◎2015年10月17日(土)
土曜日は雨、日曜日は晴れの予報は知っていたのだが、日曜日はどうにも外せない用事があって、行くとすれば土曜日にしぼられる。雨がはっきりしているのに、出かけるのもどうかと思うが、支障がない限り、週一歩きは励行したいところ。で、短絡的ではあるが、雨でも問題がないのは沢歩きか滝見ということになる。
滝のこと、あまりよくは知らないのだが、先月、赤城山山麓の滝を4つほど見に行ったところ、瀑泉さんに北側にも滝がいくつかあるというご指導をいただいた。ネットで調べると、赤城川四滝というのがあって、下流から砂川大滝、ゴロスの滝、中滝、そして銚子の滝となる。「銚子の滝」は「銚子の伽藍」とどういう関係にあるのかは知らないが、まったく無関係だろう。ゴロスの滝あたりは語感がいい。いずれ行ってみるつもりでいた。
それぞれの滝、車道から赤城川に下りて、さっと往復できるらしい。まぁ、そんなところが瀑泉さんが後回しにされているわけということになっているのではないだろうか。こちらは、そういうことはあまり気にせず、どうせ時間つぶしのようなもの。名前のある滝だけは見ておきたいという気持ちがあるのみ。今回はそこに行くとしよう。
この赤城川四滝、それだけではあっという間だろうということもあって、滝見と山歩きのダブルを考えていた。ハイトスさんが先日歩かれた船ヶ鼻山をその際の候補にしていたが、地図を見ていて、北面道路の東側にある1400.4mの三角点峰がやけに気になった。破線路もある。この山、ヤブ山なのだが、「和久土也山」という山名があるらしい(※)。雨の中、そこまで余裕があるかは自信もないが、問題なければここにも登ってみよう。
(※この山、他に「孫黒檜山」、「鷹ノ巣山」という名前もあるようだ。また、野坂峠から船ヶ鼻山の間の稜線上にあるピークにも「和久土也山」というのがあるようで、この辺の山名はよくわからない)
【砂川大滝】
出がけに確認したGPV気象予報では、8時頃にはもう雨が上がっているはずなのに雨足は強くなるばかりだ。赤城山が見えないのは致し方ないとして、上に行くに連れて濃くなっている紅葉も、これではまったく楽しめもしない。何とももったいない。しかし、この雨では滝見も無理かなとちょっと不安。せめて一つだけでも見ておこう。この空模様で、和久土也山は論外になってしまった。
北面道路から分かれて直進。間もなく急角度で細い林道だか作業道に左折。ちょっと行くと、ひどいぬかるみになり、これでは車がはまってしまう。仕方なく坂道をバックして、「忠治切込うどん」の看板の前の空き地に車を置いた。今日の足はスパ長だが、さらに傘をさして出発。
先は工事中になっていて、右先下に民家のようなものが見えた。看板も目印、テープもないが、ここは沢にさっさと下った方がいいだろう。ヤブを下って沢に出た。
(沢の紅葉はまだ早いようだ。沢水はきれいだった。源流は伏流水とのこと)
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(かなり葉は落ちているのだが)
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(見えてきた。いつもこの瞬間が待ち遠しい。こんな短時間歩きでも)
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石がゴロゴロして冴えない感じの沢だ。ところどころに深みもある。何というか、歩いていてもあまり楽しくもない沢だ。この辺、標高は700mちょっと程度のものだが、紅葉はまだ早いらしく、青葉が目立ち、赤い色は見あたらない。上に橋が横切っている。
大石を避けながら、右岸、左岸、水の中を歩いていると、滝が見えてきた。砂川大滝に到着。かかった時間は15分。
(砂川大滝)
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(葉が赤かったらアクセントになったかも)
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(見上げる)
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(そして落ち込む)
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ネット記事では落差30mとあった。そんなにあるようには見えないがなかなかの滝だ。赤城四滝の中では一番の落差らしい。傘をさしたまましばらく眺めた。周囲の木の葉がうるさい。写真を撮っても、どうしてもじゃまになる。葉が落ちた時期ならさぞ見ごたえもあるのではなかろうか。もしくは、葉が色づくこれからか。
