◎2015年9月19日(土)
かじか荘上駐車場(7:15)……七滝入口(8:21)……六林班道合流(11:32)……庚申山荘(12:05)……七滝入口(13:08)……駐車場(14:15)
スパイク地下足袋を新調した。丸五製。ワークマンで税込3,600円で購入。瀑泉さんご愛用のモノと同じだろうか。履き慣らし歩きをしなきゃならないが、普通の登山道やハイキングコースを歩いているのではその良さもわからない。そこで思いついたのが、根利山古道・足尾側の探索。6月にきりんこさんが歩かれた記事を拝見し、自分もいつかはと思っていた。この古道、そうたやすく歩けるようなところではなく、断崖伝いの歩きになるらしい。ご当人はスパ長で歩かれたようだが、つまりは、そういうスパイク系の履物が都合がいいということだろう。
実のところは、古道を歩くために新調したようなところもある。持っているマジックテープのスパ地下足袋はスパイクが摩滅し、ゴムピンだけになっていて、危うげなところではグリップに不安もあった。
足尾の山はここのところ遠ざかっている。どんなコースを歩いても赤やピンクのヒラヒラが目に付く。これが嫌なのだ。どういう心持ちでベタベタと散布しているのか理解に苦しむ。自分のように、これがうっとうしく、嫌な者もいる。うだうだと記していても仕方がないが、だれしも、オロ山から庚申山に行くのに相応の調べをするはずだし、地図を持っていくのもまた当たり前のことで、テープが延々とあることだし、安心して歩けそうだからフリーで行ってみようかと思う安易なハイカーがいるとしたら、相当に考えもののハイカーだ。踏み跡もあるのにテープ垂らしは余計なおせっかいとしか言いようがない。それが楽しみで、一人悦に入っているようなら、テープに自分の署名でも入れればいい。
他の山域ではここもかといった程度で、さほどに気にもならないが、好きな足尾の山だから、余計に気になるし腹立たしくもなる。まぁ、こんな次第で、根利山古道にはまさかヒラヒラはないだろうと行くことにしたのだが、これからの自分の足尾の山歩き、静けさを楽しむには、超マニアックなコースをあみ出すしかないということだろう。足尾の山が汚されていく。嫌な気分でもある。
(あちこちで水が伝って流れていた)
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かじか荘上の駐車場には車がなかった。足袋のスパイクを減らすのは避けたいから、ここまで履いてきた運動靴で歩く。舗装が終わってから地下足袋に履き替えるつもりだ。
林道ゲートの手前には車が2台。釣りだろうか。ゲートを越える。道路に水が流れている。ちょっと予想外。路面はかなりグシャグシャになっていて、水たまりの通過に気を遣う。どうも、昨夜まで大雨だった気配がある。擁壁のあちこちから水がしたたり落ちている。こんなのは初めてだ。
(舗装道の終点。地下足袋に履き替える)
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舗装道の終点。以前はここまで車が入って来られた。まずは二股の指の間にテーピングをして地下足袋に履き替える。家で試し履きはしてみたが、どうもコハゼの挿し込みに手間取る。ここまで歩いた分、ふくらはぎが太くなったのだろうか。家では四列一番外側への挿しでシャキッとしたのが、内側一列ですらおぼつかない。かろうじて下のコハゼだけ二列目に入れ、後は一列目に押し込んだ。ズボンの裾を入れ込んだせいもあるのだろう。いずれにせよ、長年散発的に使っている程度だから、地下足袋初心者とは言える。運動靴は、どうせここを通過しての下りになるだろうと、ビニール袋に入れて木の枝にデポした。
スパイクだけあって、砂利の上ではザクザクと音がする。3,600円とはいえ、長持ちはさせたい。音がすれば、スパイクもその分摩耗する。貧乏性のところもあってか、音が気になって、一の鳥居まで運動靴にすればよかったかなと後悔する。
(一の鳥居)
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(庚申七滝の広場)
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庚申七滝入口に到着。自転車のデポが一台。まずは腹ごしらえ。菓子パン一個を食べる。七滝そのものは崩壊で通行止めになりながらも、下る入口にロープは張られていない。腰を下ろしたいが、ベンチが濡れて座れない。立ったまま一服する。この先の用心にと、ストックを出す。
(右に滝を見て)
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(根利古道に入り込む。振りかえって)
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右手に滝を見て橋を渡る。水量が多い。直進方向には通行止めの柵がある。古道の入口だ。柵を越える。雨後の土はやたらとやわらかい。危ないところでズルズルッといかなければいいが。
(すぐにこうなる。左下は切れ案配の急斜面)
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(岩場の通過。下を通るのではなく上のグズグズを歩く)
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(断崖すれすれの歩き)
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うっすらと道型があった。斜めに続いている。感じは舟石新道に似ているが、大きな違いは、左下斜面が急で、庚申川に落ち込んでいることだ。なお悪いことに、斜面が密な樹林にでもなっていれば、落ちても樹にぶつかって止まりもするだろうが、あいにくの疎林だ。想像はしていたが、これは心して歩かないと大変なことになるだろう(この状態がずっと続く)。慎重に倒木を越える。
大岩のヘリを通過する。岩にしがみつくようにして、一歩置いては固定を確認してから次のステップ。岩は濡れている。岩を何とか渡り切る。この先は四つ足で歩く方がいいだろう。ストックを使うのは危険と判断し、ストックを収納し、さらに滅多に付けない手袋も履いた。恐怖でヒザがガクガクしている。スパ地下足袋で正解ではあったが、平らな岩は注意しないと滑ってしまうだろう。この時は、せいぜいこれが最初で最後の関門程度で考えていた。
(見えていないが、鉄線が岩から垂れていた。振りかえって)
