだが、今回はその尖った岩を見ていない。何枚か撮った周辺写真にも写っていない。あの特徴的な岩だ。すぐに目につくはずなのだが、どこに行ってしまったのだろう。単に気づかずに見逃していただけのことだろうか。この時点ではまったく気づいていない。
(そろそろ終わりの気配)
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(おむすび型を見て)
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(1209m標高点)
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(これを最後に)
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(消えてしまった。この先はいずれの楽しみにしよう)
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1209mまでの間に咲き誇り1株とツボミの株を見かける。1230mで再び出てきたが数は少なく、花も小さい。むしろ、この辺は下斜面が見頃になっている。1250mになると、もう完全に消えてしまった。そろそろ潮時だろう。さらに上に行って無い物ねだりをするよりも、下りながら見る方が賢明だ。1260mから南西に登山道に向かって下ることにする。
(下る)
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(こちらも普通に楽しめた)
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(カエル岩というかモッケ岩といったところか)
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不明瞭な尾根だったが、コンパスを信じて下ると明瞭な尾根になった。切れかかった所に出ても、脇を見ると、尾根は静かに別方向に続いている。やはり、こちらも1200mラインのようで、下るに連れて出てくるが、これまで登って来た尾根に比べると、かなり数は少なく、1050mで終わってしまった。
(塔ノ沢)
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アカヤシオはもう見ることはあるまい。懸念がなくなると、この尾根が一体、どこに出るのかが気になってきた。まして急斜面になりつつある。沢音が近づき、塔ノ沢が真下に見えてきた。この時は、登山道は沢の右岸側にあるものと錯覚している。
(登山道に出る)
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(橋を渡る)
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沢を濡れずに渡れそうなところを目指す。足元が悪くなってきた。左に植林が見え、そちらに逃げた。作業道のようなしっかりした道に出た。これならいずれ、橋のようなものがあって、右岸側に渡れるだろう。だが、しばらく歩いて、これが登山道であることに気づいた。
もう緑がきれいになっている。これからは新緑の時期か。2年前に来た際、林道に渡る木橋は腐れかかっていたが、すでに新調されていて、不安なく渡れる。
(塔ノ沢登山口)
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(般若の滝の看板)
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(般若の滝)
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登山口には車が1台。先の駐車場には2台。沢入駅までは5kmとある。とすれば、駐車地までは3kmほどの歩きか。
林道を300mほど下ると「般若の滝入口」の看板があった。この林道をまず歩くことはないので、この看板にはこれまで気づかなかった。入ってみる。かなり荒れている。見に行く人も稀だろう。手こずりながら滝の前に出た。岩の割れ目から筋状の滝が流れている。これが般若の滝のようだ。帰ってから調べると落差10mとあった。名瀑というほどの滝ではないが、今年初の滝見となる。
(鳥居と墓?)
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(石碑だった)
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そういえば、不動の滝というのもあったな。どの辺にあるか不明だが、いずれ看板が出てくるだろう。林道をさらに下って行くと、左下の沢に滝のようなものが見えた。あれが不動の滝だろうか。それにしても看板がないと行きようもないなと思っていると、林道沿い左手に鳥居と墓のようなものが見えた。おかしな組み合わせだなと思いながら近づくと、墓ではなく石碑だった。「大山祇之命」とある。明治二十五年だ。
そのまま林道を下る。そして小中西山線に出た。滝の看板を見ることはなかった。残念だなと思いながら下ると、左に何の施設かは知らないが、家屋があって、車が2台止まっている。右手にはトイレ。ここに看板があった。「塔ノ沢不動滝遊歩道」とあり、これを行くと不動の滝を見られるらしい。
(階段を登って行く)
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(お地蔵さん?何となく行くのが怖い)
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家屋の裏手から踏み跡を辿ると、杉の葉の堆積が深く、えらく歩きづらい。ガードのチェーンが出てきたりするが、ここを歩く人はあまりいないようだ。沢に出ると、滝は枝葉に隠れてよく見えない。戻って階段を上に行くと、右手にお地蔵さんが見えた。不気味な感じがしたので、近づかずにそのまま登ると、さっきの大山祇之命が置かれた林道に出てしまった。何だそういうことだったのか。余計な歩きをしてしまった。
(不動の滝上段)
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(下段)
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(お不動さんだった)
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さっきの地蔵さん辺りが怪しいなと近づくと、これは不動明王像だった。明和五年とあるから古い。ここからもろい斜面を下って、不動の滝を見た。2段15mとのことだから。段の間から眺めたことになる。上と下を覗いただけで終わってしまった。全容は撮れず。
(山桜を見て)
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(駐車地に)
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林道に戻ってぶらぶらと下る。塔ノ沢登山口にあった車が下って来て路肩に止め、沢の方に歩いて行った。ハイカーではなく釣りだったようだ。
林道やら作業道が左右からいくつも入り込む。そして、東電巡視路の踏み跡もある。地図にはイボ沢線と塔ノ沢線しか出ていない。林道沿いでマニアックな歩きをしようとすればややこしいことになりそうだ。
駐車地に到着。5時間ちょいの歩きだった。夕方から用事もあったし、時間的にはちょうど良かった。アカヤシオの盛りも見たし、滝見もできて満足だった。
(本日の軌跡)
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「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」
林道空きスペース駐車地(7:30)……1082m三角点……1164m標高点……1209m標高点……1260m小ピークから南西に下る……塔ノ沢登山道に出る……塔ノ沢登山口(11:30)……般若の滝……不動の滝……駐車地(12:40)
ふみふみぃさんのレポによると、アカヤシオは4月30日時点で標高1100m付近が見頃らしい。それから2日経過はしているが、1200mまで達しているかは微妙なところだ。渡良瀬川右岸側なら進度はどこも同じくらいだろうと想定する。沢入の西側にある尾根はどんなものだろうか。地図を広げて気になったのは、1082m三角点を経由して県境尾根に至る尾根だ。ここは部分的に2度ほど歩いたことがある。雰囲気の良い尾根だった。そこを歩いてみようか。今回は山名板も何もない、アカヤシオを求めての歩きとなる。ただ、ツツジの咲く尾根なのかどうかはわからない。広葉樹の尾根だったから、咲くとは思うのだが。
以前から大澤寺の裏手から登ってみたいと思っているが、駐車の都合がどうにも悪い。寺の駐車場に置ければいいが、檀家や地元住民でもないのでは置くわけにもいくまい。小中西山線に入ってすぐの所に車を置こうとしたが、どうも落ち着かない雰囲気だ。適当な駐車地を探しながら走っていると、いつの間にか付かれた後続の車にあおられ気味になった。仕方なく、先に行き、路肩に車を止めて後続車をかわして地図を見る。この先からでも行けそうだ。1082m三角点に南から直登するルートだ。今日はこれにするか。
取り付きの真下にある広い路肩に駐車して準備をしている間に車が2台上がって行った。すごい頻度だ。折場登山口にでも向かうのだろうか。アカヤシオ目当てなら誤算だろう。塔ノ沢かなと思ったりもしたが、帰路に登山口で見かけた車ではなかった。人様のことはどうでもいいけど気にはなる。
(取り付きの尾根)