(水管橋)
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(こんな花がひっそりと)
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では戻りましょう。そのまま戻ってもいいが、すこし行くと、右岸側から上に出られそうで、斜面を登ってみると、踏み跡らしきものがあり、「赤城川水管橋」の立入禁止の看板があった。そうか、あの橋は導水管橋か。橋からはしっかりした道があり、すぐに作業道に出た。このルートで行けば、10分程度で滝に行けるかも。
相変わらずの雨。砂川大滝はあっ気なかった。これで帰るのもなぁと、取りあえず、ゴロスの滝も見て行くとするか。今回は、滝見も下流から上流に向かって行くつもりでいた。
それにしても、この砂川大滝にしろ、この先の滝にしろ、滝の標識や案内板の類はまったくない。ネット記事と照合して、あぁ、これが砂川大滝なんだなと思っているだけのことで、違っているということはないだろうが、何ともあっさりしたものだ。
【ゴロスの滝】
北面道路との分岐に戻る。大した距離でもないが、砂川大滝の先には堰堤があるようで、わざわざ越えることもない。車で行けば済むことだ。
(分岐に戻って。直進方向は赤城山)
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(階段を下る)
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(ここは色がついている)
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(ここも落ち葉が多い)
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分岐道の路肩に車をとめて、「水上温泉郷」の大きな看板のある裏から沢に下りる。石の階段があったが、倒木で真っ直ぐには下れない。
橋が二本架かっていて、その下が沢。ここは大石が若干ながら少なく、淡い紅葉も始まっていて、沢歩きもさっきよりは楽しめる。樹に着いた葉よりも、河原に落ちた葉の色づきが目立っている。
(小滝というよりも段差といったところだ)
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(そして、前衛滝?実はこれがゴロスの滝)
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(ロープで右を登る)
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小滝を楽しみながら行くと、幾分大き目な滝が出てきた。ここまで10分。これはゴロスの滝の前衛滝だろう。落差5~6mといったところか。
この前衛滝、写真の見た目と違って越えるのはしんどいというか無理。左から行けそうだが手前に深みがある。どうすんべぇと思案していたら、おあつらえ向きに、右手に水分をたっぷりと含んだ古いロープが2本見えた。これを使って上に出なきゃゴロスの滝にもお会いできないだろう。
傘がじゃまだった。傘は岩の下にデポ。ロープ頼りとはいっても滑りまくって上に出た。
(ナメが広がっていた)
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(いい感じ)
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(もう少しすれば紅葉がバックになるか)
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(やがて堰堤が出てきた)
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ナメが続いていた。すこぶるいい感じ。ナメの間に甌穴もある。これは飽きない。頭やら身体が雨で濡れるのを気にしながらも、しばらく楽しんだ。
そのうちに、左手上に北面道路のガードレールが見え、民家のようなものも接近した。ゴミが散乱し、動物の死骸のようなものも目に付いてくる。ゴロスの滝にはなかなか着かない。と、前方に堰堤が二つ。もしかして、ゴロスの滝は、さっきロープで登った前衛滝ではないのか。きっとそうだろう。
(ナメを戻る)
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(切れたところがゴロス滝の落ち口)