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斜めの道型がずっと続く。周囲の状況はまったく変わらない。相変わらずの左急斜面、右は岩壁もしくは見上げるまでの急斜面だ。よくもこんなところに道を付けたものだと感心もする。酔狂にもやって来たことを早々に後悔した。じきに身体が冷や汗でべっとりとしてくる。頭からも汗がポタリポタリと落ちてくる。戻ろうかとも思ったが、振り返ると陽がもろにあたってまぶしい。これでは足元がよく見えずにむしろ危険ではないのか。先に行くしかあるまい。行きは良い良い帰りは恐い。自分の趣向には程遠い古道のようだ。適当な尾根にぶつかったら、早々に古道から離脱してしまおうか。
きりんこさんは途中、火の用心の看板やら鉄線の残骸をいくつも見かけたようだが、こちらは目先の通過に忙しく、錆びついて垂れた鉄線を2本見たきりだ。気持ちの余裕がこうも違う。
徐々にではあるが標高は上げているようだ。950mから1000m、1050mとなる。その分、庚申川から50m、150mと離れていく。離れた分、左下の急斜面もどんどん広がっていく。
(向こうからやってきて)
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(沢を渡って)
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(あの岩棚のようなところに続く道に這い上がる。この繰り返し)
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沢にさしかかる。水はないが、道は崩壊している。ここは難なく通過。グズグズの沢の先に引き続きの道は見えている。ここで垂れた鉄線を見て、缶詰の缶も見た。ラベルがあるわけはないがかなり古い。二つ目の沢も問題なしだが、次第に沢の崩壊は険悪な様相になり、通過に苦戦するようになる。状況としては、先ずは横切りの沢に下りねばならないが、雨水をたっぷりと含んでいて足場がかなり悪くなっている。何とか下り、沢を見下ろすと、転がったら、そのまま庚申川までといった感じだ。そして、その先の道へと岩場を攀じ登る。こんな状況だ。中には水が流れている沢もある。沢に下るところで一回ズルっといき、尻が泥だらけになった。この泥、乾いてからも最後まで落とせなかった。
(たまにこんな平穏な個所もあるが)
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(依然としてこんな感じ)
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相変わらず断崖に設けられた狭い崩れた回廊が続くも、たまに下が緩やかになっているところもあって、そういったところでは一時的にほっとするが、この辺から離脱しようと思っても、右を攀じ登ることはかなわない。
(あそこに乗ったら、先が見事に切れていた)
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(こうして見ると、どうってこともないのだが、当人は至って波乱万丈の状態)
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途中、白糸のような流れのある沢を通過し、6番目あたりの沢横断だったろうか。大きく崩壊していた。倒木も散乱している。何とか沢に下り、岩場を苦戦しながら登ったら、その先が切れていた。もはやこれまでか。危なっかしく沢に戻り、下から巻くかと、沢をちょっと下ったが、その先のトラバースは到底無理。確実に落ちる。どうしようか。この辺から、意を決して急斜面を登って逃げるかと見上げると、何ということはない。岩場の上を巻いている踏み跡があった。しかし、この巻き道とて安心できるものではなく、道に降り立つ際、勢いづいたらそのまま滑落だ。二重の慎重さを要した。古道がこんなひどい状況とも知らずにやって来たが、せめてヘルメットは持参すべきだった。ロープは持って来たが、使うことさえ切羽詰って忘れている。
(ようやくおとなしくなってくれた。ここで一服)
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古道に入り込んでから1時間。たいした時間ではないが、気分的にはかなりの時間、危険極まりないところを歩いてきた感がある。突然、なだらかな尾根が目の前に現れ、低いササの生えた普通の景色になった。少なくとも、左下の急斜面はおさまっている。GPSを見て地図をあてがうと、1317m標高点の東側尾根の1200m付近にいる。このまま目の前の尾根を北西に向かい、さらに北上すれば六林班峠道に出られるはずだ。誘惑にかられる。だが、古道は明瞭に先に続いている。悩んだ。タバコを吸って、出した結論は続行。尾根はなだらかだが、350mの標高かせぎはつらい。まして、もしかすると、ここからは普通の気分のいい歩きになるかもしれないといった期待もわずかばかりはある。
(最初の広場)
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(広場の端はこうなっていた。レンガとブロックの残骸がある)
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おとなしい歩きが続き、やがて、きりんこさんの地図軌跡に記された「赤テープのある小広場」に出た(このGPSマップは早いとこ消していただきたいのだが)。ただ、その「赤テープ」を確認することはできなかった。ブロックや赤レンガの破片、ドリンクの空き瓶があった。狭い空間で、台地状になっていて、南側の斜面を見下ろすと、スパッと切れていた。見た目のおとなしさとは裏腹に実態は相変わらず険悪だ。
(この辺から登り気味になっていく)
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(そして次の広場)
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(ガラスの破片)
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(石積み)
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再び危うげな古道が復活し、次の広場となったが、危険極まりないところはもうない。どこからでも逃げられるようになった。この辺になると舟石新道の様相に近いところがある。ただ、これまでのこともあるしと、絶えずビクビクしている。広場にはなぜかガラスの破片が散乱していた。石積みも目に付いた。何かがあったのだろう。