(ブル道が交差)

(緩やかな尾根)

すぐに取り付く。植林尾根でないことがありがたい。幸先が良い。と思ったのはそこまでで、目先の小ピークを越えると、右下からブル道がのし上がって来ていた。まったくの興ざめ。尾根の一部を削っている。見れば、尾根に沿っているようなのでこれを行きかけたが、やはりためらいもあって、尾根に戻った。これは最近出来た感じの作業道だ。
(赤いのが出てくる)

(鉄塔到着)

シカ角が落ちていた。持って帰ろうかなと思ったが、それで何するわけでもない。しばらく持って歩いていたが、結局、樹の下に立てかけた。そのうちに右手の作業道は遠ざかった。ほっとするとヤマツツジが出てくる。標高710m。これはこれできれいだが、今日の探索はアカヤシオだしな。まだツボミの株もある。
去ったはずの作業道が戻って来て鉄塔に着いた。周辺はカヤトの景色になっている。先に行くとまたヤマツツジが出てくるもすぐに終わる。もう色物はなくなり、ピンクの煤けた花びらがあちこちに落ちているだけ。
作業道は再び離れていった。もう出会うことはあるまい。地道に尾根を登る。方向が北から北東に変わったあたりで右手に草木湖が見えてくる。
(また赤)

(紫)

(ピンクは残り物といった感じ)

短い植林帯を抜けると紫の花が出てきた。860m付近。これはミツバツツジと思われる。オシベの数が多いから、トウゴクミツバツツジというやつか。アカヤシオも数株。樹に花びらをチラチラと残し、大方は下に落ちている。いよいよこの上かなと期待がある。すぐにでも出てきて欲しい。いずれにしてもツツジの咲く尾根のようでほっとする。
(植林の急登)

植林帯に復帰すると長い急坂になった。これはきつい。ここは、大方はそうであろうが、広葉樹を倒して植林にしているところで、切り株はすべてが広葉樹で、雑木もかなり混じった植林帯だ。地形は変化があって、左側に大きな岩盤がむき出しになっていたりする。植林でなかったら怖い。横倒しの巨木も目に入る。
間伐帯を抜けると元の雑木の世界に戻り、同時に巨岩帯に入った。大きな丸みを帯びた岩が点在している。大澤寺から登ると、この辺で合流するはず。
(ようやく出てきた)