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ゴロスの滝は既に見たことだし、そのまま民家っぽい脇を通って、車道に出てもいいのだが、ビニール製とはいえ傘を置き去りにするわけにもいくまい。そのまま戻る。
(改めてゴロスの滝)
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(正面から)
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(橋が2本)
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ロープで下る。岩の間に長靴をはさめてしまい、四苦八苦して滝から下りる。そして、改めてゴロスの滝。こじんまりした滝だわ。ゴロスの名からして、いかにも名瀑、巨瀑といったイメージはあるが、失礼ながら、その辺の小滝といった風情だ。
一応、満足して沢伝いにそのまま戻る。
雨はまだ降っている。どうせ濡れたのなら、濡れっぱなしでいい。着替えもある。残りの2つまでやっちゃおうかと思いもしたが、気分はどうも冴えない。中滝は結構歩くようだし…。中滝はやめて、銚子の滝で終わりにしようか。
砂川大滝もゴロスの滝も短時間だからと、地図を持って歩かなかった。後でGPS軌跡を見ると、ゴロスの滝の先に見えていた堰堤は都合3基あって、ネットの歩き手本では3基目から中滝に向かうようになっていたが、3基目の堰堤には鉄梯子があるようだ。だとすれば、1基目も2基目もあっただろうし、そのまま中滝に行けたかもしれない。後の祭りではあるが、今さらになって残念なことをした。
【銚子の滝】
ということで、銚子の滝に向かう。「ちょうし」なのか「ちょうご」なのかは知らない。
(作業道に入る)
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(周囲の紅葉)
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赤城山に向かって左手の作業道の入口が比較的広く、ここに駐車。対面の作業道に入る。この辺になると標高も1060mあたりになっていて、沢からはかなり上だ。
雨は上がっていた。傘はもう要らないだろう。
(突っ込む)
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(見上げる。あそこを滑ったわけではない。ただ、あのヘリは歩いた)
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(沢に出た)
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予想どおり、これまでと違って、沢に下るのはそう簡単ではない。作業道をそのまま行けば滝の上になる。作業道から離れ、道型の名残を北側に行くと、どこも左下は急斜面で、崩壊しているところもあって、下るに適当な場所はない。まして、標高差があって、沢も見えていない。切れかかったところを樹につかまって先に行っても、手ごろなところはない。意を決して下った。踏み跡そのものも見あたらない。
雨で土がかなりもろくなっていたし、スパ長のスパイクもつぶれて普通の長靴になっている。あっという間にズルっといって流された。全身泥んこになった。
何とか沢に出て、手を洗ってカメラの泥を落とした。滝はもう見えていたが、降り立ったところも滝状になっていて、しばらく下を眺めた。
(何やらなまめかしい滝が見えてきた)
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(銚子の滝)
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(はさまった岩が水流を細くしている)
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(横から)
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銚子の滝に出る。この滝も10分であっ気なく着いたが、この滝はいい感じ。落差は12mとある。こういう滝は斜瀑というのだろうか。上に大岩がはさまっていて、上の水流は細い。今日の三滝のうち、自分としてはこの滝が一番だ。
(ここを登る。写真に収めるとどうも大したことのない斜面になってしまう。目線の位置か)
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(ぼんやりながらも青空になりつつある)