(ガレた沢を渡る)
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(倒木地帯。うっすらと踏み跡。古道かと思っていたが)
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1317m標高点に向かう尾根が近づく。そろそろ、きりんこさんがでかいクマを目撃したところだ。予定としては1317mに出るつもりでいる。クマの気配はないままに沢に出た。ここからその尾根に登るつもりでいたが、尾根上に道型は確認できず、さらに西に進む踏み跡があった。ここは尾根には上がらずに踏み跡を追う。また沢を横切る。かなり下に出た。大きな岩がある。その下を通過すると、先は倒木が散乱していた。かろうじて、その先に踏み跡らしきものが見え、迂回して復帰。だが、道型はすぐに消えた。辿ったのはシカ道だったのかもしれない。やはり、1317m尾根を行くべきだったか。茶碗のかけらもまったく目にせず、どこが赤岩停車場の跡なのかも皆目確認すらできないままだ。やはり、気持ちの余裕の違いということに尽きる。
(あきらめ半分で尾根に乗るが、実のところはほっとしている)
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結局は、きりんこさんの後追いになってしまった。1317m尾根の西側の尾根を北上する。だが、尾根に上がるまでがきつい。水を含んでいるため、どこを登ってもズルズルとくる。尻どころか、今度は前が泥んこになる。
古道はもういいかという気分なっている。この先、しばらく行くとなだらかになるはず。もうこのまま六林班峠道に出てしまおう。もうゆっくりと登ることにしよう。前半部の緊張感ですでにかなりバテてもいる。きりんこさんはおろか足尾のRRさんですら古道を見失って半端に終わっている。お二方の調査済みなのだから、自分の出る幕でもあるまい。歩いた実績だけで十分だ。
ところが、気分は絶えず、この尾根を横断するだろう古道の跡をきょろきょろと探している。それらしき踏み跡が右にあれば、尾根を回り込んだ左の先を見てしまう。これは違うなと。やがて左下に沢音が聞こえてきた。きりんこさんの見たセクシーな滝を見たいという思いもある。せめて滝だけでも見ておこうか。
(また現れた。しかたがない。追う)
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明瞭な尾根ながらも、クマが突然現れやしないかと警戒しながらも一服つける。静寂は禁物とスズを振って音を出しても沢音にかき消される。仕方なく絶えず咳払い。そして、意味不明な大声を出す。しかしなぁ、前夜にハイトスさんにお声をかけたが、予定ありの断わりメールが返ってきた。一緒に歩くことになっていたらどういうことになっていたのやら。危ない思いをするのは一人で十分だ。巻き込むのは失礼な話。少なからず気持ちの余裕は出てきたようだ。
古道を目にしないままにあきらめ半分でいると、あれっとばかりに尾根を横断するかすかな踏み跡が見えた。ここまで来たのなら、ここはしつこく追うべきだろう。ころころと気が変わる。
(滝を見る。きりんこさん当時に比べて水量が多い。確かにセクシーではあるが)
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石がゴロゴロした河原のようなところを横断して踏み跡に戻ると、沢に出た。右を見ると、滝が見えた。あれが例の滝か。しばらく滝見物の休憩にするか。水量が多いため、セクシーというには無理がある。7~8mの二段だ。なかなかの滝じゃないか。
いずれこの先で古道は見失うはず。今、標高1360m付近。この沢を200mも登れば六林班峠道に出る。この滝は容易く右から越えらそうだ。また迷ったが、結局、古道に復帰。
(古道は尾根に向かっていた。またまたほっとする)
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(かすかに続いているが)
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(ここで消えたというか、不明になった)
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正面に尾根が見えている。踏み跡はそれに向かっている。これは都合がいい。早いとこ尾根に出てしまいたい気分が、そろそろ古道の消滅を期待する気分になってしまっている。尾根に出ると、期待通りにササヤブになって、道型はわけがわからなくなった。RRさんはここからさらに三才沢まで辿られたようだが、もうここは引き際としよう。標高1390mで撤退ということになる。古道もここまで追ったら十分だ。
(六林班峠道に向かう尾根)
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(人為的な踏み跡かシカ道かは不明。これは左手に逸れて行った)
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腰高のササヤブの中にシカ道が続いていた。まさかこれが古道の延長ではあるまい。なだらかな広い尾根だが、シカ道はトラバース気味に西に向かっているので北上に軌道修正。ヤブこぎになった。実は、この踏み跡が古道だったのではないかと今にして思ったりしている。コンパスをあてがう必要もない。登って行けば、いずれは六林班峠道に出る。
(テープが続いている)
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(六林班峠道は間もなくだろう)
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(峠道に出た)
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ふと、予想外の色を左に見た。近づくとひからびたピンクテープ。ここもかよと嫌な気分になった。しかし、よく見ると、テープはかなり古く、簡単に外せるような結わえ方をしている。こんな結び方でよくも長年持っているものだ。明らかに件の御仁の手によるものではない。ただ、小うるさく10m間隔で付けられている。下に踏み跡はまったくない。古道探索の帰りなのか、庚申川から登って来たのか、これはわからない。
(今回の軌跡一部。地図上の六林班峠道は1482mのかなり北に位置している)
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(カシミール版地図。昨年は1482mを通過している)