(これを期待したい)

(草木湖がチラリ)

970mでアカヤシオが本格的に咲き出した。本格的とはいっても、お祭りコースというには寂しいもので、そこそこに見られるといったレベルで、田沢奥山あたりに比べるまでもない。だが、こんな滅多にハイカーも入らないような尾根でアカヤシオを一人で愛でられるのも気分が良いものだ。
(大岩の巻き。結局、下まで降りた)

(大岩を振り返って)

巨岩とアカヤシオを眺めながら先に行くと、何やら先が落ち込んでいる気配の岩場に出た。脇から見ると、行けなくもなさそうだが巻いた方が無難だろう。すぐに巻きの準備に入ると、その先が崩れ加減になっていて、さらに戻ってその下を巻いた。巻きの高低差は20mほどだろうか。尾根に復帰して振り返ると、やはりそのまま行けたようだ。しかし、アカヤシオを見に来て岩場で転落というのも様にならない話だ。
(こんなところに出た。色はないけどいい感じ)

(眺めの良いところだ)

なぜかアカヤシオが消えた。下草はシカに食べ尽くされたのか、原っぱ状になっている。ここも防火線だったところのようで、樹が整然と続きカーブしながら向こうの尾根に続いている。展望の良いところだ。ただ、名のある山が見えていないのは残念で、大萱山あたりは見えているとは思うのだが、位置関係が釈然としない。
(巨岩が目立つようになり)

(頭上に再び)

(瀑泉さん風に三角点にタッチ)

本尾根に合流。ここもまたしばらくは巨岩見物のみになった。いい雰囲気ではあるが、古い錆びついた空き缶が捨てられているのが残念だ。ようやく頭上にアカヤシオが出てきてほっとしながら1082m三角点に到着。ここで休憩。
以前、楡沢右岸尾根を歩いた際にこの尾根に合流したが、合流点はこの先の1120mあたりで、この三角点を見てはいない。R.Kさんの標識もない。この三角点は基準点名「春場見」の三等三角点となっている。
(ニョッキリ型)

(本日のメイン会場に入る)

(これはいい)

(ダラダラと)

(続く)

実はここからが村祭りのメイン会場といったところで、小規模ではあるが、尾根上を右往左往してはアカヤシオを楽しんだ。咲き誇りの短いストリートがあったりもする。気分的には「オッ、オッ!」になっている。欲望はきりもないが、自分にはこの程度で十分に楽しめる。今日は暑いくらいの陽気で、空の青さも抜けている。何とも心地よい。
(お祭り会場の外れになりつつある)

(二子山)

(大石が点在)

(寂しくはなったが盛りもある)

(1164m付近)

1130m付近で男体山が見えてくる。そろそろ疎らな咲き具合になりつつある。これからといったところだ。やはり、同じ尾根とはいっても、微妙に標高に左右されているようで、ちょっと下るとまた復活したりする。1164m標高点では消えた。下りかけるとまた出てくる。えらく繊細な花のようだ。
前方に二子山が近づいてくる。今日は目的から外れるのでわざわざ行きはしない。また改めてということで。二子山をバックにアカヤシオを撮りたいが、どうも咲きが良くない。
(花が小さくなった)

(巨岩帯は続いている)

(1170m付近)

(赤城山)

(改めて草木湖)

(1180mへ)

(1180mの大岩)

(富士山)

1170m、1180m小ピークではツボミになってしまった。後2、3日後だろう。1180mで休憩。今日は富士山も見えている。赤城山の雪ももう細い筋状になっている。登山道がぬかるみになる頃ではないのか。
(1209mへ)

この先、アカヤシオを期待するのは無理があるかもしれない。下山路をそろそろ考えている。塔の沢登山口からここまでスズタケの間をぬって上がったことがある。そこを下ってもいいが、念のため1209mの先まで行ってみようか。
これは後日談だが、帰ってから、その時の記事を改めて見ると、この1180m小ピークには大きな尖がりの岩があった。それを目印にしてスズタケヤブの中を登ったものだが、今回はその尖った岩を見ていない。何枚か撮った周辺写真にも写っていない。あの特徴的な岩だ。すぐに目につくはずなのだが、どこに行ってしまったのだろう。単に気づかずに見逃していただけのことだろうか。この時点ではまったく気づいていない。
(そろそろ終わりの気配)

(おむすび型を見て)

(1209m標高点)

(これを最後に)

(消えてしまった。この先はいずれの楽しみにしよう)