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さてと、どこを戻ろうか。滝のすぐ右岸側が何とか登れそうだ。つかんだ立木があっ気なく折れ、足を踏み込んで崩れたところもあった。この滝は短時間ながらもしんどい。帰路は軍手を履いたからいいものの、それでもまたしても泥んこになった。
(ひかりごけ駐車場から。和久土也山はここから)
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(左下に大沼)
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(やはり紅葉も陽の光か)
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(黒檜山登山口)
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(赤城神社から)
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(もうこの辺にしておこう。自分のカメラではこの程度だ)
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徐々に薄日が射してきた。雨はすっかり上がった。紅葉見物でもしながら帰るとするか。
ところどころで車をとめては少し歩いた。光量不足ですっきりした紅葉は見られないが、光のあたっているところはきれいだ。だが、ここもそろそろ終わりかけではないだろうか。茶色も目立ちはじめている。
30人くらいの団体さんが黒檜山に入って行った。もう12時を回っている。晴れるのを待っていたのだろうか。
紅葉見物、きりもないので切り上げる。下って行くと、途中でまたガスになった。
土曜日は雨、日曜日は晴れの予報は知っていたのだが、日曜日はどうにも外せない用事があって、行くとすれば土曜日にしぼられる。雨がはっきりしているのに、出かけるのもどうかと思うが、支障がない限り、週一歩きは励行したいところ。で、短絡的ではあるが、雨でも問題がないのは沢歩きか滝見ということになる。
滝のこと、あまりよくは知らないのだが、先月、赤城山山麓の滝を4つほど見に行ったところ、瀑泉さんに北側にも滝がいくつかあるというご指導をいただいた。ネットで調べると、赤城川四滝というのがあって、下流から砂川大滝、ゴロスの滝、中滝、そして銚子の滝となる。「銚子の滝」は「銚子の伽藍」とどういう関係にあるのかは知らないが、まったく無関係だろう。ゴロスの滝あたりは語感がいい。いずれ行ってみるつもりでいた。
それぞれの滝、車道から赤城川に下りて、さっと往復できるらしい。まぁ、そんなところが瀑泉さんが後回しにされているわけということになっているのではないだろうか。こちらは、そういうことはあまり気にせず、どうせ時間つぶしのようなもの。名前のある滝だけは見ておきたいという気持ちがあるのみ。今回はそこに行くとしよう。
この赤城川四滝、それだけではあっという間だろうということもあって、滝見と山歩きのダブルを考えていた。ハイトスさんが先日歩かれた船ヶ鼻山をその際の候補にしていたが、地図を見ていて、北面道路の東側にある1400.4mの三角点峰がやけに気になった。破線路もある。この山、ヤブ山なのだが、「和久土也山」という山名があるらしい(※)。雨の中、そこまで余裕があるかは自信もないが、問題なければここにも登ってみよう。
(※この山、他に「孫黒檜山」、「鷹ノ巣山」という名前もあるようだ。また、野坂峠から船ヶ鼻山の間の稜線上にあるピークにも「和久土也山」というのがあるようで、この辺の山名はよくわからない)
【砂川大滝】
出がけに確認したGPV気象予報では、8時頃にはもう雨が上がっているはずなのに雨足は強くなるばかりだ。赤城山が見えないのは致し方ないとして、上に行くに連れて濃くなっている紅葉も、これではまったく楽しめもしない。何とももったいない。しかし、この雨では滝見も無理かなとちょっと不安。せめて一つだけでも見ておこう。この空模様で、和久土也山は論外になってしまった。
北面道路から分かれて直進。間もなく急角度で細い林道だか作業道に左折。ちょっと行くと、ひどいぬかるみになり、これでは車がはまってしまう。仕方なく坂道をバックして、「忠治切込うどん」の看板の前の空き地に車を置いた。今日の足はスパ長だが、さらに傘をさして出発。
先は工事中になっていて、右先下に民家のようなものが見えた。看板も目印、テープもないが、ここは沢にさっさと下った方がいいだろう。ヤブを下って沢に出た。
(沢の紅葉はまだ早いようだ。沢水はきれいだった。源流は伏流水とのこと)