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テープを追ってしばらく登る。ふいに派手にグルグル巻きにしたテープが見えた。ここまでしなくともと思ったが、明瞭な道に出た。六林班峠道だった。意外に早かった。あれっと思い、GPSを確認すると、GPSマップ上の六林班峠道は標高でさらに50m先にある。この六林班峠道、帰ってから調べると、地理院地図では西側の1482m標高点のさらに北80m先を通過し、カシミール版地図では1482mのすぐ南側を通過している。どういうことなのか。ここもまた旧道、新道があったのだろうか。この疑問、実は昨年の10月に歩いた際に気になっていて、その時のGPS軌跡では1482m標高点を通過していたのだが、たいして気にもとめないでいた。
(峠道を庚申山荘に向かう)
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(庚申山荘)
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まずはともかく、六林班峠道であることに間違いなく、庚申山荘に向かう。途中、旧道らしき踏み跡を探したが、目には入らなかった。
だれに会うこともなく庚申山荘に着く。12時を回ったばかりだ。余計な記述だが、せっかくだから銀峯の山名板を見回りして、さらに庚申山なんぞといった考えはまったく起きなかった。
さて、人気のない山荘風景だったが、ベンチにストックが2人分置かれていた。庚申山にでも行っているのかと思ったが、そのうちに山荘から話し声が聞こえた。泊まりだろうか。
おにぎりを一個食べて下る。あるいは笹ミキ沢の右岸尾根でも下るかと思いもしたが、結局はそのままで登山道を下る。今日は前半の古道探索で疲れた。後は安心な道を歩きたい。それだけの心持ちしかない。庚申山まで登って、危うげな登山コースをまた歩きたくもない。
途中、ハイカー7人くらいと出会った。こんな時間だから、山荘泊まりで、明日は皇海山だろう。山荘のバイオトイレは故障で使用禁止になっていたが、女性ハイカーと会うことはなかった。
(途中の光景。その1)
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(その2)
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(その3)
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(その4)
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(その5)
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庚申川にそそぐ沢筋の水量は多い。水ノ面沢の小滝も見ごたえがある。つい、沢の方に行っては滝を眺めたりした。2人の釣り人の姿も見えた。
(七滝の広場に到着)
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庚申七滝の広場に出ると、今朝の自転車以外にバイクと別チャリが置かれていた。黄色のナンバープレートのバイクだったが、どうやって、あのゲートをくぐったのだろうか。器用な方もいるものだ。それにしても、きりんこさんの電動自転車、あれはいいねぇ。だけど、自分の車にそんなものを積めるスペースはない。うらやましい限りだ。
未舗装道が終わり、運動靴に履き替える。今日は地下足袋の指股の痛みはなかった。テーピングしたせいもあるだろう。これでなかったら、古道は歩けなかったかもしれない。たかが地下足袋、されど地下足袋だ。
(ここにも紅葉の前触れが)
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(駐車場に着いた)
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やたらと暑くなっている。林道沿いの擁壁から流れる水は、出がけよりも増した気がする。駐車場に着くと、ゲート前を含めて車が11台もあった。かじか荘で風呂にでも入ろうかと思ったが、連休が始まっている。少しでも早く、大間々の町を通過してしまいたい。着替えをして、エアコンを入れてそそくさと帰路についた。
かじか荘上駐車場(7:15)……七滝入口(8:21)……六林班道合流(11:32)……庚申山荘(12:05)……七滝入口(13:08)……駐車場(14:15)
スパイク地下足袋を新調した。丸五製。ワークマンで税込3,600円で購入。瀑泉さんご愛用のモノと同じだろうか。履き慣らし歩きをしなきゃならないが、普通の登山道やハイキングコースを歩いているのではその良さもわからない。そこで思いついたのが、根利山古道・足尾側の探索。6月にきりんこさんが歩かれた記事を拝見し、自分もいつかはと思っていた。この古道、そうたやすく歩けるようなところではなく、断崖伝いの歩きになるらしい。ご当人はスパ長で歩かれたようだが、つまりは、そういうスパイク系の履物が都合がいいということだろう。
実のところは、古道を歩くために新調したようなところもある。持っているマジックテープのスパ地下足袋はスパイクが摩滅し、ゴムピンだけになっていて、危うげなところではグリップに不安もあった。
足尾の山はここのところ遠ざかっている。どんなコースを歩いても赤やピンクのヒラヒラが目に付く。これが嫌なのだ。どういう心持ちでベタベタと散布しているのか理解に苦しむ。自分のように、これがうっとうしく、嫌な者もいる。うだうだと記していても仕方がないが、だれしも、オロ山から庚申山に行くのに相応の調べをするはずだし、地図を持っていくのもまた当たり前のことで、テープが延々とあることだし、安心して歩けそうだからフリーで行ってみようかと思う安易なハイカーがいるとしたら、相当に考えもののハイカーだ。踏み跡もあるのにテープ垂らしは余計なおせっかいとしか言いようがない。それが楽しみで、一人悦に入っているようなら、テープに自分の署名でも入れればいい。
他の山域ではここもかといった程度で、さほどに気にもならないが、好きな足尾の山だから、余計に気になるし腹立たしくもなる。まぁ、こんな次第で、根利山古道にはまさかヒラヒラはないだろうと行くことにしたのだが、これからの自分の足尾の山歩き、静けさを楽しむには、超マニアックなコースをあみ出すしかないということだろう。足尾の山が汚されていく。嫌な気分でもある。
(あちこちで水が伝って流れていた)