1209mまでの間に咲き誇り1株とツボミの株を見かける。1230mで再び出てきたが数は少なく、花も小さい。むしろ、この辺は下斜面が見頃になっている。1250mになると、もう完全に消えてしまった。そろそろ潮時だろう。さらに上に行って無い物ねだりをするよりも、下りながら見る方が賢明だ。1260mから南西に登山道に向かって下ることにする。
(下る)

(こちらも普通に楽しめた)

(カエル岩というかモッケ岩といったところか)

不明瞭な尾根だったが、コンパスを信じて下ると明瞭な尾根になった。切れかかった所に出ても、脇を見ると、尾根は静かに別方向に続いている。やはり、こちらも1200mラインのようで、下るに連れて出てくるが、これまで登って来た尾根に比べると、かなり数は少なく、1050mで終わってしまった。
(塔ノ沢)

アカヤシオはもう見ることはあるまい。懸念がなくなると、この尾根が一体、どこに出るのかが気になってきた。まして急斜面になりつつある。沢音が近づき、塔ノ沢が真下に見えてきた。この時は、登山道は沢の右岸側にあるものと錯覚している。
(登山道に出る)

(橋を渡る)

沢を濡れずに渡れそうなところを目指す。足元が悪くなってきた。左に植林が見え、そちらに逃げた。作業道のようなしっかりした道に出た。これならいずれ、橋のようなものがあって、右岸側に渡れるだろう。だが、しばらく歩いて、これが登山道であることに気づいた。
もう緑がきれいになっている。これからは新緑の時期か。2年前に来た際、林道に渡る木橋は腐れかかっていたが、すでに新調されていて、不安なく渡れる。
(塔ノ沢登山口)

(般若の滝の看板)

(般若の滝)

登山口には車が1台。先の駐車場には2台。沢入駅までは5kmとある。とすれば、駐車地までは3kmほどの歩きか。
林道を300mほど下ると「般若の滝入口」の看板があった。この林道をまず歩くことはないので、この看板にはこれまで気づかなかった。入ってみる。かなり荒れている。見に行く人も稀だろう。手こずりながら滝の前に出た。岩の割れ目から筋状の滝が流れている。これが般若の滝のようだ。帰ってから調べると落差10mとあった。名瀑というほどの滝ではないが、今年初の滝見となる。
(鳥居と墓?)

(石碑だった)

そういえば、不動の滝というのもあったな。どの辺にあるか不明だが、いずれ看板が出てくるだろう。林道をさらに下って行くと、左下の沢に滝のようなものが見えた。あれが不動の滝だろうか。それにしても看板がないと行きようもないなと思っていると、林道沿い左手に鳥居と墓のようなものが見えた。おかしな組み合わせだなと思いながら近づくと、墓ではなく石碑だった。「大山祇之命」とある。明治二十五年だ。
そのまま林道を下る。そして小中西山線に出た。滝の看板を見ることはなかった。残念だなと思いながら下ると、左に何の施設かは知らないが、家屋があって、車が2台止まっている。右手にはトイレ。ここに看板があった。「塔ノ沢不動滝遊歩道」とあり、これを行くと不動の滝を見られるらしい。
(階段を登って行く)

(お地蔵さん?何となく行くのが怖い)

家屋の裏手から踏み跡を辿ると、杉の葉の堆積が深く、えらく歩きづらい。ガードのチェーンが出てきたりするが、ここを歩く人はあまりいないようだ。沢に出ると、滝は枝葉に隠れてよく見えない。戻って階段を上に行くと、右手にお地蔵さんが見えた。不気味な感じがしたので、近づかずにそのまま登ると、さっきの大山祇之命が置かれた林道に出てしまった。何だそういうことだったのか。余計な歩きをしてしまった。
(不動の滝上段)

(下段)

(お不動さんだった)

さっきの地蔵さん辺りが怪しいなと近づくと、これは不動明王像だった。明和五年とあるから古い。ここからもろい斜面を下って、不動の滝を見た。2段15mとのことだから。段の間から眺めたことになる。上と下を覗いただけで終わってしまった。全容は撮れず。
(山桜を見て)

(駐車地に)

林道に戻ってぶらぶらと下る。塔ノ沢登山口にあった車が下って来て路肩に止め、沢の方に歩いて行った。ハイカーではなく釣りだったようだ。
林道やら作業道が左右からいくつも入り込む。そして、東電巡視路の踏み跡もある。地図にはイボ沢線と塔ノ沢線しか出ていない。林道沿いでマニアックな歩きをしようとすればややこしいことになりそうだ。
駐車地に到着。5時間ちょいの歩きだった。夕方から用事もあったし、時間的にはちょうど良かった。アカヤシオの盛りも見たし、滝見もできて満足だった。
(本日の軌跡)

「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」