(かなり葉は落ちているのだが)

(見えてきた。いつもこの瞬間が待ち遠しい。こんな短時間歩きでも)

石がゴロゴロして冴えない感じの沢だ。ところどころに深みもある。何というか、歩いていてもあまり楽しくもない沢だ。この辺、標高は700mちょっと程度のものだが、紅葉はまだ早いらしく、青葉が目立ち、赤い色は見あたらない。上に橋が横切っている。
大石を避けながら、右岸、左岸、水の中を歩いていると、滝が見えてきた。砂川大滝に到着。かかった時間は15分。
(砂川大滝)

(葉が赤かったらアクセントになったかも)

(見上げる)

(そして落ち込む)

ネット記事では落差30mとあった。そんなにあるようには見えないがなかなかの滝だ。赤城四滝の中では一番の落差らしい。傘をさしたまましばらく眺めた。周囲の木の葉がうるさい。写真を撮っても、どうしてもじゃまになる。葉が落ちた時期ならさぞ見ごたえもあるのではなかろうか。もしくは、葉が色づくこれからか。
(水管橋)

(こんな花がひっそりと)

では戻りましょう。そのまま戻ってもいいが、すこし行くと、右岸側から上に出られそうで、斜面を登ってみると、踏み跡らしきものがあり、「赤城川水管橋」の立入禁止の看板があった。そうか、あの橋は導水管橋か。橋からはしっかりした道があり、すぐに作業道に出た。このルートで行けば、10分程度で滝に行けるかも。
相変わらずの雨。砂川大滝はあっ気なかった。これで帰るのもなぁと、取りあえず、ゴロスの滝も見て行くとするか。今回は、滝見も下流から上流に向かって行くつもりでいた。
それにしても、この砂川大滝にしろ、この先の滝にしろ、滝の標識や案内板の類はまったくない。ネット記事と照合して、あぁ、これが砂川大滝なんだなと思っているだけのことで、違っているということはないだろうが、何ともあっさりしたものだ。
【ゴロスの滝】
北面道路との分岐に戻る。大した距離でもないが、砂川大滝の先には堰堤があるようで、わざわざ越えることもない。車で行けば済むことだ。
(分岐に戻って。直進方向は赤城山)

(階段を下る)

(ここは色がついている)

(ここも落ち葉が多い)

分岐道の路肩に車をとめて、「水上温泉郷」の大きな看板のある裏から沢に下りる。石の階段があったが、倒木で真っ直ぐには下れない。
橋が二本架かっていて、その下が沢。ここは大石が若干ながら少なく、淡い紅葉も始まっていて、沢歩きもさっきよりは楽しめる。樹に着いた葉よりも、河原に落ちた葉の色づきが目立っている。
(小滝というよりも段差といったところだ)

(そして、前衛滝?実はこれがゴロスの滝)

(ロープで右を登る)

小滝を楽しみながら行くと、幾分大き目な滝が出てきた。ここまで10分。これはゴロスの滝の前衛滝だろう。落差5~6mといったところか。
この前衛滝、写真の見た目と違って越えるのはしんどいというか無理。左から行けそうだが手前に深みがある。どうすんべぇと思案していたら、おあつらえ向きに、右手に水分をたっぷりと含んだ古いロープが2本見えた。これを使って上に出なきゃゴロスの滝にもお会いできないだろう。
傘がじゃまだった。傘は岩の下にデポ。ロープ頼りとはいっても滑りまくって上に出た。
(ナメが広がっていた)

(いい感じ)

(もう少しすれば紅葉がバックになるか)

(やがて堰堤が出てきた)

ナメが続いていた。すこぶるいい感じ。ナメの間に甌穴もある。これは飽きない。頭やら身体が雨で濡れるのを気にしながらも、しばらく楽しんだ。
そのうちに、左手上に北面道路のガードレールが見え、民家のようなものも接近した。ゴミが散乱し、動物の死骸のようなものも目に付いてくる。ゴロスの滝にはなかなか着かない。と、前方に堰堤が二つ。もしかして、ゴロスの滝は、さっきロープで登った前衛滝ではないのか。きっとそうだろう。
(ナメを戻る)

(切れたところがゴロス滝の落ち口)

ゴロスの滝は既に見たことだし、そのまま民家っぽい脇を通って、車道に出てもいいのだが、ビニール製とはいえ傘を置き去りにするわけにもいくまい。そのまま戻る。
(改めてゴロスの滝)

(正面から)

(橋が2本)