かじか荘上の駐車場には車がなかった。足袋のスパイクを減らすのは避けたいから、ここまで履いてきた運動靴で歩く。舗装が終わってから地下足袋に履き替えるつもりだ。
林道ゲートの手前には車が2台。釣りだろうか。ゲートを越える。道路に水が流れている。ちょっと予想外。路面はかなりグシャグシャになっていて、水たまりの通過に気を遣う。どうも、昨夜まで大雨だった気配がある。擁壁のあちこちから水がしたたり落ちている。こんなのは初めてだ。
(舗装道の終点。地下足袋に履き替える)

舗装道の終点。以前はここまで車が入って来られた。まずは二股の指の間にテーピングをして地下足袋に履き替える。家で試し履きはしてみたが、どうもコハゼの挿し込みに手間取る。ここまで歩いた分、ふくらはぎが太くなったのだろうか。家では四列一番外側への挿しでシャキッとしたのが、内側一列ですらおぼつかない。かろうじて下のコハゼだけ二列目に入れ、後は一列目に押し込んだ。ズボンの裾を入れ込んだせいもあるのだろう。いずれにせよ、長年散発的に使っている程度だから、地下足袋初心者とは言える。運動靴は、どうせここを通過しての下りになるだろうと、ビニール袋に入れて木の枝にデポした。
スパイクだけあって、砂利の上ではザクザクと音がする。3,600円とはいえ、長持ちはさせたい。音がすれば、スパイクもその分摩耗する。貧乏性のところもあってか、音が気になって、一の鳥居まで運動靴にすればよかったかなと後悔する。
(一の鳥居)

(庚申七滝の広場)

庚申七滝入口に到着。自転車のデポが一台。まずは腹ごしらえ。菓子パン一個を食べる。七滝そのものは崩壊で通行止めになりながらも、下る入口にロープは張られていない。腰を下ろしたいが、ベンチが濡れて座れない。立ったまま一服する。この先の用心にと、ストックを出す。
(右に滝を見て)

(根利古道に入り込む。振りかえって)

右手に滝を見て橋を渡る。水量が多い。直進方向には通行止めの柵がある。古道の入口だ。柵を越える。雨後の土はやたらとやわらかい。危ないところでズルズルッといかなければいいが。
(すぐにこうなる。左下は切れ案配の急斜面)

(岩場の通過。下を通るのではなく上のグズグズを歩く)

(断崖すれすれの歩き)

うっすらと道型があった。斜めに続いている。感じは舟石新道に似ているが、大きな違いは、左下斜面が急で、庚申川に落ち込んでいることだ。なお悪いことに、斜面が密な樹林にでもなっていれば、落ちても樹にぶつかって止まりもするだろうが、あいにくの疎林だ。想像はしていたが、これは心して歩かないと大変なことになるだろう(この状態がずっと続く)。慎重に倒木を越える。
大岩のヘリを通過する。岩にしがみつくようにして、一歩置いては固定を確認してから次のステップ。岩は濡れている。岩を何とか渡り切る。この先は四つ足で歩く方がいいだろう。ストックを使うのは危険と判断し、ストックを収納し、さらに滅多に付けない手袋も履いた。恐怖でヒザがガクガクしている。スパ地下足袋で正解ではあったが、平らな岩は注意しないと滑ってしまうだろう。この時は、せいぜいこれが最初で最後の関門程度で考えていた。
(見えていないが、鉄線が岩から垂れていた。振りかえって)

斜めの道型がずっと続く。周囲の状況はまったく変わらない。相変わらずの左急斜面、右は岩壁もしくは見上げるまでの急斜面だ。よくもこんなところに道を付けたものだと感心もする。酔狂にもやって来たことを早々に後悔した。じきに身体が冷や汗でべっとりとしてくる。頭からも汗がポタリポタリと落ちてくる。戻ろうかとも思ったが、振り返ると陽がもろにあたってまぶしい。これでは足元がよく見えずにむしろ危険ではないのか。先に行くしかあるまい。行きは良い良い帰りは恐い。自分の趣向には程遠い古道のようだ。適当な尾根にぶつかったら、早々に古道から離脱してしまおうか。
きりんこさんは途中、火の用心の看板やら鉄線の残骸をいくつも見かけたようだが、こちらは目先の通過に忙しく、錆びついて垂れた鉄線を2本見たきりだ。気持ちの余裕がこうも違う。
徐々にではあるが標高は上げているようだ。950mから1000m、1050mとなる。その分、庚申川から50m、150mと離れていく。離れた分、左下の急斜面もどんどん広がっていく。
(向こうからやってきて)

(沢を渡って)

(あの岩棚のようなところに続く道に這い上がる。この繰り返し)

沢にさしかかる。水はないが、道は崩壊している。ここは難なく通過。グズグズの沢の先に引き続きの道は見えている。ここで垂れた鉄線を見て、缶詰の缶も見た。ラベルがあるわけはないがかなり古い。二つ目の沢も問題なしだが、次第に沢の崩壊は険悪な様相になり、通過に苦戦するようになる。状況としては、先ずは横切りの沢に下りねばならないが、雨水をたっぷりと含んでいて足場がかなり悪くなっている。何とか下り、沢を見下ろすと、転がったら、そのまま庚申川までといった感じだ。そして、その先の道へと岩場を攀じ登る。こんな状況だ。中には水が流れている沢もある。沢に下るところで一回ズルっといき、尻が泥だらけになった。この泥、乾いてからも最後まで落とせなかった。
(たまにこんな平穏な個所もあるが)

(依然としてこんな感じ)

相変わらず断崖に設けられた狭い崩れた回廊が続くも、たまに下が緩やかになっているところもあって、そういったところでは一時的にほっとするが、この辺から離脱しようと思っても、右を攀じ登ることはかなわない。
(あそこに乗ったら、先が見事に切れていた)

(こうして見ると、どうってこともないのだが、当人は至って波乱万丈の状態)

途中、白糸のような流れのある沢を通過し、6番目あたりの沢横断だったろうか。大きく崩壊していた。倒木も散乱している。何とか沢に下り、岩場を苦戦しながら登ったら、その先が切れていた。もはやこれまでか。危なっかしく沢に戻り、下から巻くかと、沢をちょっと下ったが、その先のトラバースは到底無理。確実に落ちる。どうしようか。この辺から、意を決して急斜面を登って逃げるかと見上げると、何ということはない。岩場の上を巻いている踏み跡があった。しかし、この巻き道とて安心できるものではなく、道に降り立つ際、勢いづいたらそのまま滑落だ。二重の慎重さを要した。古道がこんなひどい状況とも知らずにやって来たが、せめてヘルメットは持参すべきだった。ロープは持って来たが、使うことさえ切羽詰って忘れている。
(ようやくおとなしくなってくれた。ここで一服)

古道に入り込んでから1時間。たいした時間ではないが、気分的にはかなりの時間、危険極まりないところを歩いてきた感がある。突然、なだらかな尾根が目の前に現れ、低いササの生えた普通の景色になった。少なくとも、左下の急斜面はおさまっている。GPSを見て地図をあてがうと、1317m標高点の東側尾根の1200m付近にいる。このまま目の前の尾根を北西に向かい、さらに北上すれば六林班峠道に出られるはずだ。誘惑にかられる。だが、古道は明瞭に先に続いている。悩んだ。タバコを吸って、出した結論は続行。尾根はなだらかだが、350mの標高かせぎはつらい。まして、もしかすると、ここからは普通の気分のいい歩きになるかもしれないといった期待もわずかばかりはある。
(最初の広場)