ロープで下る。岩の間に長靴をはさめてしまい、四苦八苦して滝から下りる。そして、改めてゴロスの滝。こじんまりした滝だわ。ゴロスの名からして、いかにも名瀑、巨瀑といったイメージはあるが、失礼ながら、その辺の小滝といった風情だ。
一応、満足して沢伝いにそのまま戻る。
雨はまだ降っている。どうせ濡れたのなら、濡れっぱなしでいい。着替えもある。残りの2つまでやっちゃおうかと思いもしたが、気分はどうも冴えない。中滝は結構歩くようだし…。中滝はやめて、銚子の滝で終わりにしようか。
砂川大滝もゴロスの滝も短時間だからと、地図を持って歩かなかった。後でGPS軌跡を見ると、ゴロスの滝の先に見えていた堰堤は都合3基あって、ネットの歩き手本では3基目から中滝に向かうようになっていたが、3基目の堰堤には鉄梯子があるようだ。だとすれば、1基目も2基目もあっただろうし、そのまま中滝に行けたかもしれない。後の祭りではあるが、今さらになって残念なことをした。
【銚子の滝】
ということで、銚子の滝に向かう。「ちょうし」なのか「ちょうご」なのかは知らない。
(作業道に入る)

(周囲の紅葉)

赤城山に向かって左手の作業道の入口が比較的広く、ここに駐車。対面の作業道に入る。この辺になると標高も1060mあたりになっていて、沢からはかなり上だ。
雨は上がっていた。傘はもう要らないだろう。
(突っ込む)

(見上げる。あそこを滑ったわけではない。ただ、あのヘリは歩いた)

(沢に出た)

予想どおり、これまでと違って、沢に下るのはそう簡単ではない。作業道をそのまま行けば滝の上になる。作業道から離れ、道型の名残を北側に行くと、どこも左下は急斜面で、崩壊しているところもあって、下るに適当な場所はない。まして、標高差があって、沢も見えていない。切れかかったところを樹につかまって先に行っても、手ごろなところはない。意を決して下った。踏み跡そのものも見あたらない。
雨で土がかなりもろくなっていたし、スパ長のスパイクもつぶれて普通の長靴になっている。あっという間にズルっといって流された。全身泥んこになった。
何とか沢に出て、手を洗ってカメラの泥を落とした。滝はもう見えていたが、降り立ったところも滝状になっていて、しばらく下を眺めた。
(何やらなまめかしい滝が見えてきた)

(銚子の滝)

(はさまった岩が水流を細くしている)

(横から)

銚子の滝に出る。この滝も10分であっ気なく着いたが、この滝はいい感じ。落差は12mとある。こういう滝は斜瀑というのだろうか。上に大岩がはさまっていて、上の水流は細い。今日の三滝のうち、自分としてはこの滝が一番だ。
(ここを登る。写真に収めるとどうも大したことのない斜面になってしまう。目線の位置か)

(ぼんやりながらも青空になりつつある)

さてと、どこを戻ろうか。滝のすぐ右岸側が何とか登れそうだ。つかんだ立木があっ気なく折れ、足を踏み込んで崩れたところもあった。この滝は短時間ながらもしんどい。帰路は軍手を履いたからいいものの、それでもまたしても泥んこになった。
(ひかりごけ駐車場から。和久土也山はここから)

(左下に大沼)

(やはり紅葉も陽の光か)

(黒檜山登山口)

(赤城神社から)

(もうこの辺にしておこう。自分のカメラではこの程度だ)

徐々に薄日が射してきた。雨はすっかり上がった。紅葉見物でもしながら帰るとするか。
ところどころで車をとめては少し歩いた。光量不足ですっきりした紅葉は見られないが、光のあたっているところはきれいだ。だが、ここもそろそろ終わりかけではないだろうか。茶色も目立ちはじめている。
30人くらいの団体さんが黒檜山に入って行った。もう12時を回っている。晴れるのを待っていたのだろうか。
紅葉見物、きりもないので切り上げる。下って行くと、途中でまたガスになった。