(広場の端はこうなっていた。レンガとブロックの残骸がある)

おとなしい歩きが続き、やがて、きりんこさんの地図軌跡に記された「赤テープのある小広場」に出た(このGPSマップは早いとこ消していただきたいのだが)。ただ、その「赤テープ」を確認することはできなかった。ブロックや赤レンガの破片、ドリンクの空き瓶があった。狭い空間で、台地状になっていて、南側の斜面を見下ろすと、スパッと切れていた。見た目のおとなしさとは裏腹に実態は相変わらず険悪だ。
(この辺から登り気味になっていく)

(そして次の広場)

(ガラスの破片)

(石積み)

再び危うげな古道が復活し、次の広場となったが、危険極まりないところはもうない。どこからでも逃げられるようになった。この辺になると舟石新道の様相に近いところがある。ただ、これまでのこともあるしと、絶えずビクビクしている。広場にはなぜかガラスの破片が散乱していた。石積みも目に付いた。何かがあったのだろう。
(ガレた沢を渡る)

(倒木地帯。うっすらと踏み跡。古道かと思っていたが)

1317m標高点に向かう尾根が近づく。そろそろ、きりんこさんがでかいクマを目撃したところだ。予定としては1317mに出るつもりでいる。クマの気配はないままに沢に出た。ここからその尾根に登るつもりでいたが、尾根上に道型は確認できず、さらに西に進む踏み跡があった。ここは尾根には上がらずに踏み跡を追う。また沢を横切る。かなり下に出た。大きな岩がある。その下を通過すると、先は倒木が散乱していた。かろうじて、その先に踏み跡らしきものが見え、迂回して復帰。だが、道型はすぐに消えた。辿ったのはシカ道だったのかもしれない。やはり、1317m尾根を行くべきだったか。茶碗のかけらもまったく目にせず、どこが赤岩停車場の跡なのかも皆目確認すらできないままだ。やはり、気持ちの余裕の違いということに尽きる。
(あきらめ半分で尾根に乗るが、実のところはほっとしている)

結局は、きりんこさんの後追いになってしまった。1317m尾根の西側の尾根を北上する。だが、尾根に上がるまでがきつい。水を含んでいるため、どこを登ってもズルズルとくる。尻どころか、今度は前が泥んこになる。
古道はもういいかという気分なっている。この先、しばらく行くとなだらかになるはず。もうこのまま六林班峠道に出てしまおう。もうゆっくりと登ることにしよう。前半部の緊張感ですでにかなりバテてもいる。きりんこさんはおろか足尾のRRさんですら古道を見失って半端に終わっている。お二方の調査済みなのだから、自分の出る幕でもあるまい。歩いた実績だけで十分だ。
ところが、気分は絶えず、この尾根を横断するだろう古道の跡をきょろきょろと探している。それらしき踏み跡が右にあれば、尾根を回り込んだ左の先を見てしまう。これは違うなと。やがて左下に沢音が聞こえてきた。きりんこさんの見たセクシーな滝を見たいという思いもある。せめて滝だけでも見ておこうか。
(また現れた。しかたがない。追う)

明瞭な尾根ながらも、クマが突然現れやしないかと警戒しながらも一服つける。静寂は禁物とスズを振って音を出しても沢音にかき消される。仕方なく絶えず咳払い。そして、意味不明な大声を出す。しかしなぁ、前夜にハイトスさんにお声をかけたが、予定ありの断わりメールが返ってきた。一緒に歩くことになっていたらどういうことになっていたのやら。危ない思いをするのは一人で十分だ。巻き込むのは失礼な話。少なからず気持ちの余裕は出てきたようだ。
古道を目にしないままにあきらめ半分でいると、あれっとばかりに尾根を横断するかすかな踏み跡が見えた。ここまで来たのなら、ここはしつこく追うべきだろう。ころころと気が変わる。
(滝を見る。きりんこさん当時に比べて水量が多い。確かにセクシーではあるが)

石がゴロゴロした河原のようなところを横断して踏み跡に戻ると、沢に出た。右を見ると、滝が見えた。あれが例の滝か。しばらく滝見物の休憩にするか。水量が多いため、セクシーというには無理がある。7~8mの二段だ。なかなかの滝じゃないか。
いずれこの先で古道は見失うはず。今、標高1360m付近。この沢を200mも登れば六林班峠道に出る。この滝は容易く右から越えらそうだ。また迷ったが、結局、古道に復帰。
(古道は尾根に向かっていた。またまたほっとする)

(かすかに続いているが)

(ここで消えたというか、不明になった)

正面に尾根が見えている。踏み跡はそれに向かっている。これは都合がいい。早いとこ尾根に出てしまいたい気分が、そろそろ古道の消滅を期待する気分になってしまっている。尾根に出ると、期待通りにササヤブになって、道型はわけがわからなくなった。RRさんはここからさらに三才沢まで辿られたようだが、もうここは引き際としよう。標高1390mで撤退ということになる。古道もここまで追ったら十分だ。
(六林班峠道に向かう尾根)

(人為的な踏み跡かシカ道かは不明。これは左手に逸れて行った)

腰高のササヤブの中にシカ道が続いていた。まさかこれが古道の延長ではあるまい。なだらかな広い尾根だが、シカ道はトラバース気味に西に向かっているので北上に軌道修正。ヤブこぎになった。実は、この踏み跡が古道だったのではないかと今にして思ったりしている。コンパスをあてがう必要もない。登って行けば、いずれは六林班峠道に出る。
(テープが続いている)

(六林班峠道は間もなくだろう)

(峠道に出た)

ふと、予想外の色を左に見た。近づくとひからびたピンクテープ。ここもかよと嫌な気分になった。しかし、よく見ると、テープはかなり古く、簡単に外せるような結わえ方をしている。こんな結び方でよくも長年持っているものだ。明らかに件の御仁の手によるものではない。ただ、小うるさく10m間隔で付けられている。下に踏み跡はまったくない。古道探索の帰りなのか、庚申川から登って来たのか、これはわからない。
(今回の軌跡一部。地図上の六林班峠道は1482mのかなり北に位置している)

(カシミール版地図。昨年は1482mを通過している)

テープを追ってしばらく登る。ふいに派手にグルグル巻きにしたテープが見えた。ここまでしなくともと思ったが、明瞭な道に出た。六林班峠道だった。意外に早かった。あれっと思い、GPSを確認すると、GPSマップ上の六林班峠道は標高でさらに50m先にある。この六林班峠道、帰ってから調べると、地理院地図では西側の1482m標高点のさらに北80m先を通過し、カシミール版地図では1482mのすぐ南側を通過している。どういうことなのか。ここもまた旧道、新道があったのだろうか。この疑問、実は昨年の10月に歩いた際に気になっていて、その時のGPS軌跡では1482m標高点を通過していたのだが、たいして気にもとめないでいた。
(峠道を庚申山荘に向かう)

(庚申山荘)

まずはともかく、六林班峠道であることに間違いなく、庚申山荘に向かう。途中、旧道らしき踏み跡を探したが、目には入らなかった。
だれに会うこともなく庚申山荘に着く。12時を回ったばかりだ。余計な記述だが、せっかくだから銀峯の山名板を見回りして、さらに庚申山なんぞといった考えはまったく起きなかった。
さて、人気のない山荘風景だったが、ベンチにストックが2人分置かれていた。庚申山にでも行っているのかと思ったが、そのうちに山荘から話し声が聞こえた。泊まりだろうか。
おにぎりを一個食べて下る。あるいは笹ミキ沢の右岸尾根でも下るかと思いもしたが、結局はそのままで登山道を下る。今日は前半の古道探索で疲れた。後は安心な道を歩きたい。それだけの心持ちしかない。庚申山まで登って、危うげな登山コースをまた歩きたくもない。
途中、ハイカー7人くらいと出会った。こんな時間だから、山荘泊まりで、明日は皇海山だろう。山荘のバイオトイレは故障で使用禁止になっていたが、女性ハイカーと会うことはなかった。
(途中の光景。その1)

(その2)

(その3)

(その4)

(その5)

庚申川にそそぐ沢筋の水量は多い。水ノ面沢の小滝も見ごたえがある。つい、沢の方に行っては滝を眺めたりした。2人の釣り人の姿も見えた。
(七滝の広場に到着)

庚申七滝の広場に出ると、今朝の自転車以外にバイクと別チャリが置かれていた。黄色のナンバープレートのバイクだったが、どうやって、あのゲートをくぐったのだろうか。器用な方もいるものだ。それにしても、きりんこさんの電動自転車、あれはいいねぇ。だけど、自分の車にそんなものを積めるスペースはない。うらやましい限りだ。
未舗装道が終わり、運動靴に履き替える。今日は地下足袋の指股の痛みはなかった。テーピングしたせいもあるだろう。これでなかったら、古道は歩けなかったかもしれない。たかが地下足袋、されど地下足袋だ。
(ここにも紅葉の前触れが)

(駐車場に着いた)

やたらと暑くなっている。林道沿いの擁壁から流れる水は、出がけよりも増した気がする。駐車場に着くと、ゲート前を含めて車が11台もあった。かじか荘で風呂にでも入ろうかと思ったが、連休が始まっている。少しでも早く、大間々の町を通過してしまいたい。着替えをして、エアコンを入れてそそくさと帰路についた。